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TIMELESSPERSON

2025.02.27

松井玲奈が地球環境について考える。映画『EARTHBOUND』から受け取ったメッセージ

先進国による廃プラスチック問題に立ち向かうケニアの女性を追ったドキュメンタリー映画『EARTHBOUND』が3月中旬より東京・大阪で上映される。先日行われた上映会後のイベントで、俳優、小説家として活躍する松井玲奈さんと、一般社団法人ハミングバードの代表理事であり、映画『EARTHBOUND』の総合プロデューサーの永野舞麻さん&荻原桃子さんがクロストーク。その模様をお届け!

主人公の前向きな姿勢に勇気をもらえるドキュメンタリー作品

ワンピース¥53,900/ラム・シェ(ブランドニュース)、イヤリング¥124,300/ヴァンドーム青山

気候変動、大気汚染、海洋汚染、森林破壊、資源の枯渇など、多岐にわたり環境問題が深刻化している昨今。「自分も小さなことから行動してみよう」と希望と勇気を与えてくれるドキュメンタリー映画『EARTHBOUND』の日本上映が決定。世界で活躍する俳優で今作の総指揮である、オーランド・ブルーム、Hummingbirds Global(現:一般社団法人ハミングバード)と制作会社Ritual Artsの協力で制作されたドキュメンタリー映画だ。

海外でさまざまな賞を受賞した今作は、アフリカ・ケニアに住む主人公ンザンビが故郷を救うための挑戦を描いた物語。毎日数百トンの廃プラスチックが排出されるケニアで、リサイクル事業を通じて未来を創っていくひとりの女性の姿に心打たれるはず。

〈左から〉荻原桃子さん、永野舞麻さん、ゲストの松井玲奈さん

先日都内某所で映画の上映試写会と上映記念パーティーが行われ、ゲストとして松井玲奈さんが登場。俳優として数多くの作品に出演するだけでなく、近年では社会問題に寄与するプロジェクトにも参加する松井さんだからこその、きめ細やかで深みのある言葉の数々が注目を集めた。

イベントの冒頭では、制作背景について総合プロデューサーの永野舞麻さんと荻原桃子さんが語った。

荻原 私たちは、(エシカルなアクションについて)もっと多くの人に行動に移してもらうためにどうしたらいいかと考えたときに、「楽しくできることの選択肢」をシェアしていくことがすごく大事なんじゃないかと思って活動させていただいています。J-waveの枠をいただいて、サステナブルな活動をされている企業さんを紹介させていただいていたんですが、徐々にストーリーを伝えていくことにエキサイティングしまして(笑)。アメリカでドキュメンタリー映画を作ることになりました。

永野 きっと皆さんもSNSに影響されることがあると思うんです。Instagramで見た場所に行ってみたいと思ったり、ミニマリストの生活を見て自分もこういうお家にしてみたいって、インスパイアされながら生活していますよね。その延長線上にドラマや映画があると思っていて。私たちも、観終わった後に「私も立ち上がって何かをやりたい」って思える、感覚に訴えかけるような映画を作りたいと思ったんです。そのタイミングで、大好きな映画監督にお会いする機会があって、私たちの思いを伝えたら「一緒にやろう」と言ってくださって、スタートしました。

松井さんはこの映画を「価値観、感性に新しい刺激を与えてくれた作品です」と語る。

松井 いろんな場面で環境問題に触れる機会はあったんですけれども、すごく難しいことでとても大きなものとして捉えていたんです。映画の中で、主人公のンザンビさんが海に行ったときに足にプラスチックがまとわりついたことがきっかけで、今地球がプラスチックに汚染されているということに気がついたとお話しされていることにハッとして。大きなことではなくて、日常のほんの些細なことから地球環境の変化に気づくことができるんだと気づかされました。

永野 そうですね。環境問題って大きな問題なんですが、「私ひとりでも諦めないでやっていく」という彼女の姿に勇気や元気をもらっていただけたらいいなと思っていたので嬉しいです。

荻原 小さなきっかけからこうして広がっていく彼女の姿勢をピックアップしていただいてありがとうございます。観てくださった方にも同じように感じていただけると嬉しいなと思います。

松井 ンザンビさんが「毎日運ばれてくるゴミに対して、自分たちがやっている取り組みはほんの一部。海の水をバケツで汲んでいるような途方もない作業」とおっしゃっていて考えさせられました。地球環境に取り組むことは小さなことかもしれないけれど、世界に目を向けるのではなくて、自分の街や自分ひとりができることにフォーカスすることで、その“ひとり”の数が増えていけば、それが世界に広がっていけば、世界全体の問題にもなって、みんなで解決することができるんだなという気づきを作品から得ることができました。きっと、ひとりが小さなことを変えるだけで、未来の子供たちだったりこれから生まれてくる人たちの豊かな生活に繋がるんですよね。

永野 私がすごく思うのが、ニューヨークってすごくステキな街なんですけど、ゴミ箱がぐちゃぐちゃで溢れかえっているのにみんな平気で住んでいるんですね。だけど、日本って道にあんまりゴミ箱を置いていないのに、世界基準で言うと、街がすっごくキレイじゃないですか。皆さん持って帰ったりして、日本人の意識が街をそうさせているんですよね。世界でいちばん人口が高い東京がこれだけキレイってことは、世界も頑張ったらできるよって思うんです。日本から希望を感じる部分はあります。

松井 物をポイって簡単に捨てないということは、親やおじいちゃんおばあちゃんから当然のように教えられてきているからですよね。こういうことがずっと続いて、それがさらに世界に広がっていくといいなと思いますね。

観た人々に影響を与える映画の存在。単なるエンターテインメントではなく、私たちの意識を変え、アクションに繋がることも。松井さんが考える「映画のチカラ」とは。

松井 映画はタイムカプセルのようなものだと思っています。もちろん公開直後に観る方もいらっしゃるし、例えば80年代の映画を若い人が観て感銘を受けたりするじゃないですか。私たちもこれから公開される作品を流行りをすぎてから出合うこともあるかもしれない。作品と出合うタイミングって人それぞれで、出合った時に得られるエネルギーがあると思うんです。今回のドキュメンタリー作品も、どれだけ時間が経ったとしても、その時その瞬間にこういうことが起きていたとリアルに切り取ったものですごく意味があると思います。文字で読むだけじゃなくて、映像で観るリアルさや伝わってくるものが必ずあると思っています。

そんな松井さんが環境問題について考えるきっかけになったことが。

松井 撮影現場で当たり前になってしまっている、環境に良くないことがあって。食事のシーンは、撮影時間が長くなるので、スタッフさんがカットがかかるたびに食べ物や飲み物にラップをかけてくださるんですね。ラップは一度使ったら捨ててしまうし、食べ物は口をつけたら廃棄してしまうことも。心遣いでやってくださっているのですが、どんどん物が捨てられていくことに心が苦しくなるんです。「どうしたらいいだろう」と話している時に、とある女優さんが、シリコン製の繰り返し使えるフタやミツロウで作ったラップもあるから、積極的に使っていこうと発信してくださったんです。以降、現場全体がそうなって、「どうしても変わらないんじゃないか」と思っていたことが、たった一言、ちょっとしたアクションで変わることに心を動かされました。

永野 ハートがあたたかくなるお話ですね。発信される側の方が、見えないところで努力されていたり発言されているという姿勢を知ると、憧れますし尊敬します。若い女性のロールモデルになっている松井さんがアクションを起こしていると、「私もボーッとしていないで何かやろう!」と行動に移していくきっかけになるのかなと思いました。

松井さんは地元地域の活性化を、映画祭を通して目指す活動も行なっているそう。松井さんの社会貢献活動にも注目が集まる。

松井 私は愛知県の豊橋市出身なのですが、地元で映画祭が行われている際には、自分の出演した作品を持って参加できるようにスケジュールを調整していただいています。それによってよりたくさんの方が私の地元に、愛する街に足を運んでくれたらいいなと思っています。あとは、ステキな図書館があるのですが、そこでスペシャルライブラリアンという、自分のオススメの本を紹介させていただくという活動もさせていただいています。小さいことではありますが、街を活性化させて、もっともっと盛り上げていけるような力になれたらいいなと思っています。

荻原 映画に触れること、本に触れること、アートに触れることって、心の癒しやインスピレーションの源ですよね。私自身も携帯ばかり見てしまうんですが、そういうところに引き戻してくださるきっかけを作る素晴らしい活動をされていると思います。

世界から見たら自分ひとりの行動は小さいかもしれない。それでも、その“ひとり”が増えていけば大きなムーブメントになる――。最後に、お三方からの本作への想いが溢れた。

松井 今回このようなきっかけをいただいて、この作品に出合えたことが本当に素晴らしいご縁だなと思っています。皆さんひとりひとりがこの映画のステキな部分を発信していくことで、もっと多くの場所での上映が増えていくんじゃないかなと思っています。作品を見て感じたことがエシカルなアクションに繋がるはずです。ひとりひとりの行動から世界に広がっていったら嬉しいなと思います。

荻原 私のすごく気に入っているところなんですが、ダンスのシーンがエナジティックですごく楽しくて映画のカラーを見せていますよね。もし皆さんも人生で辛いことがあったときに、ダンスをして乗り越えながら、エシカルアクションもぜひやっていただけたらなと思います。

永野 やる気がなくなって鬱っぽくなっちゃう子どもが増えていますよね。どうしていいかわからない現実の恐怖だけがあって。そういう時にいちばん何がいいかっていうと、行動することだって言われているんです。この映画を観てもらって「私だったらこういう風にする。あなたはどうするの?」って、ディスカッションを日本でもしてもらえたらいいなというふうに思っています。

『EARTHBOUND』

制作/Hummingbirds Global(現:一般社団法人ハミングバード)、Ritual Arts
監督/ファールード・メイボディ
エグゼクティブプロデューサー/オーランド・ブルーム、ほか
東京会場(下北沢トリウッド):2025年3月14日(金)〜20日(木・祝)
大阪会場(第七藝術劇場):2025年3月15日(土)〜21日(金)
hummingbirds.or.jp/earthbound

松井玲奈(まついれな)
1991年7月27日生まれ、愛知県出身。2008年にデビューし、NHK連続テレビ小説「まんぷく」(18〜19)、大河ドラマ「どうする家康」(23)、映画『今日も嫌がらせ弁当』(19)、『よだかの片思い』(20)などに出演。現在、NHK連続テレビ小説「おむすび」に出演中。また、2018年に小説家デビューし、翌年初の短編小説集「カモフラージュ」(集英社)を刊行。3月26日には4年ぶりの新刊小説「カット・イン/カット・アウト」を刊行。
Instagram @renamatui27

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TEXT=GINGER編集部

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