誰もが知る、葛飾北斎「冨嶽三十六景」に入ることができる!? 映像、音、風、振動を組み合わせた超没入体験ができる『HOKUSAI : ANOTHER STORY in TOKYO』が2月1日よりスタート。そのスペシャルコラボアーティストとして中島健人さんが参戦! 今後さまざまな取り組みを予定しているそうで、目が離せない! ここでは発表会の様子をほぼ全文でレポ。
中島健人「北斎先輩のようにパワフルに表現したい」
――葛飾北斎にどういった印象がありますか?
日本が世界に誇れる、ジャパニーズアートアイコンですよね。海外の方も北斎の作品を知ってる方はかなり多いですし、僕らの世代も北斎のように芸術や表現を海外に発信したいという気持ちがあるので、“北斎先輩”としてリスペクトしています。
――もし中島さんが江戸時代にタイムスリップするならやってみたいことは?
「江戸アリーナ」っていうものがあったら、そこでライヴがしたいですね。北斎さんも多くの表現をお客さんに届けることによって、自分の芸術性のレベルを上げていったと思うんですね。なので、僕自身もマイクは存在しないんですけど、何かしらお客さんの前で表現する人生を過ごしたいなって思ってます。歌川広重さんとかが腕を組んで客席で見てるんじゃないですかね。「彼、いいね」って感じで。で、本番終わりに江戸前寿司を食べる、それがめちゃくちゃ楽しみです。
――引き笑いでハマってる方いらっしゃいますよ。
徐々に僕の毒が回ってくると思うんで、お楽しみに。
――コラボアーティストとしての起用になりますが、いかがですか?
とても光栄です。 一表現者として、音楽というカタチでコラボできると聞いたときは、前のめりになりました。そして個人的にですが、北斎さんは中島の姓を名乗ってた時期があったそうで。このような機会をいただけたのは、そのご縁あってのことなんじゃないのかなっていうふうに思ってます。
――まるで北斎の浮世絵の中に入り込んだような超没入体験を届けるイマーシブイベント。中島さんはイマーシブ体験をしたことがありますか?
何年か前にニューヨークへ旅行したときに、『Sleep No More』というオフブロードウェイの没入型ミュージカルに遊びに行かせてもらったことがあるんです。登場人物が数十人いるんですが、その1人1人についていって、いろんな物語を体験しつつ、最後には同じ結末に帰結するという舞台。どちらかというとフィジカルのイマーシブ体験だったので、自分も物語の登場人物のような気持ちになりました。でも実は時差ボケで眠くて…。舞台にソファがあって、座って待つシーンがあったんですが、そのまんま寝ちゃって(笑)。キャストに「起きろ!」って起こされた思い出がありますね。
――葛飾北斎と日本の最新技術やアートを組み合わせて、新しいアート体験を生み出すという取り組みですが、こういった展覧会についていかがですか。
日本の歴史に名を残す、ステキな芸術家である北斎さんの作品を、改めて現代技術で再解釈することは素晴らしいことだと思っています。僕自身もこの体験によって、また新しい創造ができることがすごく楽しみです。
――北斎の浮世絵を現代の最新技術で生まれ変わらせる点が特徴となったイベントになっておりますが、もし生まれ変わるなら何になりたいですか?
そうだな〜。そのロールモデルが実在していたかは置いといて、光源氏! あのモテの極地を1回体験してみたいですね。もしかすると私が生まれ変わり? だとしたら、江戸アリーナでライヴをしたいというさっきの発言と辻褄が合いますね(笑)。
――事前にご覧になっていただきましたが、いかがでしたか?
いちばん最初の導入のところにある光の部屋は、北斎の広く知られていない歴史を、ディティールに忠実に知ることができて印象的でした。90歳で亡くなったんですけれども、70年間作品を作り続けたというパワフルな側面を知ることができました。自分自身も、よりパワフルに表現、芸術を作っていきたいなっていう気持ちが高まりました。
――中島さんが今、没入していることは?
シルクです。去年新しいスタートを切ってから、いろんなステージに立って表現をする密度がさらにさらに濃くなりまして。だから睡眠に気遣うようになって、ベッドシーツをシルクに変えたんです。それがもう気持ち良すぎて…。今やパジャマも枕も上掛けもシルクです! まさにシルクイマーシブですね。
――北斎が現代に生きていたら聞いてみたいことは?
最初に原画を書いてそれを彫り師に渡して、版画の上で彫刻されるとき、原画を削られるときの気持ちを教えてほしいです。世界に1枚しかない作品じゃないですか。それを削られてしまうとき、新たなものが生まれることに対しての期待があるのか、それとも作ったものが崩れていく儚さがあるのかっていうのを聞いてみたいですね。僕は進化を望むタイプ、変化を望むタイプなので、削られて「ありがとう」ってきっと思うタイプです。
――北斎は何度も改名を繰り返していますが、中島さんは改名を考えたことはありますか?
最近、僕、N(えぬ)って呼ばれてます(笑)。ライヴの演出家さんに「N〜」って呼ばれて、「はい」って普通に反応してしまったので、きっと自覚はあるんだと思います。(ファンからはエヌティと呼ばれる?と聞かれて)エンティでもいいかもしれないですね。というかティがついてたら僕なのでなんでも大丈夫です(笑)。
――北斎は70歳を超えてから「富嶽三十六景」を発表されてますが、中島さんは70歳頃何をやられてると思いますか?
僕は100歳で人生の幕を閉じるとなんとなく想定してるので、多分バリバリに生きてると思います。なので、ん〜…一旦宇宙でも行っときますかね。この先いろんな技術が向上していくと思うので、宇宙に行ってライヴができたらいいですよね。
――皆さんがこの展覧会に来たときに、SNSにアップする用におすすめの記念撮影のポーズがあれば教えていただけますか。
なるほど………。「神奈川沖浪裏ポーズ」です。僕このポーズをやってるとき手が震えてましたけど、大丈夫でしたかね(笑)。
――最後にメッセージをお願いします!
日本が誇る稀代のアーティストである葛飾北斎に、このタイミングで関わることができて、とても嬉しく思っています。さらに北斎の歴史や芸術を知っていただく入口として、この展覧会に多くの方に来ていただけることで、日本のアートの歴史の奥深さをさらに届けられると思います。北斎は海外に誇るアイコンなので、僕も多くの場所に日本の歴史や芸術を届けていきたいと思っています。よろしくお願いします。
『HOKUSAI : ANOTHER STORY in TOKYO』
会期/2025年2月1日~ 6月1日
会場/東急プラザ 渋谷 3F 特設イベントスペース(東京都渋谷区道玄坂1丁目2-3)
原作品所蔵元/山梨県立博物館
hokusai.anotherstory.world