マスクかぶれに注意!かぶれ、湿疹の原因は?大事なのはこの対策!

暑い季節でもマスクを外しにくい今、「顔に赤みが出る」「顔に湿疹やブツブツができた」「顔にかゆみがある」などのトラブルに困っているという声があちこちから聞こえてきます。特に、顔は体のなかでも比較的皮膚が薄いため、トラブルが起こりやすい部位です。肌トラブルが起こったら、なるべく早く対処したいですね。

今回は、顔のかぶれや湿疹の原因と対策をお伝えします。

こんな症状なら、かぶれ(接触皮膚炎)です

マスクも、汗も、化粧品も、かぶれ(=接触性皮膚炎)の原因になります。こんな症状があれば、かぶれ(接触性皮膚炎)です。

☑赤みがある
☑かゆみがある
☑痛がゆい
☑熱をもつことも
☑ヒリヒリ、ピリピリする
☑ブツブツができる
☑水ぶくれなどが混ざることも
☑ジクジクした感じから時間が経つとガサガサする

これらの症状は、ひとつだけのことも、いくつも重なることもあります。

かぶれと湿疹の違いは?

湿疹とは、皮膚に炎症を起こす病気の総称です。かぶれは、正式には“接触皮膚炎”と言われ、湿疹の中で、外部からの刺激によることが、はっきりしている場合を指します。

かぶれには、接触性とアレルギー性があります。かぶれを大別すると、原因となる物質が皮膚に接触することで炎症が起こる“接触性”と、特定の物質にアレルギーを持っている人だけに起こる“アレルギー性”の2種類に分けられます。かぶれると、刺激が働いた部分にだけ、境界がわかる炎症などをつくり、痛がゆさ、ほてり感などをともなうこともあります。

かぶれのおもな原因をまとめると次のようになります。 

【かぶれのおもな原因】

物理的刺激:紫外線、温熱、寒冷、乾燥、汗

●化学的刺激:洗剤、薬物、化粧品、マスク

●アレルゲン:金属、花粉、ハウスダスト、植物(漆など)、虫、動物

●体質的要因:乾燥肌、皮脂分泌の異常、発汗異常、アレルギー体質

マスクかぶれは、素材と摩擦に注意

マスクでかぶれる原因は、「素材」と「摩擦」があります。よく使われている不織布マスクは、織る、編む工程がなく、熱や機械的な圧力などで繊維を結合させたマスクです。人によっては、これにかぶれてしまうことがあります。そういう場合は、コットンのガーゼマスクやほかの素材のマスクに変えてみることも大切です。

また、マスクの摩擦には、マスクが顔にあたってこすれた部分がかぶれを起こしてしまうことがあります。皮膚に接触する面が少ない立体的なマスクなどに変えてみるのもいいでしょう。

ゴム紐の摩擦でかぶれてしまう場合は、ゴム紐がないマスクやゴム紐を耳にかけなくするアイテムもあります。

マスクをしていると、いつもの夏以上に汗をかきます。マスクの下の汗かぶれにも注意が必要です。マスクの下の汗とメークが相まって、肌荒れ、かゆみにつながるなど、肌トラブルを招きやすい要因になっています。

ホルモンバランスの乱れる時期はなおさら注意が必要

かぶれ(接触皮膚炎)は、皮膚科を受診する人の約3割を占めるポピュラーな皮膚疾患と言われています。あまり、かぶれたことがなかった人も、夏のマスクでかぶれやすくなっている人はいるでしょう。また、更年期やPMS(月経前症候群)の時期は、女性ホルモンの変動でかぶれやすくなる人もいます。

皮膚の最も外側にある角層は、バリア機能を果たしていて、正常な皮膚では分子量1000以上の物質が角層を通過することはないと考えられています。しかし、現代の生活環境では、角層のトラブルが起こる機会が多くなっています。これがかぶれ(接触性皮膚炎)につながります。ホルモンバランスが乱れる更年期やPMS期はなおさらです。

交感神経の優位が続くと、角層がトラブルを起こしやすくなる!

更年期やPMS期は、ホルモンバランスが大きく変化し、そこに過剰なストレスが加わると自律神経が乱れやすくなり、交感神経と副交感神経のバランスも崩れます。

ストレス過多で、交感神経の優位が続くと、皮脂腺から皮脂が過剰に分泌され、角層表面の皮脂膜も過剰になります。すると、皮膚の角層がトラブルを起こしやすくなります。そのため、かぶれの外的要因となる紫外線や温熱、寒冷の差、乾燥に反応しやすくなります。

さらに、皮膚に接触するマスク、汗、化粧品、洗剤、薬、金属、花粉、ハウスダストなどが、角質の障害を起こした部位から侵入します。これらの原因物質が角化細胞を刺激。サイトカイン、ケモカインという炎症を引き起こすタンパクの産生を誘導し、肌表面に炎症が起こると考えられています。アレルギー体質でない人も、皮膚刺激で起こすかぶれのメカニズムです。

かぶれ対策は、ストレスケアで副交感神経を優位にする!

交感神経が優位な状態が続いて、皮膚の角層表面の皮脂膜が過剰になると、毛穴から出る自分の皮脂で、かぶれるということが起こります。

肌は、自律神経でコントロールされていると言っても過言ではありません。ですから、自律神経が乱れやすい更年期やPMS期は特に、ストレス対策に気を配って、副交感神経が優位になる時間をつくりましょう。

また、自律神経の交感神経と副交感神経のバランスを整えるためにも、ストレス対策が大事です。かぶれは交感神経優位のサインなので、副交感神経を優位にする自分なりのリラックス法を見つけましょう。さらに、代謝や免疫力をあげ、脂肪燃焼を促すためにも、運動は必要です。リラックス効果のある運動なら、ストレス対策にもなり、一石二鳥でしょう。

高脂質、高糖質の食事を控えることも大切

肌細胞がつくられる原料は、食事です。肌のためには、高脂質、高糖質の食事を控え、腹八分目の和食を心がけましょう。

高脂質、高糖質の食事は、かぶれを誘発しやすい皮脂分泌を盛んにします。かぶれという炎症が女性に大敵なのは、皮膚老化を促進する“炎症老化”も引き起こしてしまうからです。

タンパク質は、納豆、青魚などを積極的に摂ります。抗酸化作用のあるビタミンCやB群、サケなどに含まれるアスタキサンチンもおすすめです。

かぶれは、皮脂が分泌される毛穴周辺から起こります。毛穴の詰まり、開きは、たるみ、しわ、しみにもつながります。このような肌老化を最小限にするためにも、ストレス対策、食事、運動にも気を配ることが大切になります。

マスクの下は保湿とUVケアも大事

使用する化粧品は、抗酸化のものを使うと良いといわれています。また、肌のバリア機能を高めるためにも、保湿は重要です。皮脂分泌が過剰になっているときこそ、バリア機能が乱れているサインですので、いつも以上に丁寧な保湿を心がけます。

マスクをしているからといって、マスクの下も紫外線対策、UVケアは手を抜かずに行いましょう。

皮膚科の治療では・・・

皮膚科の保険診療では、かぶれに対して、かゆみ止めや炎症を抑える薬の処方になります。ひどい症状には、ステロイド剤による治療が一般的です。

自由診療になりますが、ビタミンC、B群や植物由来の抗炎症成分をイオン導入する治療もあります。過剰な皮脂分泌を抑えながら、バリア機能を高め、毛穴の炎症を改善するのが目的の治療です。

文/増田美加

増田美加/女性医療ジャーナリスト
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増田美加/女性医療ジャーナリスト
NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。本誌「30歳美容委員会・女性ホルモン整え塾」でもお馴染み。エビデンスに基づいた健康情報、予防医療の視点から女性のヘルスケア、エイジングケアの執筆、講演を行う。乳がんサバイバーでもあり、さまざまながん啓発活動を展開。著書は『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。NPO法人「みんなの漢方R」理事長、NPO法人「乳がん画像診断ネットワーク(BCIN)」副理事、NPO法人「女性医療ネットワーク」理事、CNJ認定「乳がん体験者コーデイネーター」ほかを務める。
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