ステイホームを経験し、改めて気付かされた、居心地のよい家づくりの大切さ。そこでセンスがいい人のこだわりの家を大解剖。その人らしいセオリーが隠された三者三様の暮らし方から、理想の家づくりのヒントをリサーチ!
視界いっぱいに広がる色鮮やかな空間が、日々の創造力を育む
独自の色彩感覚と家庭的な味わいで、食べる人を魅了する料理家の寺井幸也さんが選んだのは、料理が映えるデザイナーズマンション。
「自宅で料理を撮影する機会が多く、自然光の入り方が美しかったのが決め手に。地下2階から1階まで壁一面に張られた窓ガラスから、地下にも柔らかな光が届きます」
雑然としがちな色や柄物であふれているのにどこか安らぎを感じる、寺井さんの料理さながらの空間。
「昔からカラフルな世界が好き。バラバラのものを自分らしく組み合わせる作業が好きなんです」
部屋には個性的でエネルギッシュな植物の存在が欠かせない。
「植物は心身のバロメーター。お手入れは大変ですが、それができる余裕を常に持っていたいです」
【間取り】ユニークなメゾネットタイプ
1階の玄関を入ってすぐ、螺旋階段が地下の部屋へと繋がるメゾネットタイプ。
「出入りには寝室を通らなければならないし、住みたいと思う人は少ないかも(笑)」
【ベッドルーム】柄のほうが落ち着く
1. スタイリングの仕事で集めた花器は見せる収納に。
2. 枕元にはグリーンや香りアイテムを。朝の外出前や就寝前にお香を焚いて気持ちを切り替える。
3. リビング感覚で家にいる時間の大半を過ごし、生活の中心にある寝室。シーツやクッションカバーはすべて柄物。「ホテルっぽく白リネンで統一しようかと考えましたが、柄のほうが落ち着くんです」
【リビング】家具は素材重視でシンプルに
4. 地下にいることを感じさせない明るいリビング。素材重視で選んだシンプルな家具が、色や柄物とのバランスを整える。テーブルはオーダーメイド。
5. スマホから離れる時間を作りたいと始めたピアノはインテリアにも。
6. グリーンカーテンが趣のある雰囲気。「雨が降るとツルを滴る雨粒の姿が幻想的です」
【キッチン】作業台や棚を増設!
アイランド風キッチンの備え付けはステンレスシンクのみ。作業台や棚を増設し、試行錯誤の末に完成した。調理器具やスパイス類はカテゴリーごとに分けて陳列。
料理家・寺井幸也さん
彩り豊かな家庭料理をメインに、2015年よりケータリング事業「幸也飯」をスタート。飲食店プロデュースや企業との商品開発、スタイリングなど、活動の幅を広げている。