KinKi Kidsの持つ「単独アーティストによる東京ドーム最多公演数」の記録をさらに伸ばし、東京ドーム公演通算68回目となる『Kinki Kids Concert 2024-2025 DOMOTO』が2025年1月12日(日)、1月13日(月・祝)に行われた。名曲揃いのセットリストに、KinKi Kidsの魅力がギュッと詰め込まれた3時間弱の公演はなんとも上品で華やかで、終わったあとも優美な余韻でいっぱいに。ここでは1月12日の様子をレポート。
「DOMOTO」の神髄は…
拍手で開演を待ち受ける会場が暗転すると、デビュー年である1997年の映像からOvertureがスタート。時計の秒針を思わせるような音に合わせ、これまでの歩みが流れると、「硝子の少年」イントロが流れ、ゆっくりとメインステージのカーテンが開く。Kinki Kidsのおふたりが高さ15メートルから登場すると、同時に会場が歓声に包まれ、音が止まる。上着を脱ぎ捨て、会場をゆっくり見渡すふたりに釘付けに。
28年歌い続けてきた原点でもある「硝子の少年」は、伸びやかな美声に聞き惚れる。「愛されるより愛したい」では、約7年ぶりのサポートとしてふぉ〜ゆ〜が登場。2グループの関係性を知るからこそ、とにかくエモくてカッコよくて心震える。6人の一糸乱れぬダンスにより、スタイリッシュで煌びやかなステージが完成。続く「ボクの背中には羽根がある」「Anniversary」では、美しいユニゾンを響かせた。
約30分ほどのMCと生着替えを済ませ、「歌いましょうか」で再スタートしたのは、Kinki Kidsのニュースタンダードともなるおしゃれなシティポップ「シュレーディンガー」。ふぉ〜ゆ〜としなやかなダンサーをバッグに携え、ネオンサイトやスポットライトが煌びやかに盛り上げる一曲に。一転してグランドピアノの繊細な演奏が始まると、「もう君以外愛せない」を熱唱。ピアノの伴奏のみで、ふたりの息遣いまでが伝わる壮大なバラードは、切なくて優しくて心地良い。
ふたりを乗せたステージが左右に移動すると、コロナ禍に剛さんが作詞した「新しい時代」、そしてとある企画のファン投票で上位に上がる「陽炎〜kagiroi〜」を歌唱し、Kinki Kidsならではの世界観で会場をひとつにする。フロートに乗り込んだふたりは「カナシミブルー」をファンと交流しながら歌唱。光一さんは会場を全体を包み込むように、剛さんはファンの呼びかけに応えるようにアリーナ後方へ移動。示し合わせるわけでもなく、自然とメンバーカラーでもある赤と青のペンライトで会場が半分に分かれると「みんなペンライトの色を変えてくれてるけど、なかには絶対に変えない人もいるね。光一くんが目の前に来ても、遠くの剛くんを見ます!みたいなね」(光一さん)、「いいじゃないですか。そういう愛のカタチもあるんです」(剛さん)と笑いを誘い、「ジェットコースター・ロマンス」「Amazing Love」と続けて披露した。
合計90分越えのMCに会場は爆笑!ダイジェストでお届け
●オープニングの衣装はデビュー当時の衣装をオマージュしたというお話
光一 僕らが着ていた衣装をモチーフにして、17歳から46歳になっても「まだ着れるぞ」っていうアピールです! 10代の頃に比べるとね、石が増えました!
剛 これがねえ、重くてね。
光一 腕の部分がシースルーになってて、おしゃれじゃないですか。当時いろいろ言われてたんですよ、「まだデビューしたてだから生地が足りない」って。普通に袖を付けるよりも大変なんだ!
剛 そんなこと言われてたんですか? 切ないですね〜。急にどうしたんですか? 裁縫に熱が。
光一 ほら、俺の趣味ってファッションじゃん?
剛 全然違います。
光一 今日もグッズでフーディ売ってるんでしょ? なんでパーカって言わないんだ。
剛 時代かなあ。1人がパーカって言って、100人がフーディって言ったら、フーディになるんじゃないの?
光一 剛くんは昔からおしゃれさんだから…。
剛 (食いぎみで)そうですね!!!
光一 急に…? 剛くんがパーカって言ったらみんなパーカになるんじゃない。
剛 僕にそんな影響力はないと思いますけどね。
光一 私は随分前からフーディって言うてる人?(シーン)最近フーディって呼んでる人?(シーン)みんなパーカやないか!!
剛 パーカ族でしたね。
●ドームが大きすぎるお話
光一 (上の人)ほんとに見えてる? 我々こんなよ(指でちょこん)。
剛 それは仕方ないよ。距離はやっぱりあるけど、心の距離はないもんな。
光一 今の言ったあとに…俺もそういうことを言おうと思って…。
剛 じゃあやろうか。
光一 いちばん上の人たち、見えてんの? でもね、見えてる見えてないじゃないです。感じるんです。
剛 違うねえ。何か拓いてる人? 危ない儀式してるやん。でもね、僕もドームクラスのライブでね、上のほうで見たことあります。ちっちゃいんですけど、でもそこを意識してアーティストが立ってくれてると思うだけで、すごくハッピーなんで。ライヴをやるうえで、我々が徹さなければいけないことですよ。
●光一さんが楽屋に入る前で止められた話
光一 (年末年始の)大阪公演でリハーサルした後、楽屋の前で止められたけど、東京ドームでは止められませんでした!
剛 自慢げに語ることじゃないのよ。出演する人が警備員の方に楽屋前で止められたんですよ。
光一 そのときは稽古着の上にダウンを着てたんでね、分からんかったのかもしれんけど。バスローブでリハーサルした後に止められたこともあるんですよ。そんな人、相当変態だと思います。
剛 「バスローブを着ている男がいます。すぐに応援お願いします」「何? バスローブだと?!」って言われてます。
光一 警備員さん、ちゃんとお仕事されてますよね。こうやって楽屋を守ってくださってるんだ。彼に感謝します。
剛 とんでもなくデキる男かもしれないですね。あなたの楽屋をあなたから守ったんですね。
●話の内容が薄いと話題になり、最終的に「明るくなった」と言われる光一さん
剛 俺今日びっくりしてるよ。仕事してる?
サポートメンバー堂島孝平さん なんか…明るくなったよね。
剛 分かる。明るいことはいいことやねんけど、内容が薄いねん。
光一 どうでもいい話を共有したくて…。
剛 お正月に親戚が集まって、これがあってさ〜、あれがこうでさ〜みたいな話聞くときある? 「何の話かよう分からんし、おもんないな」みたいな。
光一 あるある。
剛 あの感じだよ。
光一 最悪や!!! 最悪な時間をみなさんに提供してしまった。5万人に付き合わせるのは良くない!
剛 反省が早い(笑)。
(MC終盤、ふぉ〜ゆ〜が登場して。)
光一 俺楽しそう? 久しぶりに人と喋ったみたい? 実際そうなの!! な〜んで分かったの? すごいね。年明けちょっとゆっくりさせてもらったから、本当久しぶりに喋ったの。だから嬉しくて!
剛 良かったですね。嬉しそうで良かったです。
そして、昨年からスタートした「覚えてない曲やってみよう!」のコーナーへ。長い歴史のなか、膨大な数の曲をリリースしてきたKinKi Kids。このコーナーでは、本人たちが覚えてないであろう曲をお題に、歌詞や譜割りをヒントに場当たり的に歌ってみるというチャレンジコーナー。
この日のお題は、2005年リリース「H album-H・A・N・D-」に収録されている「In My Heart」。歌い出す前から剛さんは「きたー! これは、『そこそこ頑張ったぞ剛』って言ってもらえるはず!」と確信めいた表情。一方の光一さんは「俺、全然でてこない…。どこからサビ?」とうろたえている様子に会場は笑顔に。勢いをつけていざ歌唱すると、剛さんにリードされて光一さんも思い出したかのように、目を合わせる姿に歓声があがる。ほぼ完璧に歌い切ると「点数高かったんじゃない?」「思い出したとき、血圧上がった!」と振り返り、拍手に包まれた。
「もっとステキになるから」ファンとの約束
後半戦は「Kissからはじまるミステリー」から。妖しいピンクのレーザーが入り乱れるなか、CDデビュー前から歌い継がれてきた名曲をミスティックに披露。セピアに染められた映像INTERを挟んで、ふたりは象徴するような衣装に身を包んで登場すると、どよめきのような歓声が。真紅のタイトスーツ×レザーグローブの光一さん、輝くイエローのフリンジで縁取りされたロイヤルなセットアップの剛さん、ふたりとも共通してゴールドの刺繍が美しさを引き立たせる。
バラードでも人気上位の「スワンソング」は、背中を預け合ったり、向かい合わせで拳を向けたりしながら歌う様子にグッとくる。そして驚きを誘ったのは、女性目線で儚い恋を歌った「恋涙」をダンスで披露したこと。数あるダンスチューンが盛り込まれた今回のセットリストのなかでも、特にハードに踊り、「恋涙」の深淵を浮き上がらせた。続く「Topaz Love」は疾走感をまとって、「銀色 暗号」は繊細に力強く披露。壮大なストリングスとともに魅せたのは「The Story of Us」。アースやネイチャーなど美しい景色をバッグに堂々と歌い上げた。
本編最後はふたりの合作曲で、代表曲のひとつ「愛のかたまり」。大切に歌い繋いできたこの楽曲を、今回は歌詞を一部変えて歌唱するというサプライズに涙するファンも。2024年12月31日のYouTube生配信にて、「DOMOTO」に改名することを発表したおふたり。これに関して「皆さんに安心して応援もらえる活動をしていこうと思っています。今までの曲も大事に歌っていきたい」と改めて言葉を紡いだ。改名しても、「本質はなにも変わらない」「もっとステキになるから」と永遠の愛を誓ったようなコンサートは、プレミアムな極上の時間となった。
KinKi Kids(きんききっず)
1997年CDデビュー。2024年12月31日に、グループ名を「DOMOTO」(ドウモト)に改名することを発表。現在、「DOMOTO」公式ファンクラブサイト プレオープン中。また、「KinKi Kids BEST ALBUM」が2025年夏頃にリリース予定。
https://domotofc.jp/
YouTube @KinKiKids_official
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