実際の金密輸事件に着想を得て描かれる、3人の女性の“人生の再起”をかけた映画『マジカル・シークレット・ツアー』が6月19日(金)より公開。有村架純さん・黒木華さん・南沙良さんが初共演を果たし、社会の片隅で追い詰められた女性たちが、思いがけない“密輸”をきっかけに自分の人生を取り戻していく姿を鮮烈に体現する。スリルとユーモアが同居するこの物語を、有村さん・南さんの言葉からひもといていく。
実話に着想を得た“金密輸事件”の物語

有村架純さん(以下、敬称略) 3人の女性の物語というところが、すごく面白いなと思いました。“金の密輸”を実体験することはないけれど、でも実話を基にしているからこそ、今もどこかで起きているかもしれない出来事でもあって。それをフィクションとして体現できるのが魅力的だなと思いました。女性たちが人生をやり直そうとしていくところにも惹かれて、参加したいと思いました。
南沙良さん(以下、敬称略) かなり非日常なテーマでしたね。私は、有村さんと黒木さんとお芝居ができるっていうのがすごく楽しみでした。あと、個人的にはその前の作品で“大麻を育てる役”をやっていて、そのあと今回も含めてしばらくずっと犯罪をする役をしてるんですよ(笑)。ご縁ですね(笑)。
有村 (笑)。私が演じたのは二児を育てる和歌子。出産する役柄はこれまでも経験があったんですけど、最初からある程度の年齢の子どもを育てている役は初めてで。まず“主婦”ってどういうものなんだろうと考えました。金銭的な状況や環境も含めて、たとえば余裕がなくてもどう工夫して暮らしているのかとか。そういう“母親としてそこに存在している感覚”を大事にしていました。
南 私も妊婦の役が初めてでした。家庭環境があまり良くない役どころも相まって“外にいるときの麻由”と“家にいるときの麻由”の差はすごく意識しました。生活のトーンみたいな細かい部分は、監督と話しながら作っていきました。
有村 沙良ちゃんは体的にも辛そうだったよね。
南 慣れないので大変でした(笑)。少しでも自然な感覚に近づけたかったので、お腹につける器具は持ち帰って、家でもなるべくつけていました。
生活苦の渦中にいるキャラクター

有村 最初に本読みをしたときに、監督からお手紙をいただきました。役に宛てた手紙のような形で、人物像がすごく細かく書かれていて。それをもとに、監督が思っているイメージと自分のなかにあるイメージをすり合わせることがありました。そのあとも、夫役の塩野(瑛久)さんとのリハーサルの時間をしっかり設けていただいて。台本には書かれていない夫婦のこれまでの時間なども共有できたので、撮影に入る前に関係性を作れたのはすごく大きかったです。
南 分かります。私もその手紙とリハーサルで、役に入るための準備がしやすくなった感覚がありました。また、家族としての麻由と外にいるときの麻由で、ギャップがあったので、その温度差をどこまで出すかは監督と話しました。そのバランスが、お芝居するうえでとても助けになったなと思っています。
有村 今回は、走ったり叫んだりするシーンも多かったよね。
南 そうですね。私は叫ぶシーンが多かったんですけど、普段あまり大きい声を出さないので、撮影後に音量の感覚がわからなくなっちゃって(笑)。普通に話してるつもりでも、思ってたより大きい声になっちゃったりして。
有村 切り替え難しいよね。私は、走るシーンがあったんですけど、思いっきり転んじゃって(笑)。やっぱり久しぶりに全力で走ると、人って転ぶんだなって実感しました。
南 心配しましたよ(笑)!
有村 結構ハデにコケたよね(笑)。でもきっと、和歌子もああやって走って転んでたんじゃないかなって思います。
シンガポールでの思い出

有村 シンガポールでの撮影は、現地のスタッフの方がすごく印象的でした。撮影に参加してくださった方のなかには、普段は広告を撮っている方もいたりして。みなさん、本当に一生懸命、この作品のために動いてくださって、その姿にはすごく助けられました。
南 シンプルに、めちゃくちゃ暑かったですよね。
有村 本当に! 湿度もスゴくて。あとは、金を買うシーンで実際のお店に行ったんですけど、スタッフさんたちが「買っちゃおうかな」って言い出したりして(笑)。
南 そうでしたね。私はすごく単純なんですけど、ごはんが本当に美味しくて嬉しかったです。撮影後にみんなで食べに行ったラクサがすごく印象に残ってます。
有村 あとバーにも行ったよね。ピーナッツの殻を床にそのまま捨てるスタイルで。
南 みんなでポイポイ投げてました(笑)。
社会的弱者のリベンジ

有村 この作品って、私は“人生の再起をかけた青春物語”だと思っていて。だからこそ、自分のなかにある“これは正しい・間違っている”っていう価値観は一旦忘れないと演じられないなと感じました。
南 たしかに、そこがすごく難しいところでした。
有村 誰でも生きているなかで、「こんなはずじゃなかった」って思う瞬間があると思うんですけど、そうなったときに何を選ぶのか、その自問自答を感じてもらえたら嬉しいですし、この3人のことを軽快に笑ってもらえたらいいなって思っています。
南 私も同じで、彼女たちの置かれている環境って決して明るいものではないと思うんですけど、作品自体にはあまり悲壮感がないというか。
有村 軽やかなんだよね。
南 そうなんです。むしろちょっとシュールで、思わず笑ってしまうような場面もあって。この3人が人生を取り戻そうとしている姿を、楽しみながら観てもらえたら嬉しいなと思います。
【6月19日(金)公開】映画『マジカル・シークレット・ツアー』

出演/有村架純、黒木 華、南沙良、塩野瑛久、青木 柚、斎藤 工 ほか
監督/天野千尋
脚本/天野千尋 熊谷まどか
配給/アスミック・エース
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Instagram @magicalsecrettour_movie
本作のノベライズ小説(著/天野千尋)が発売中! 詳細はこちらから。
有村架純(ありむらかすみ)
1993年2月13日生まれ、兵庫県出身。2010年テレビ朝日ドラマ「ハガネの女」でドラマ初出演。映画『ビリギャル』(15)で主演を務め、日本アカデミー賞優秀主演女優賞・新人俳優賞をW受賞。『ひよっこ』(17/NHK連続テレビ小説)で主演を務め、『花束みたいな恋をした』(21)では、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した。近年の主な出演作に「石子と羽男-そんなコトで訴えます?-」(22/TBS)、「どうする家康」(23/NHK 大河ドラマ)、『ちひろさん』(23)などに出演。「さよならのつづき」(24/Netflix)、「海のはじまり」(24/フジテレビ)、『花まんま』(25)、『ブラックショーマン』(25)などがある。放送中の日曜劇場「GIFT」(26/TBS)に出演している。映画「さとこはいつも」が9月18日に公開予定。また、舞台「キュー」への出演を控えている。
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南沙良(みなみさら)
2002年6月11日生まれ、東京都出身。『幼な子われらに生まれ』(17)で俳優デビュー。初主演映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(18)で、報知映画賞、ブルーリボン賞ほか数々の映画賞を受賞。映画『この子は邪悪』(22)、「光る君へ」(24/NHK 大河ドラマ)などで活躍を重ねる。近年は『愛されなくても別に』(25)、『万事快調〈オール・グリーンズ〉』(26)、『禍禍女』(26)などで主演を務めるほか、香港映画『殺手#4』(キラー・ナンバー4)などにも出演。
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