スタイリスト青木貴子さんによる、素敵な人に一歩近づく生き方指南。こんな時代だからこそ、前を向いて歩いていくためのヒントをお届けします。
音にまつわるエトセトラ
各地でイルミネーションが点灯され始め、お店のウィンドウにもクリスマス向けのディスプレイがちらほら。そしてどこからともなく聞こえてくるクリスマスソング…なんて季節に今年もなってきました。クリスマスソングを聞くと、パブロフの犬のように「一気に楽しい年末!」という気分になります。特定の音楽を聞くことで特定の季節を想起するのはもしかして冬が筆頭かもしれませんね(それだけクリスマスソングが馴染み深いという事実もすごい。もともとクリスマスって日本の行事じゃないのに(笑)。音楽も香りと同じく記憶に残りやすいもの。クリスマスソングみたいに小さい頃から同じ季節に繰り返し聞いていたら記憶というより習慣に近いかもですが。
聴覚は視覚、味覚、嗅覚、触覚と並んで五感と呼ばれる感覚のうちの一つ。生き物は常に五感を使って危険を察知して安全を保ち生命を維持しています。音の反響具合などから音が発信されている対象物を推定したり、音の元との距離から危険度を測ったりと、安全に生きて行く上でとりわけ音は重要なファクター。だから常に無意識のうちに耳を駆使、実は思っている以上に周りにある音を全力で拾っているのです。耳って忙しくって大変!
そして耳から入った音は脳に伝わり全身に影響します。音の種類によって心拍や血圧が変化、それによって興奮したり逆に鎮静したり、また気持ち良くなったり、不快になったりと心にも影響を及ぼすことがわかっています。
この心地よさや不快感は音の持つ波動に関係しているのだそう。音は空気の振動によって生まれる波みたいなもの(音波と言います)でこの波を耳がキャッチ。それを脳が音として捉えます。1秒間に空気が振動する回数を周波数HZ(ヘルツ)という単位で表し、周波数の数値が低いほど低音、高いほど高音になります。
人間は20Hz~20000Hzの音を聴くことができますが、100Hz以下の音、低周波音は心身に異常をきたす恐れがあるのだとか。はっきりとは聞こえてないけどなんか不安を感じさせる音(気配)ってありますよね。たとえば工事中の建物の近くや高速道路の近くなどで感じる、いわゆる騒音は聞いていてなんとなーく嫌な感じがしますが、実際イライラや虚脱感、不安感を引き起こす原因に。最初は良くても積もり積もっての健康被害が危ぶまれます、家を選ぶ際は陽当たりや利便性などの他に音の環境に留意しましょうね。
体に悪い周波数があるということは、体に良い周波数ももちろん存在していて、聞いているだけでリラックスできたり元気になれたり、なんと壊れたDNAが修復される!なんていう周波数もあるのだとか。
最近では心身に良い影響を与えるという「ソルフェジオ周波数」と呼ばれるいくつかの特定周波数の音階がにわかに注目を集めています。効果は自然治癒力が高まったり、直感力が磨かれたり、自己解放に役立ったりと、良いことずくめ。私も試しに音階を聴いてみましたがどれも「あー、なるほど効きそう」って感じ。気のせいかもしれませんが、ま、なんでも気の持ちようなんで効果があると思えば効果はあると思います(笑)。
いい音に囲まれてゆっくりする、その時間を持つだけで心が落ち着きそうです。音ってすごいですね。そしてどこでもいつでも気軽に楽しめるのが音楽の素敵なところ。あ、でも日常的に音楽を聴くときに注意点が一つあります。最近はヘッドホン・イヤホンで音楽を楽しむ人も増えていますがこれには気をつけて。使いすぎによって「ヘッドホン・イヤホン難聴」のひとが急増しているのです。
内耳の内部に有毛細胞という音の振動を電気信号に変換して脳に伝える部分があるのですが、大きな音を聴き続けたり疲れ耳が続くと機能が低下し難聴に! そして難聴になると恐ろしいことに二度と元どおりには治らないのだそう…。これを防ぐにはなるべく小さめの音量にする、長時間の使用は控えるという2点を守ること。ここはしっかり気をつけたいですね。
来週はなんと師走に突入します! 音楽療法というものもあるくらいひとに影響を与える音(音楽)。楽しさを喚起させるクリスマスソングを耳から入れたら、脳にウキウキ感も伝達されていっそう楽しく過ごせそう。また記憶に留めておきたい素敵なことがアリそうなひとは、お気に入りの曲をリピートし続けて2024年My favorite年末テーマソングを作ってしまうのも面白いかも。何年経ってもきっとその曲を聴くと2024年の年末を思い出すはず。素敵な音と共にハッピーな年末をエンジョイして下さいませ。