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TRENDBEAUTY

2021.04.02

コスメを無駄なく上手に使いこなす!表示成分を読み解く方法

女性医療ジャーナリストの増田美加さんによる連載。人生の基礎になる“健やかな体”を手に入れるための最新知識をお届けします。

コスメ

(c)SunyawitPhoto/Shutterstock.com

コスメ成分には何が使われているの?

毎日使っている化粧品ですが、その中身には何が使われているのかご存じですか?
保湿、美白、ハリ…目的によって、化粧品を使い分けてはいるけれど、意外と化粧品の中身をくわしく見ている人は、少ないのではないでしょうか。

実は、化粧品の成分を読み解く方法を知っておくと、化粧品を無駄なく上手に使いこなすために役立ちます。
「食品の成分表示は見るけれど、化粧品の成分は見たことがない…」という人は、ぜひ参考にしてください。

化粧品を選ぶ女性

(c)Serhii Bobyk/Shutterstock.com

全成分表示のメリット

2001年4月の薬事法(現、薬機法)改正によって、化粧品に含まれる成分を“全成分”表示することが義務付けられました。これが、大きなポイントです。

化粧品のすべての成分について、表示するという制度が2001年に導入される前までは、指定された一部の成分だけの表示でよかったのです。けれども、全成分をパッケージに記載することが義務化されて、私たちは化粧品の中身をすべて、より詳しく知ることができるようになりました。

さらに、2006年からは化粧品だけでなく、医薬部外品についても、全成分が表示される方針となって、私たちコスメユーザーにとって、成分がさらに身近なものになり、自分の肌に合う成分や効果的な成分をチェックすることができるようになったのです。

すべての成分が表示されることで、たとえば、肌トラブルを起こした場合、使った化粧品の成分表を皮膚科医に見せて、原因となる物質を見つけ出すために役立てることもできます。

コスメを使う女性

(c)itakdalee/Shutterstock.com

化粧品の効果を知るポイントは有効成分

化粧品の成分は、以下の5つに分けることができます。

1. 油性成分
2. 保湿成分
3. 目的に応じた成分
4. 目的に応じた有効成分(医薬部外品)
5. そのほか、紫外線防止成分(紫外線吸収剤、紫外線錯乱剤)、防腐剤、pH調整剤など
この5つのうち、3の目的に応じた成分と4の目的に応じた有効成分(医薬部外品)は、その製品の効果のポイントとなるものです。

有効成分とは、美白、肌荒れ、にきびなどの分野で、厚生労働省に認可された「医薬部外品」の成分のこと。「医薬部外品」の有効成分は、効果・効能を表示することができるのです。

つまり、スキンケア製品を選ぶときに、医薬部外品の場合は、その有効成分を見ると、その化粧品の効果・効能がわかるということなのです。

コスメ表示

(c)Elena Abrazhevich/Shutterstock.com

表示の順番って意味があるの?

また、成分名の表記は、たくさん並んで書かれていますが、その順番にも意味があるって、知っていますか?

化粧品の成分表記は、配合されている分量が多い順に記載されています。表示のトップに来ている成分が最も分量が多く入っているのです。ただし、1%以下の成分に関しては、順不同でよいことになっています。どこからが1%未満なのかは表示されていません。

医薬部外品の場合は、「有効成分」と「その他の成分」の2グループに分けて表示されていて、どれが有効成分かがわかるように、印をつけるなどして明示してあります。注目して見てください。

コスメ開発

(c)New Africa/Shutterstock.com

全成分表示によって化粧品が変わった!

法改正前は、1品ごとに成分について厚生労働省の事前承認・許可を得る必要がありましたが、全成分表示の義務化によって、事前承認制が廃止されました。
それに伴い、各化粧品メーカーが自己責任で配合できる成分の幅が広がったことにもなり、化粧品は大きく変化したといわれています。

化粧品メーカーは、安全性の配慮を一層、高めています。配合の際、大事にしていることは、製品の安全性と実証された効果です。

たとえば、昔、皮膚科で処方されていた美白効果のあるハイドロキノンと、現在、市販で売られている美白剤は格差がなくなっているといわれています。今、化粧品は大きく進化し、限りなく病院処方のものに近くなっているのです。

コスメ成分

(c)ARTFULLY PHOTOGRAPHER/Shutterstock.com

これから出てくる注目の成分は?

今後、化粧品の成分は、バイオ技術による発酵成分や人の体内にある因子を利用した肌再生などが、ますます注目されるといわれています。また、香りの効果を利用したメンタルケアなど、情動や感覚に働きかける化粧品へのニーズも高まるとの指摘もあります。

化粧品業界と皮膚科医が協力して、科学的根拠に基づいて「改善する」と言えるような化粧品成分が出て来る可能性もあります。成分が開発されていくことによって、今まで思いもよらなかった、優れた肌ケアができるようになる日も遠いことではないと思います。

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TEXT=増田美加(女性医療ジャーナリスト)

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