日本ではなかなか体験できない「食」に関する体験をご紹介。今回は、「豚の丸焼き」の作り方をレポートします。(料理研究家・フードコンサルタント/ブライデン陽子)
コミュニティをつなぐ「豚の丸焼きパーティー」
豚の丸焼きって言葉は、よく使われますが、実際に豚を丸焼きしたことある方っていったいどれくらいいるでしょうか? 私が初めて体験したのは、数年前に近所のご家族が招待してくれたピッグローストパーティー、正に直訳豚の丸焼きパーティーです。
以前から一度やってみたかったというご近所さんのピッグローストパーティーの初回目は大成功に終わり、先日3回目となるパーティーに参加してきました。皆さんにも、一生に一度は是非経験していただきたいと言いたいところですが、そんなチャンスはなかなかないと思うので、今日はその時の様子を紹介したいと思います。
このパーティー、豚肉を食べることはもちろんですが、実はそれ以上に、これをきっかけに友達や近所の人たちが集まって楽しむ時間を提供するというところが大きい気がします。食が人をつなげる、そんなところまで伝われば、幸いです。
前日準備
調理用の注射器で、豚肉の体内にマリネ液を注入します。マリネは、柑橘類のジュースとニンニクたっぷりのキューバ風。豚はなんと30キロ!
パーティー当日
取手付きの網に豚の背中を下にして挟み、専用の箱に入れ、蓋をします。
蓋の上に炭を置き、点火。火がついたら炭を広げ、このままゆっくり約4時間ほど焼きます。
その間に、トウモロコシやナスなど、野菜を調理してもオーケー。待ち時間も、ビールを片手におしゃべりしながら、楽しい時間です。
ついに、肉が焼けました。
取り出してひっくり返し、皮に切り込みを入れます。良い香りにつられてやって来た近所の子供達も、興味津々。
もう一度箱に戻し炭を乗せ、皮がカリカリになるまで、さらに焼きます。
いよいよ完成です。皮がパリパリでとっても美味しそう! 30キロの豚は、テーブルに移動させるのも大がかり。
手慣れた手つきでパーツごとに切り分けて、いきます。横でじっと眺めていると、時々美味しい部位を手に乗せてくれるのは、この歳になっても嬉しい。
さあ、完成。順番に並んで、それぞれが持ち寄った副菜と共に、盛り付けていきます。お肉はとってもジューシーで、皮はバリバリ香ばしく、誰もが大満足。
久しぶりのパーティーは話が尽きず、夏の終わりを惜しむかのように、みんなで焚き火を囲い、真夜中過ぎまで楽しい時間を過ごしました。