仕事はもちろんプライベートで日頃感じたこと、体験したことをGINGERだけに本音で綴る貴重な連載。美容の伝道師として私たちにキレイの種を紹介してくれるみな実さんが感じた、美との向き合い方における変化とは?【連載「田中みな実のここだけ話」】
今月のテーマ:美容が無くてはならないものになってきた
あくびをしたら右の口角がぱっくり裂けた。
おにぎりを頬張ったら傷口が広がった。
あーあ、タラコにしとけばよかった。
梅干しが染みて痛い。
私はいつからこんなやわになったんだろう。
いつから踵の水分が奪われ始めたんだろう。
いつから髪の毛が扱いづらくなったんだろう。
いつからボディクリームを香りで選ばなくなったんだろう。
学生の頃は裸足で体育館を駆け回っても、素足で家じゅうウロウロしていても踵はふわふわだった。手入れせずとも、いつ誰に見せても恥ずかしくないつるんとした足の裏だった。ところがこのところ、フットバームに加えてネイルオイルまで塗り込まないと足先が乾燥して白っぽくなるから、時間が無くてもケアを怠れない。
特に年齢による変化が顕著なのは頭髪で、白髪こそまだ出現していないけど、年々扱いが難しくなってきている。カラー、ストレート、ヘアセットを繰り返してきたことでダメージが著しく、この間なんて、枝毛を見つけて切り落とすと、八つ裂きになっていてギョッとした。
ボディクリームを選ぶ基準も変わった。そもそもあの頃は保湿なんて必要としていなかったのに、校則が厳しくて香水の類が禁止されていたことから、皆こぞって甘ったるいボディクリームを塾の前に腕や脚に塗り込み、フレグランス代わりに香らせていた。私も流行りに乗っかってみたものの、内心、ヌメッとした使用感を気持ち悪いと思った。
なのに、今ではお風呂上がりにオイルやらクリームやらを全身にここぞとばかりに塗り込み、ヌメヌメにしても、翌朝には体が油分を欲している。あの頃とは比にならないくらい意識的に水を飲んで保湿もしているのに、みるみる乾燥していくの、なあぜなあぜ?(←子役ちゃんに教えてもらった最新の流行)。
多少なりとも“モテ”を意識したプラスα的要素だった美容が、年々無くてはならないものになってきているのを感じる。女子大生の踵のカサカサはご愛嬌だけど、この歳になって、きちっとした身なりをして、いい女を気取っているのに、サンダルから覗く足元がひび割れていたら、何より自分の心が荒まない?
この先は、誰にどう見られるかより、私が私に満足できるかということに重きをおいて美容と手を繋いでいこう。時にこうして自身の経年劣化に戸惑いながら、少しでも納得のいく生き方を。
今月のみな実さん
理想の肌感触は赤ちゃん!
友人宅で子供ちゃんと触れ合いながら思う。どこもかしこも、もっちりちゅるちゅるで透明感に溢れる赤ちゃんこそが究極の美ではないかと。目指せ、赤ちゃん!
田中みな実(たなかみなみ)
1986年11月23日生まれ。埼玉県出身。「あざとくて何が悪いの?」(テレビ朝日系)は、9月24日に卒業。GINGER11月号特別号では表紙、そして特集インタビューページで、ラグジュアリーブランドのモードファッションを着こなす。