“好き”を仕事にするのは楽しそうだし、自由な面が魅力の一方で、何かと不安も多いフリーランスという働き方。実際にフリーランスとして働く人たちに、独立したきっかけや仕事に対する想いを聞きました。
File02 フリーランス管理栄養士 菱沼未央さん(32歳)
前職でハラスメントを受けたことをきっかけにうつと摂食障害、男性恐怖症を発症。通勤が困難になったため、ひとりで働けるフリーランスという道を決意しました。背水の陣で独立しましたが、不思議と不安はなかったです。
業界の構造上、繁忙期と閑散期が明確なので仕事量は安定していません。でも、時間に余裕ができたときは「インプットの時期」に充てようと、ポジティブに考え、栄養学や調理技術のブラッシュアップに努めています。今はSNS上でレシピ投稿を行うインフルエンサーも多いので、日々研鑽が必要です。
フリーランスは、ブランディング、マネジメント、コミュニケーションなど、あらゆることを自分ひとりでこなす仕事だと思うんです。そのスキルさえあれば、環境や職種が変わってもなんだかんだ食べていけると考えています。そんなポジティブなマインドでい続けることも大切だと思います。
フリーランスを続けるうえで大切にしている3つのルール
- 自分にしかできない、ニッチな専門性を磨く
私の場合、料理家さんと競合するので、+栄養学の知識や器のプロデュース、写真撮影などで自分に付加価値をつけています。 - ギャランティや条件面で自分を安売りしない
「最低限これぐらいは頂戴したいです。でも、もしご予算があれば相談してください」と謙虚な言い方でギャランティ交渉を行っています。 - 自分で収入を得られるプラットフォームを持つ
収入の浮き沈みが激しい業界なので、考案したレシピを一般の方に販売する自分発の事業をBASEやフリマサイトで展開中。
菱沼さんにQ&A!
ロールモデルはいる?
いません。ただ、自分で作り上げる楽しみはあります!
撮影やスタイリングのスキルを身に付けることで、栄養学に基づいたレシピ提案以外にもやれることがたくさんあり、毎日が充実中。
独立前に準備しておくべきことは?
SNSを育てておくこと。
この5年ほどで業界内では、拡散力の大きさも案件依頼の条件になってきている印象。フリーになる前にSNSを育てておくと◎。Instagram@fujifab12では、レシピなどを発信中。
仕事の獲得方法は?
独立時は母校からの紹介、現在はSNSやHPから。
独立時、フリーランスの管理栄養士は周りにもほとんどいなかったので、大学時代のツテをたどって案件を獲得していました。
フリーランスのここが苦しいという点は?
産休や育休がなく、収入が一気にゼロに…
会社員のように産休・育児休暇などの福利厚生がないので、子育て中は収入ゼロに。生後3ヵ月の息子を抱いて、復職しました!
独立後、収入は安定している?
閑散期は月収5万円、繁忙期は月収50万円と波あり…。(泣)
料理業界では、初夏と秋が繁忙期。繁忙期は案件が集中しすぎて、相談の8割をお断りしている状況。閑散期は懐が寂しいです…。