今夜は第8話のオンエア、激動のクライマックスへと近づいてますます盛り上がっているドラマ「あなたがしてくれなくても」（フジテレビ系・毎週木曜日22:00～）。大人の恋愛と結婚を描いたそのストーリーもさることながら、田中みな実さん演じる新名楓（にいなかえで）のファッションも毎回の見どころに。この記事では、そんな彼女のコーディネートを総ざらい！
新名楓（田中みな実）のファッションをリアルGINGER副編集長が分析＆解説！
ファッション誌『GINGER』の副編集長として出版社に勤務する新名楓は、次期編集長の呼び声も高いデキる編集者。そんな楓が各回で披露しているファッションが、SNSでも注目を浴びている。ほどよくトレンドを取り込み、私たちも参考にできるポイントが満載のリアルコーデ。さっそくチェックしていきましょう！ 私、GINGER編集部のファッション担当副編集長（本物）が分析＆解説させていただきます。
※各コーディネートのクレジットは、「あなたがしてくれなくても」公式SNSに掲載されたデータを参照しています。
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楓スタイルのキーアイテム、ワイドパンツが主役の大人コーデ
楓スタイルのキーアイテムといえば、太めシルエットのワイドパンツ。全編を通して、かなりの頻度でワイドパンツコーデを披露していて、着こなしバリエーションも多い。
小顔で均整のとれたスタイルがそうは見せないけれど、実は身長153cmと小柄な田中みな実さん。ミニ丈のボトムスだと可愛さが強まって編集者という役柄に合わないだろうし、ミディ丈のスカートだと仕事スタイルにはちょっとアクティブさが足りないかもしれない。ということでワイドパンツの脱コンサバ感と大人感は、楓スタイルにぴったりのセレクトといえそう。当然、足元はヒールありのブーツやパンプス合わせがお約束。
〈第6話より〉パンツ／ルシェルブルー ジュエリー／un by Tomoyo Yoshida、マリア ブラック、ビジュードエム
コンパクトな白シャツをややテロッとした風合いのカーキカラーのワイドパンツにしっかりイン、というきちんとコーデの日。お仕事スタイルのときは、いつも大きめバッグの楓さん。衿の開き、袖のたくし上げ具合、足元はサンダルでほどよく調整して抜け感をキープ。
〈第3話より〉ビスチェ、パンツ／マチュアード シャツ／コエル ジュエリー／ヒロタカ ブーツ／メゾンマルジェラ
ロング丈のトップスにクロップド丈ビスチェを重ねた、今どきのレイヤード。白×ストライプ柄のロング丈シャツとセンタープレスのワイドパンツという、きれいめな組み合わせに黒のビスチェを足してちょいハズすワザ。このサジ加減、絶妙ですね。クロップド丈のトップスは上半身をコンパクトに見せる効果もアリ。
〈第3話より〉ロングジレ／オスロ ニット／スタイリング/ パンツ／リリー ブラウン ジュエリー／マリア ブラック ブーツ／3.1 フィリップリム
楓ファッションにあるあるな、ロング＆リーンな縦長を強調した“Iライン”シルエット。白ニット×白ワイドパンツで一歩間違うとボヤけて膨張しそうなコーデを、濃いめベージュのロングジレで締めてます。ややモコ素材のジレがほっこり印象に転ばないように、ヘアはタイトにまとめているところも、巧い！
〈第3話より〉コート／ハディクリー ニット／アキラナカ ジャンプスーツ／ルールロジェット ジュエリー／マリア ブラック、トゥワクリム、ノムグ バッグ／アクネ ストゥディオズ ブーツ／3.1 フィリップリム
上品グリーンのニットに黒のワイドパンツ、バッグとブーツも黒でまとめた日。さすがにコートも黒だと重いので、黒トリミングの効いたオフホワイトをセレクトしてます。一見、リラックスしたニットコーデに見えて、小物選びでしっかりモードに。
〈第1話より〉コート／バブアー メッシュカットソー／ユナイテッドトウキョウ オールインワン／フレイアイディー バッグ／グッチ パンプス／ジャンヴィト ロッシ イヤカフ＆ネックレス／トムウッド、MAYU、トゥワクリム
第1話で着こなしていた袖コンシャスなオールインワンも、ボトムスはワイドシルエット。袖ありで、かつ付属のベルトで簡単にウエストマークできるこのテのタイプは、仕事シーンでも使えるのでおすすめ。インに仕込んだメッシュカットソーの透け感が、コーデを重たく見せないポイントに。
楓のジャケット選びはダブルのロング丈がお約束
ジャケットも楓のワードローブのスタメン。ご覧のように、好みのカタチはほぼ決まっていて、ダブルのテーラード＆ヒップが隠れるロング丈。そしてカラーは定番色。
そもそも基本、楓のコーデは5大定番色（黒、白、グレー、ベージュ、ネイビー）で成り立っていて、派手な色や柄使いはナシという徹底ぶりなのです。
シングルに比べてダブルのジャケットは前身ごろの重なりが多い分、こうしてフロントをオープンにして着こなしたときに、ゆるっとボリュームが出てちょいルーズなイメージに。ジャケットってやはりどこかお堅い印象もあるので、このゆるっと感がちょうどいい崩しになっているんですよね。
〈第6話より〉ジャケット／カデュネ トップス、パンツ／アルアバイル バッグ／ステラ マッカートニー ジュエリー／un by Tomoyo Yoshida、テン. シューズ／マローンスリアーズ
第6話で登場した、白×ベージュ配色の楓スタイル。ちょい濃いめのブラウンに近いベージュのジャケットが、白トップス×白ボトムスに映えて、キリリと品よく際立つコーデ。ピンストライプ柄のハイウエストパンツは脚長効果も抜群。同じブランドのカマーベルトを足して、さらにウエスト位置を上へ。かなり計算高いコーデです（笑）。
編集部で撮影用のコーディネートをチェック中と思われる第6話のこのシーン。仕事モードということで、ジャケットの袖をクシュクシュとたくし上げたリアルなアレンジが。このぐらい手首を露出したほうがこなれて見えるので、ジャケットスタイルではマストなひとワザ。
〈第2話より〉コート／ルルウィルビー ジャケット／アナイ タートルニット／カデュネ パンツ／リリー ブラウン バッグ／ステラ マッカートニー ジュエリー／MAYU、マリハ パンプス／マローンスリアーズ
難易度高めの白ジャケットを、白のタートルニットとハイウスストの黒ワイドパンツで攻略した楓さん。ここでバッグやパンプスに重たい色を持ってこないところも、しっかり計算しているなーと。白を散らすことで、コーデのなかで白ジャケットを浮かせることなく、馴染ませる。さすが！です。
〈第1話より〉ジャケット、タートルニット／カデュネ パンツ／ユナイテッドトウキョウ イヤカフ＆ネックレス／ヒロタカ、MAYU ルームシューズ／ジバンシィ
ジャケットといえば…の王道、ネイビーのテーラード。インにシャツだと、営業ウーマン的合わせになるので、ここもやはりタートルニット合わせでした。ボトムスは、ウエストが折り返しデザインになったチュールのアスレチックパンツで攻めてます。チュールのロングスカートを愛用している人は多いかと思いますが、パンツを選ぶのがほどよくモードな楓スタイルならでは。
ストレートとワイド、デニムで魅せる仕事コーデ
取材や撮影など、実は肉体労働も多い編集の仕事。編集者にとってデニムパンツはヘビロテNo.1のアイテムかもしれません。楓スタイルに登場したデニムは、ライトブルーのストレート、インディゴブルーのワイド、ブルーのストレート。いずれも足元は黒ブーツでした。
〈第3話より〉デニムパンツ／アッパーハイツ ジュエリー／アルティーダ ウード ブーツ／3.1 フィリップリム
おや、めずらしく（？）白シャツ×シングルジャケットーーと思ったら、デニムでしっかりカジュアルダウンしていたこの日。ファッション業界人にもファンが多いTOKYO発のデニムブランド、アッパーハイツのストレート。薄めのブルーで、ジャケットとのコントラストも完璧！
〈第4話より〉デニムベスト、ニット、デニムパンツ／パトゥ ジュエリー／ノウハウ
ブルーのワンカラーコーデは、クルーネックのコットンニットにフロントジップのデニムベスト、そして裾を大きく折り返したワイドデニムパンツという組み合わせ。ベストとパンツはインデイゴブルーの濃色デニム。上半身はコンパクト、ボトムスはルーズで、ワントーンだからこそしっかりとメリハリづけしてスタイルアップしてます。
〈第4話より〉白シャツ、クロップド丈トップス、デニムパンツ／ミュウミュウ ジュエリー／ノウハウ、シンパシーオブソウル、ヨア
フェザー付きのクロップド丈トップスを白シャツに重ね、ブルーデニムで仕上げたカジュアルモードな日。デニムパンツのサイドにはラインが入っていて、脚長効果大のディテール。黒のビッグトートがキャッチーで可愛い♡
楓のお得意テク、脱コンサバはワークパンツで叶える
働く大人として、きれいめ印象の装いではありたいけれど、コンサバすぎると老けて見えるのが30代後半の悩みどころ（ちなみに楓さんは36歳）。ツイードジャケット、ネイビージャケット、白シャツというTHEコンサバ服に、カーキやベージュのワーク系パンツを投入してほどよくカジュアルに転ばすのが楓のセオリー！
〈第5話より〉ツイードジャケット、インナーの白タンクトップ、チノパンツ／ミュウミュウ
ここ数シーズンのトレンドでもあるツイードジャケットに、大きめのフラップポケットがアクセントのチノパンツを合わせるハズシ技。足元はブーツではなく、チラリと肌が露出するパンプスでオンナ度アップ。
〈第5話より〉シャツ、ノースリトップス／トリー バーチ カーゴパンツ／アルアバイル バッグ／ジバンシィ メガネ／オリバーピープルズ ジュエリー／ジプフィー、ブランイリス、マリア ブラック パンプス／ロジェ ヴィヴィエ
ペプラム裾の白シャツに白ツイードのノースリーブトップスを重ねた、高度なレイヤードにご注目。そしてシャツの第1ボタンまでしっかり留めつつも、ボトムスはカーゴパンツというギャップでキメた楓さん。しかも足元はお目立ちモチーフが付いたサテンパンプスという、なかなかのファッション上級者コーデ。メガネも抜け感を演出する小道具として効いてます。
〈第2話より〉ジャケット／カデュネ キャミソール／リリー・プラウン 白トップス／ルールロジェット カーゴバンツ／ダブルスタンダードクロージング ジュエリー／ヒロタカ、マリア ブラック ブーツ／メゾン マルジェラ
落ち感のある素材で、カーゴパンツといえどもハードに見えない一本。裾のリブでクシュッとしたシルエットが生まれ、メゾン マルジェラのTabiブーツとのバランスもいい感じに。ネイビーのダブルジャケットは第1話で着用したカデュネの着回しです。
このコーデに、さらにコートを羽織ったカットがこちら。
〈第2話より〉トレンチコート／アディアム
ネイビー×ベージュのツートーン配色で、コートもやはりダブルでゆるっとさせるのがお決まりみたいですね。
ここぞの日はセットアップ＆セットアップ見えコーデ
楓スタイルのなかで、ときどき登場して「お、カッコいい！」と思わせてくれるのがセットアップ、あるいはセットアップ見えのコーデ。セットアップといっても、THEスーツという真面目なルックスではなく、大人のカッコいい系。なかでもこの3コーデは記憶に残っている人も多いはず。
〈第2話より〉コート、ブラウス、スカート／パトゥ ジュエリー／ヒロタカ パンプス／ジャンヴィト ロッシ
ベージュのトレンチコート×ベージュのカーゴスカートと、ブランド、色み、テイストをそろえた組み合わせ。インは黒ブラウス、足元も黒パンプスと、黒を差してピリリと締めてます。夫の誠（岩田剛典）と誕生日ディナーの約束があった日も（結局、楓の仕事都合でディナーは実現しなかったけど）、楓は華やかなコーデよりも、こんなカッコいい系のコーデを選んでいたのでした。
〈第6話〉シャツ、パンツ／ボッテガ・ヴェネタ ジュエリー／ジュエッテ、un by by Tomoyo Yoshida、テン.、エテ
ボッテガ・ヴェネタのトラバーチンという、淡いカーキカラーの上品なシャツ×パンツの着こなし。シャツインせずに、ベルトでウエストマーク。ショルダーバッグもボッテガで、ハイブランドでまとめたラグジュアリースタイルもお似合い。
〈第3話〉ジャケット、Tシャツ／アナイ メッシュトップス／メゾンスペシャル スカート／フレイアイディー ジュエリー／トゥワクリム、アルテイーダ ウード、ドゥエドンネ、ヤオ パンプス／マローンスリアーズ
一見、白のセットアップかのように見せた、オールホワイトコーデの日。ジャケットはツイードのダブル、ロングスカートはハリ感のあるタイプライター素材で、実は異素材合わせ。こんなふうにワントーンコーデに仕上げる際には、異なる素材感がコーデに奥行きをもたらして洒落感が出るのです。インにメッシュやプリントTをもってくるところも、抜かりナシ。
いかがでしたか？ 楓スタイルは、ドラマの衣装にありがちなデフォルメされたファッションではなく、私たちが明日にでも着たくなるようなおしゃれなリアルコーデです。
楓のコーディネートの方向性をまとめると——トップスはコンパクトにボトムスはルーズに、そこに羽織るアウターはロング丈でゆるっとしたリラックス感、そしてトータルで縦長を強調するロング＆リーンなシルエットをメイキング。定番色でまとめ、エッジの効いた小物と鮮度を足すジュエリー使いが不可欠（彼女のジュエリー使いについては、また次回に解説します！）。今後の放送でも、ストーリーはもちろんのこと、楓のファッションコーデもしっかりチェックして楽しみましょう！ ドラマの最新話、1～3話、ダイジェストは、TVer・FODで無料配信中です。
「あなたがしてくれなくても」
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