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2026.09.26

世界遺産検定マイスター南圭介が街に溶け込む世界遺産へ。百舌鳥・古市古墳群で感じた歴史と生命の循環

俳優、タレントとして活躍しながら様々な資格を取り、それを仕事にも生かしている南圭介さん。2023年に習得した世界遺産検定マイスターは、知識だけでなく、自分の考えをしっかりと表現する力が求められるため、難易度が高いそう。そんな彼が世界各国の魅力をご紹介する【南の旅】。26回目は「百舌鳥・古市古墳群」についてお伝えします。

上空100mからの古代日本を見て「‟守られて”未来へと続く」を実感

初めて訪れた古墳群。歴史ある古墳群を自分の目で、俯瞰で全体像を見たいという念願叶い、大仙公園内で「おおさか堺バルーン」に乗り、上空およそ100mから世界遺産の古墳群を眺める事が出来ました。

上空から見る古墳群は、国内で1番大きい前方後円墳として知られる仁徳天皇陵古墳をはじめ、とても存在感があり、進化する街の中に溶け込む古墳群からは時空を越えたロマンを感じます。

そんな世界最大級の墳墓である仁徳天皇陵古墳を構成資産として含む世界遺産「百舌鳥・古市古墳群」。日本古代の古墳文化を現在に伝えるとても重要な資産であり、古墳の墳丘は葬送儀礼の舞台となり、その幾何学的なデザインや、埴輪の装飾などの建築様式も評価され、2019年に世界遺産に登録され、大阪初の世界遺産が誕生しました。

2019年、令和元年という元号が変わるタイミングで、古代日本列島の王さまたちの墳墓が世界遺産に登録されたという事に「運命なのでは?!」と一人興奮を覚えてしまいましたが、学芸員さんのお話では、偶然のタイミングだったとのこと。でもきっと、何か引き合ったのではないか…と思っています。

墳丘は周りの土を掘って積み上がられ、斜面に石を敷き詰めて造られています。掘られたところが濠になっているのです。
仁徳天皇陵古墳は全長約486mの大きさで、全長においてはクフ王のピラミッド(約230m)や秦の始皇帝陵(約350m)を大きく上回ります。

現在では、古墳の近くは埋立地になっていますが、当時はすぐ近くに海岸線があり、航路の重要なポジションである大阪平野に作られていました。つまり巨大な古墳は、権威の象徴として、船で訪れる人々に大きなインパクトを与えていたに違いありません。
土と石で作られた古墳群には長い年月を経て、鳥や風が種子を運び、緑の木々が生い茂ったのです。まさに一つの島が形成される感じです。

個人的には、‟お墓”である古墳に、‟生命″溢れる緑の木々が溢れている光景は、生命の循環を見せてくれている感じがして好きです。

濠が埋没したことにより、現在では家屋に囲まれている珍しい古墳もあります。前方後円墳の長塚古墳です。裏庭・中庭感覚で世界遺産の古墳と共生している暮らしている気持ちは、どのような感覚なのかとても気になりますよね(笑)。と同時に、とても誇らしいに違いありません。

ところが、近いからこその問題点もあるようです。
昨今の台風や異常気象による豪雨によって、倒木してしまうケースがあり、近隣の家屋への接触はもちろん、根っこから倒木すると古墳自体も破壊されてしまうそう。
それを整えようとしても剪定用の重機が入れないので、全て手作業で剪定・伐採。当然、時間と労力がかかってしまうのがとても大変だとか。

ただ樹木をきれいに伐採した古墳もあります。いたすけ古墳です。
いたすけ古墳は、住宅造成計画により一時取り除かれてしまう可能性がありましたが、市民運動により保護され、今では樹木伐採も行い整えて、保全に向けて動いている古墳です。

ここで南圭介のマイスターQuiz!

Q.「いたすけ古墳」では、ある動物が棲みついていた時期があったそう。その動物は??

A.「イヌ」
B.「ネコ」
C.「ニワトリ」
D.「タヌキ」

正解は、「D」のタヌキです。

古墳への行き来をする橋の近辺でタヌキの目撃情報が多くあったそう。普段、古墳へは人があまり立ち入らない場所でもあったためなのか、タヌキも住みやすかったのかもしれません。
今では伐採も経ているので、タヌキの姿が見られるかどうか不明ですが、近くを通る時には気にしてみたいものです。

この日は、おかげさまで快晴のなか、「おおさか堺バルーン」にスムーズに乗る事が出来ました。歴史ある古墳群を俯瞰で上空100メートルから眺める事が出来る「おおさか堺バルーン」は絶景であり、普段とは違う視界は新たな発見ができるはずですからおススメです!

古墳群の中心に位置する大仙公園内にも古墳が点在しており、家族で散歩してる方や、日向ぼっこしている方もいらっしゃったり、古墳が特別な遺産として隔離されているのではなく日常のなかに自然に溶け込み、人々の暮らしと共存していることがなんとも素敵です。街そのものが古墳群の上に広がっていること自体が、1600年前の歴史が現代へ連続しているんです。

この日常の穏やかさを守る為にも、これからも世界文化遺産の古墳群、守りたくなります。

今回、堺市の都市緑化センターで世界遺産の講演を実施。そのご縁で、世界遺産「百舌鳥・古市古墳群」を初来訪できた、この素晴らしい機会にとても感謝しています。

現地を訪れる事。実際にその場に立ち、空間と繋がる事。これらによって世界遺産の魅力、その土地の魅力を全身で感じられます。講演に来てくださった皆様、そしてこの記事を読んでくださる皆様と世界遺産の歴史や、未来を共有出来ることをとても嬉しく思います。

「南の旅」はまだまだ続きます。次はどのような場所でどのような出会いが待っているか。素敵な出会いを、「行動」しながら待ちたいと思います。

百舌鳥・古市古墳群とは――
大阪府堺市・羽曳野市・藤井寺市に広がる日本最大級の古墳群。4世紀後半から5世紀後半にかけて築かれた49基の古墳で構成され、前方後円墳の代表例である仁徳天皇陵古墳(大山古墳)を含む。古代ヤマト王権の政治力や高度な土木技術を伝える貴重な文化遺産として評価され、2019年にユネスコ世界文化遺産に登録。約1600年前の日本の国家形成の歴史を今に伝えている。

南圭介(みなみけいすけ)
1985年7月3日生まれ。東京都出身。幼少期にパキスタンで育ち、小学校3年~6年まではシンガポールで過ごす。2004年にデビュー後、テレビ、舞台を中心に俳優として活躍。検定習得も多数あり、漢字検定準1級、ウイスキー検定2級などを習得し、2023年には世界遺産検定マイスターを習得。世界遺産の良さを伝えるだけでなくSDGsの考え方と親和性を伝え、「知る・考える・実行する」ことで発信中。ABCテレビ『朝だ!生です旅サラダ』(テレビ朝日系列全国ネット土曜8時〜9時30分)の海外リポーターとして不定期出演中。
Instagram @keisuke_minami73
YouTube @minamitravel2023

TEXT=南圭介

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