美容ジャーナリスト齋藤薫さんが、最近ハッと目を奪われる女性の特徴とは…?【連載「齋藤薫の美脳格言」】
大振りの腕時計をしている女性に目を奪われる理由
最近ハッとさせられるのが、大振りのリストウォッチをしている人。細い手首がそっくり隠れてしまいそうな、大きなフェイスの腕時計をしている人は、今とりわけオシャレで知的に見える。言うまでもなくスマホがあれば事足りるからこそ、わざわざ腕時計をするのは、仕事をする女としての自覚と主張を両方際立せることになる。
これに加えて、男モノのように大きなフェイスの時計を選ぶことにより、マスキュリンな服と同じように、男っぽさで女らしさを強調するメカニズムがそこに働く。つまり、仕事は男以上にバリバリこなすのに、本人は極めて女っぽい…そんな美しい矛盾が生まれるのだ。それこそ腕時計ひとつで。
ハイジュエリーよりも高級腕時計が欲しい人たち
一方で、いわゆるハイジュエリーには興味がなく、だったらハイブランドの時計を買う、という人も増えてきた。単に着飾るだけでは表せない、生き方の洗練までがはっきりと示せるからなのだろう。
一分一秒も安易に過ごしはしない、日々を丁寧に生きていることがそこに映し出されるからこそ、生命感が煌めき、ジュエリー以上の輝きを放つ。そういう意味でも、一生モノの腕時計が欲しいというモチベーションこそ、大人になった印。逆を言えば高級時計は知的な大人じゃないと似合わない。だから目を引くのだと思う。
“若い女性”と“大人の女性”の狭間にいる今こそ、また社会に出てある程度のキャリアを積んだからこそ、美しい道具を美しく使いこなせる、そういうスキルを身に付けた年齢だと言っても良い。
今こそ人生の時間割をしっかりと決めて生きていく年齢
さらに言うなら、いよいよ自分の人生の時間割をしっかりと決めて生きていく年齢だからこそ、時を刻む美しい道具を肌身離さずつけておく意味が生まれてくるのだ。だから今ちょっと背伸びしても、いい時計を持つことは、意識して人生のランクを高めていくきっかけとなるに違いない。それは自分のステージを高めるツール。人としての教養や積み上げた経験が、ある種の高級感としてそこに示されるような関係式が生まれるから。
じつは同じように必需品ではなくなったから、価値を増したものに“手帳”がある。それもあえて手書きで埋めるスケジュールに、自分が生きていく一日と一年を意識的に充実させ、より良いものにする覚悟を託す道具だから。一年間の区切りの中で、自分を評価する下地と自信ができた年齢だから。
こんなふうに、小さな小物が人を煌めかせる時。大人じゃないと本当の意味で使いこなせない美しい道具との出会い。GINGER世代にとって、それが今なのだ。