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TIMELESSPERSON

2025.02.05

阿部寛がリアルタイム型サスペンスの難役に!映画『ショウタイムセブン』が魅せる緊張感

命懸けの生放送、そこにあるのは嘘か真実か、好奇か悲哀か。阿部寛さんが主演を務める、映画『ショウタイムセブン』が2月7日(金)より全国ロード“ショウ”。かつてない緊迫感が襲いかかってくる、極上のサスペンスエンタメを目撃して。インタビューでは阿部さんのSNS熱が上昇する(!?)というスクープも!

没入型エンターテインメント開幕

「これまでの役者人生、やりたい役ややらなきゃいけない役を演じてきたから、今残っているのは難しい役ばかりですよ」

そう言って笑うのは、日本エンタメ界の第一線で活躍し続ける阿部寛さん。大学教授、高校教師、結婚できない男、刑事、古代ローマ人、工場社長、武将などなど、書ききれないほどの代表作でさまざまな人物(職業)を演じてきた。阿部さんは言葉を続ける。

「これまで『俺じゃ無理じゃないか』と思うような難しい役は避けて通ってきたところがあると思うんですよ。でもいろんな経験をしてきて、ここ数年は自分にとってハードルが高いと思う役に挑戦するようになった。僕は、演じたことのない役にアドレナリンが出ますからね、そうやって役を探していくと、どんどんハードルが高くなって困っています(笑)」

最新作となる映画『ショウタイムセブン』では、元人気キャスター・折本眞之輔を演じる。阿部さんは「キャスターという仕事は、自分といちばん遠い感じがした」と振り返る。

「自分もいろんな番組に出させていただいたり、ニュース番組を観たりしているから、アナウンサーってすごいなという実感とともに、想像しにくい職業でした。的確に伝える冷静さと不測の事態に対応する判断力が必要とされますよね。もし僕が同じ状況になったら、あたふたしてダメになると思うんだけど…(笑)。そういう人格的な二重構造が『どうなっているんだろう』と思ったし、みんなにとって馴染みのある職業だからこそ、自分のなかに落とし込むのが難しい役柄でした」

折本は、人気絶頂のなか、あることをきっかけに国民的ニュース番組「ショウタイム7」のメインキャスターから降板&ラジオ番組への左遷により苦渋の日々を過ごすという役柄。そんなある日、爆弾犯から交渉役に指名され、物語が動き出す。「なぜ自分が?」と不審に思う一方で、復帰への切符にほくそ笑む男なのだ。

「事件の前は、世捨て人のようにただ毎日を過ぎるのを待つだけだった折本が、元の場所に戻れると予感して野望を抱く瞬間が僕は好きですね。僕もモデル界から俳優界に来たときに、『世の中そんな甘くないぞ!』『立て直そうか』と感じた身なので、野心が持つエネルギーが好きなのかもしれません。だから、事件を利用して復活しようとする折本は演じていて面白かった。ただ、野心だけではなく、正義感も持ち合わせていたり、表に出る人間(キャスター)としての冷静さと穏やかさを有する人物なので、その繊細さを表現できたらと思って演じていました」

本作で最も特異なのは、“リアルタイム型”であるということ。本編尺98分に対して、ストーリー内の時間軸もほぼ同じように進行する。このライブ感を表現するために、撮影方法も綿密に練られたという。爆破テロ事件×生放送の緊迫感を効果的にするための“裏側”とは。

「舞台のような現場でした。事前にセリフと位置をみんなで合わせて、本番は10分以上の長回しがザラにあったかな。反射的に動けるカメラマンに来てもらって、作品のなかのニュース番組用のカメラと映画用のカメラが数台あって、常にいろんな角度から撮られていました。だから、どのシーンでも撮られている意識、視聴者に観られているという意識はしていましたね。

そうそう。今回、作品内番組のカメラマンなどクルーは、エキストラではなく本職のスタッフなんですよ。最初はエキストラさんだと思っていたから『なんでこの動きができるんだろう。練習したのかな』って。数日経った頃、その方が『今日は天気がいいですね』って話しかけてくれて『俺の緊張をほぐしてくれるのか』と思っていたら、本物のディレクターさんだっていうから(笑)。そういう意味でも、リアリティを追求していた現場だったと思います」

スタジオ内に仕掛けられた爆弾。二転三転とエスカレートする犯人の要求。その真実が明らかになったとき、折本から真の言葉が発せられる――。

「テレビで活躍、そして生活する折本が、テレビ業界やメディアの在り方を問うようなシーンがあるんです。現実でも世界中で問題になっているけれど、フェイクニュースがボンボン流れているでしょう。嘘の情報が簡単に出ていって溢れてしまう世の中、なんとかしていかなきゃいけないですよね。メディアの在り方、視聴者の在り方、ちょっと心配しています」

劇中では“国民的ニュース番組”が舞台ということもあり、視聴者の声を取り上げるシーンも。今やファンとの交流の主戦場ともなるSNSへの感触を聞いてみると。

「ファンクラブは約束を作るみたいに感じて避けてきました。当時は、どんな役でも身軽にやりたい、ご覧になる方々の予想を裏切っていきたいという気持ちがあったので、ファンの方を意識したら自分に制限をかけてしまう気がしていました。SNSも自分を宣伝するみたいで恥ずかしい気持ちがあってやってこなかったんですよ。Instagramがどういうものなのかよくわからないけど、時代に逆行していても成長がないからやってみてもいいかなと。SNSを始めて得られる知識や気持ちもあるかもしれないしね。とはいっても何年後になるかな」

新たな領域だったと語る今作。これまで演じた役を次々超えていきたいというモチベーションの所在はどこにあるのか。その答えで“演じる”ということに対するハングリー精神を垣間見せた。

「次は思いっきり動きがあるような役がいいな。悪役でもいいし、コメディのいきすぎちゃってる役でもいいし…これまた厳しいハードルかな(笑)。でも動けるうちにできる役はやっておきたい。海外では年齢が上がっても主役を張れる俳優さんがたくさんいるじゃないですか。日本の寂しいところが、カッコよく老けている人はたくさんいるけれど、主演に抜擢されることが少なくなる傾向がありますよね。そういうものを全部ぶっ飛ばして、『こんな80代いるか?』みたいな、凄みと色気のあるジジイ俳優になるのが最終的な目標です」

映画『ショウタイムセブン』 

©2025『ショウタイムセブン』製作委員会 

出演/阿部寛 
竜星涼 生見愛瑠 
前原瑞樹 平原テツ 内山昂輝 安藤玉恵 平田満 
井川遥 吉田鋼太郎 
監督・脚本/渡辺一貴 
原作/The film “The Terror, Live” written and directed by Kim Byung-woo,and produced and distributed by Lotte CultureWorks Co., Ltd. and Cine2000
配給/松竹 アスミック・エース 
※2月7日(金)全国公開!
showtime7.asmik-ace.co.jp

阿部寛(あべひろし)
1964年6月22日生まれ、神奈川県出身。「TRICK」シリーズ(テレビ朝日/00~14)などで人気を博し、『テルマエ・ロマエ』(12)で第36回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞受賞、第38回日本アカデミー賞では『ふしぎな岬の物語』(14)で優秀主演男優賞、『柘榴坂の仇討』(14)で優秀助演男優賞をダブル受賞、『護られなかった者たちへ』(21)でも第45回日本アカデミー賞優秀助演男優賞受賞。2022年には、ニューヨーク・アジアン映画祭でスター・アジア賞を日本人として初受賞。3月1日(土)、8日(土)22時よりドラマ「水平線のうた」(NHK総合)が放送予定。

PHOTO=白木努(PEACE MONKEY)

TEXT=GINGER編集部

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