GP帯では日本初の本格サバイバルゾンビドラマとして、高い注目を集めた「君と世界が終わる日に」。長いシリーズ作品に座長として向き合った期間は、竹内涼真さんにとっても変化の多い約4年の期間だったそう。竹内さんなりの仕事、他者、そして自分を愛する方法を教えてくれた。
何事にもまっすぐ、心のままに
2021年の地上波放送から始まり、Hulu配信を合わせて、4シーズンを数えるヒット作となったドラマ「君と世界が終わる日に」が、劇場版をもって集大成を迎える。「心身ともに、最大限にこの作品に時間を費やしたことを肌で実感している」と語るのは、主人公の間宮響を演じた竹内涼真さん。
「みんなで試行錯誤しながら真面目に取り組んでいったことが、映画化というご褒美につながったんだなって思っています。約4年もひとつの作品に関わることは、日本ではあまりないので、濃密でいい時間でした。ゴーレムというゾンビをテーマにしたサバイバルアクションなので、どうしても好みは分かれます。それでも僕らがやりたいことを貫き通してきたことで、根強いファンがついてくれたのが、ここまで続いた理由なのかも。そして4年もあれば、僕自身の考え方やお芝居のプロセスが変わるのは当たり前ですが、撮影の日数を重ねて一段ずつ階段を上り、レベルアップしていった感じです」
どんな不幸が降りかかろうが、決して戦うことをあきらめない響の姿は、多くの人たちに感動を与えたが、今作の根本にあるのは「結局は愛情」と竹内さん。芝居愛、作品愛、ものづくりへの愛をベースにしながら、劇場版ではさらに、仲間愛や家族愛まで描かれている。竹内さん自身は愛情とどう向き合っているのだろう。
「中途半端な距離感が苦手で、男女問わず誰かと関わるときはしっかり向き合うタイプ。そしてドラマや映画でも、現場のチームの仲間に愛情を注ぎ、信頼し合わないと成功はしないと思っています。例えば、武器を持たない肉弾戦のアクションの場合、型どおりだとつまらない映像になってしまうと思うんです。尻込みせずに阿吽の呼吸で戦うためには、お互いの信頼がないと怪我しますから。そこを含めて現場で必要なのは、どんな相手でも受け入れられる柔軟さ。タイプが違うからと距離をあけず、大きな懐を持って受け入れていくことを心掛けています」
これが僕なんだ、と堂々と生きないともったいない
最近は、自己肯定感や自己愛についても変化があったよう。
「責任を負うような仕事が増えてきたころ、うまくいかないことに悩む時期があって。初めてちゃんと、自分の感情に向き合って考えてみたら、すべては自分の行動が関係していると気付いたんです。そこで自分に足りないことや、弱いと思う部分について時間をかけて幼少期から振り返りました。同時に、小さなプライドみたいなものや、余計なものを手放したら、仕事や人間関係がうまく回り始めたんです。それもより自分の人生が送りやすく、より幸せになるための改善。今では、これが僕なんだ、と堂々としていられるようになりました。そうやって生きないと、もったいないですよね」
長年、ハンドドリップしたコーヒーにこだわっているという竹内さん。一度ハマると長く続く性格だというが、最近久しぶりに新たに愛を注いでいるのがカメラだそう。
「あるとき急に祖母の顔を撮りたくなって、一眼レフのカメラを2台買いました。写真を撮りたい日は持ち歩き、知り合いの顔を撮るようになったんですが、撮った写真を送って『いいね』と喜んでくれるとうれしくて。今は毎日、カメラや写真のことばかり調べています」
映画『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』
日本の地上波初の本格ゾンビアクションドラマとして話題を集め、season 2~4をHuluで配信。約4年にわたる本作が劇場版でついに集大成を迎える。
監督/菅原伸太郎
脚本/丑尾健太郎
出演/竹内涼真、高橋文哉、堀田真由、板垣李光人、須賀健太、黒羽麻璃央、吉田鋼太郎ほか
※2024年1月26日(金)全国公開
kimiseka-final.jp
竹内涼真(たけうちりょうま)
1993年4月26日生まれ、東京都出身。2013年デビュー。「テセウスの船」(TBS系)、「六本木クラス」(テレビ朝日系)、映画『センセイ君主』『アキラとあきら』(横浜流星とW主演)など主演作多数。
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