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TIMELESSPERSON

2026.06.25

草川拓弥が語る“芝居のぶつかり合い”。映画『死ねばいいのに』が提示すること

強烈なタイトルと、どこか他人事とは思えないテーマ。7月3日(金)より公開される映画『死ねばいいのに』で描かれるのは、わかり合えないことや、言葉にできない感情を抱えながらも生きていく人々の姿。役者同士が真正面からぶつかり合う会話劇のなかで、草川拓弥さんはどのように役と向き合い、何を感じたのか。撮影現場でのリアルな葛藤や、共演者との関係性、そして“幸せ”のあり方まで――等身大でありながらも芯の通った姿勢を見せてくれました。

“綺麗事じゃない”人間らしさを炙り出す

――まずはオファーを受けたときや、脚本を読んだ際の感想を教えてください。

金井(純一)監督とはドラマ「みなと商事コインランドリー」でご一緒して以来だったので、久しぶりだったんですけど、プライベートでも交流があったので、また一緒にお仕事ができるのが純粋に嬉しかったです。脚本については、まずタイトルがすごく衝撃的で印象に残りますよね。でもよく考えると、「人間だったら一度は思ったことがあるかもしれない」感情でもあると思うんです。そういう意味でも、すごく共感しやすいというか、観てくださる方にも納得していただけるような作品になっているんじゃないかなと思いました。

――今作は会話劇のような印象もありますが、実際に演じてみていかがでしたか。

かなり“芝居にフォーカスした作品”で、役者同士のぶつかり合いがしっかり見える現場だったので、そこはかなり燃えました。あんなに濃い時間を過ごせて楽しかったです。一方で、同じシーンを二度撮るという難しさもあって。一度出し切った感情とまた向き合う必要があるので、その調整は大変でした。でも自由に挑戦できる環境だったからこそ得られた経験でもあって、終わった後は大きな達成感がありました。

――草川さんが演じる佐久間雄也は、かなりチャレンジングな役どころですが、役にはどうアプローチされましたか?

自分が演じた佐久間は、いわゆる“中間管理職”的な立場で、板挟みのなかでもがいているのがすごくリアルに感じました。とにかく切羽詰まっていて、余裕がまったくない人物。その余白のなさや、常に追い詰められている状態をどう表現するかは難しかったです。本読みと現場ではまったく感情の乗り方が変わるからこそ、動きのなかで見えてくることを大事にしていました。佐久間を通して“役に歩み寄らないと生まれない感情”をすごく強く感じました。

――奈緒さん演じる映子と対峙するシーンが多かったと思いますが、実際に向き合ってどんなことを感じましたか?

本格的にご一緒するのは初めてでしたが、とにかく表情が印象的でした。人を煽るような表情だったり、かと思えば急にスッと距離を取るような表情になったり、変化が本当にスゴくて。特にこちらを煽る表情には本当に翻弄されながら対抗していました。結果として、僕は完敗でしたね(笑)。本当に素晴らしかったです。

――監督とのやり取りで印象的だったことはありますか?

本読みの後に、「もっと自由に解放的にやってほしい」「今まで見たことのない姿が見たい」とメッセージをいただいて、背中を押された感覚がありました。より応えたいという気持ちが強くなりました。

――登場人物の心情があえて描かれすぎていない分、それぞれに共感できる余白がある作品だと感じました。作品のテーマについてはどう捉えていましたか。

単純に“良い・悪い”では分けられない話だと思っています。どの登場人物の前にも映子が常に“バーサス”としている。映子の言っていることもやっていることも間違ってないというか、正論を思いっきり突きつけてくるので、読んでいてすごく刺さる部分がありました。今の時代、ああいうことをストレートに言わない・言えない空気もあると思うんです。シンプルなはずなのに“思っていることを伝え合う”ことが難しくなっているというか。だからこそ、この作品を通して“コミュニケーションの大切さ”を改めて感じました。

――“幸せ”についても考えさせられる作品です。今、草川さんが感じる“幸せ”とは何ですか?

すごくシンプルなんですけど、あったかいご飯を食べられること(笑)。あとは好きなお芝居に関われていること、こうして作品づくりに携われている環境にいること。それが幸せだなと思っていますし、そう思える自分であり続けたいなと思います。

ジャケット 参考商品/JACKET(BLANDET Tokyo) パンツ¥44,000/saby(evolve)

――役との向き合い方について、ストイックと評される草川さんですが、ご自身ではどう捉えていますか?

周りの方が“真面目”と言ってくださることが多いんですけど、自分でもそういう部分はあると思います。ただ、それは準備をしていないと、自分が不安になるから。カメラの前に立ったときに、迷子にならないように、安心して現場に立つために向き合っている感覚ですね。用意していったものが結果として使われなくても、その時間は無駄になることはないと思っていて。準備してきた自分をちゃんと認めるというか、それも含めて現場に立とうと思っています。

――プライベートにもその真面目さは表れますか?

プライベートは結構適当です(笑)。掃除が好きで、本を読むのが好きで、映画を観るのが好きで…という、普通の人間です。僕が真面目だと思うのは、(超特急の)メンバーのタカシ。仕事への向き合い方もそうだし、人への対応とか、見られ方に対する意識とか、「疲れないのかな?」と心配になるくらい真面目なので、僕なんか比にならないです(笑)。

――作中では、映子と亜佐美(役/伊東 蒼さん)がお互いを理解しようとする関係性が印象的でしたが、ご自身が“理解されている”と感じる瞬間はありますか?

あります。メンバーや日頃お世話になっているスタッフの方ももちろんそうですけど、“おひたし”の存在も大きいです。僕のファンネームなんですけど、そのコミュニティの方たちはすごく理解してくれているなと感じます。日常的にコミュニティでやり取りをするんですけど、たとえば「おはよう」と送るとすぐ反応してくれるので、それが安心につながっています。心の距離が近いと感じられるのが嬉しいですね。

【7月3日(金)公開】映画『死ねばいいのに』

©京極夏彦/2026映画「死ねばいいのに」製作委員会

出演/奈緒 伊東蒼 ほか 
原作/京極夏彦 「死ねばいいのに」(講談社文庫)
監督・編集/金井純一
配給/S・D・P
※テアトル新宿ほか全国公開
shinebaiinoni-movie.com
X @shineba_movie

草川拓弥(くさかわたくや)
1994年11月24日生まれ。東京都出身。メインダンサー&バックボーカルグループ「超特急」のメンバーとしても活躍中。2008年にドラマ「貧乏男子 ボ ンビーメン」(NTV)で俳優デビュー。22年、「みなと商事コインランドリー」でドラマ初主演。近年の主な出演作に、映画『栄光のバックホーム』(25/秋山純監督)、ドラマ「海老だって鯛が釣りたい」(25/NTV)、「地獄は善意で出来ている」(25/KTV・CX)、「こころ」(25/日本映画専門チャンネル)、「俺たちバッドバーバーズ」(26/TX)、「ぜんぶ、あなたのためだから」(26/EX)、「東京 P.D. 警視庁広報2係」(26/CX)、「LOVED  ONE」(25/CX)など。7月9日よりスタートするドラマ『ラストノート』(フジテレビ)に出演する。
Instagram @takunicochanman

SHOP LIST

BLANDET Tokyo miyamoto@miyamotospice.com
evolve 03-6823-5074

PHOTO=KOBA

STYLING=川地大介

HAIR & MAKE-UP=長野一浩

TEXT=GINGER編集部

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