人間と見違えるほど精巧な見た目を持つバーチャルヒューマンは、ますます私たちと密接な存在に。それぞれが個性を確立し、インフルエンサーとしても活躍する彼らが切り開く未来とは…? 今回は、アジア初のバーチャルヒューマン「imma」について、プロデューサー・沙羅ジューストーさんにお話を伺った。
ピンクボブが特徴的。アジア初のバーチャルヒューマン「imma」
2010年代後半から高度なCGやAI技術を駆使し、実在するかのように作り込まれたバーチャルヒューマンがInstagramを中心に活動し始め、2018年にバーチャルモデルとして彗星の如く現れたimma。そのリアルとバーチャルの境界線を超えた唯一無二の存在は世界中から注目を集め、現在Instagramは40万人、TikTokは50万人以上のフォロワーを獲得し、またたく間にインフルエンサーとしての地位を固めた。そんなimmaを手がける日本初のバーチャルヒューマンカンパニーAwwのプロデューサー、沙羅ジューストーさんにインタビューを行った。
「immaがデビューした当時はSNSの世界に存在するバーチャルヒューマンは希少で、世界各地のメディアに取り上げられました。デジタルな存在だからこそ、限りなく人間に近い容姿と"人格"を持ち、信頼感を得て発言や想いに共感してもらうことが重要です。SNSが普及し、個人が影響力を持つ時代において実体があるかはどうであれ、人が信じられるものが真実だと言えるのではないでしょうか」
Instagramには世界の名だたるブランドのファッションを身に纏い、実在する著名人と一緒に写った写真が多く公開されており、コメント欄にはさまざまな言語が飛び交っている。
生身の人間と変わらない、世界のオピニオンリーダーへ
「やっていることは人間とさほど変わりません。この4年間、SK–IIのCM出演、FENDI、PRADA、TOMMY HILFIGERのモデルなど数々のグローバルブランドと仕事をしてきました。次のステップは、バーチャルファッションを軸にさまざまなプロデュースを行うこと。バーチャルでファッションを作るという未来を皆さんに見せる役目はファッションの文脈が強い存在であるimmaだからこそできる表現だと思います。さらに今年からインスタライヴやテレビで語るといった、直接的な方法で想いを伝える機会を増やす予定です。個人的には生身の人間と変わらない立ち位置で世界に羽ばたき、オピニオンリーダーになる未来を見てみたいです」
バーチャルヒューマンは今後も増えていく流れで一般化し、私たちの日常の一部となる日は遠くなさそう。
「まだ想像もできない可能性を持つバーチャルの世界は多様性が進み、私たちが人間として感じている限界を超え、ユニークで自由な世界だと信じています。バーチャルヒューマンを通して、ひとりひとりの人間が可能性を発揮し、“魂”を磨ける未来を目指します」
▼imma本人へのQ&Aも!
沙羅ジューストー
Aww Inc.プロデューサー。「imma」をはじめとするAwwのバーチャルヒューマンのプロデュースに従事。海外事業にてPRやパートナーシップをリードし、国内外のカンファレンスで講演を行う。