色はただの色ではなく、心の奥に触れる“感情の温度”なのだと気づかせてくれる「FLOWER SHOP MUNSELL」。ここで作られるフラワーアレンジメントは、花を飾るという行為を超えて、言葉にならない気持ちをそっと形にしてくれる、小さな芸術作品のような存在で今、注目の的に。そのこだわりについて紐解きます。
花ではなく‟表現”から始まったフローリストの道

FLOWER SHOP MUNSELLの梅澤秀氏が花の世界に入ったのは、一般的な花屋のルートではなかった。美術系の大学卒業後に飛び込んだのは、華道の家元のもとで働くという、極めて表現寄りの世界。そこで培ったのは、花を‟飾る”のではなく、花で世界観を立ち上げ、空間の空気を変えて、人の心の奥に触れる力。その後、アーティストの元での活動や街の花屋での経験を重ね、「花を使って表現する」という軸が、揺るぎないものになっていったそう。
ただそれと同時に、表現だけでは生活が成り立たない現実の壁にもぶつかる。仕入れのロッド数という制約、使いきれない花、表現と生活のバランス──。 その葛藤は苦しくもあったが、ひとつの問いへと結晶する。 ‟どうすれば、花の価値を最大限に引き出し、誰かの心に届く形にできるのか”。 ‟使い切れない花をどのように価値に変えるか”。その問いこそが、今の MUNSELL のスタイルを生み出す原動力になった。
色を‟3次元”で捉える。MUNSELLのアレンジメント哲学

通常アレンジメントをオーダーするとき、色や花材の種類を指定することが多いものの、MUNSELLの注文フォームには、一般的な「色を選ぶ」項目がない。つまり色を聞かない花屋。代わりに並ぶのは、「エネルギッシュ」「神秘的」「爽やか」などの感情や空気を示すさまざまな形容詞。
梅澤氏は「赤は赤ではなくて、‟どういう赤か”を3次元的に捉えているんです」という。色をX軸・Y軸・Z軸のように立体で捉える彼にとって、‟赤”という言葉だけでは情報が足りないそう。だからこそ、雰囲気や感情を言葉で共有してもらう仕組みを構築。その曖昧で、しかし確かな感覚こそが、花を通して心の奥にある温度や揺らぎをすくい上げる鍵になるのだとか。。
色を立体で捉えるという哲学は、MUNSELLのアレンジメントに独特の深みを与えている。それは単なる花束ではなく、感情の層を重ねた‟ひとつの物語”として存在しているともいえる。
MUNSELLが大切にしているのは、注文に応えるのではなく、顧客と同じ方向を向いて一緒に作品をつくること。「向き合うのではなく、同じ方向を向いて最高のものを作りたい」そのため、イメージが曖昧な人ほど、電話でのヒアリングをすすめる。15分以上かけて、言語化されていない感情を丁寧に掘り起こすこともあるそう。
花の‟濃度”を上げるために。これからのMUNSELL
MUNSELLの作品には、強い存在感を放つ花が多い。それは偶然ではなく、意図的な選択だ。SNSでは、作風を統一してブランドを作る花屋も多い。しかしMUNSELLはあえて多様な色・雰囲気の作品を投稿している。
「僕らは‟こうだ”と言い切るのではなく、常に提案をしたい」
画面越しに伝わるのは、花を通して新しい感覚に出会ってほしいという、静かで強い願いだ。色の楽しさを広げて、花を通じて新しい感覚に出会ってほしい。そんな思いが、あの多彩なフィードをつくっている。
また「1本でも主張が強い花を組み合わせている」という言葉のとおり、華道で培った構成力と美術的な視点が溶け合い、色が柔らかくても形に芯がある、凛としたアレンジメントが生まれれている。花そのものが語りかけてくるような、静かな強さ。その強さが、作品全体に‟圧倒的な揺るぎない物語性”を与えている。
SNSの普及とコロナ禍を経て、花業界は大きく変化。個人の花屋が増え、若い世代の参入も増えたことで、花はより身近な存在になりつつあるそう。たくさんの花を飾らなくても1本、部屋にあるだけで生活の景色が変わる。そんな「興味のなかった人も、花を買ってみようかなと思える世界にしたい」。
MUNSELLが目指すのは、花のある日常の‟濃度”を上げること。作品としての花を届けるだけでなく、花に触れたことのない人にも、‟花のある人生の豊かさ”を広げていきたいと語る。
こんな‟MUNSELL”のアレンジメントをさりげなく大切な人に贈れば、あなたのセンスの評価も上がること間違いなし!
MUNSELL
03ー6712ー2345
www.munsell.tokyo












