仕事や日常生活で生じる迷いや課題に、より良い答えを見つけるためには、まず「自分を知る」ことが大事。保健学博士の島田恭子さんが「自分を知ること」=「自分のトリセツ」の作り方をナビゲート。自身のトリセツを手に入れて、ウェルビーイングにいこう! 【連載「自分学 わたしのトリセツ」】
vol.1 ウェルビーイングって何?
初めまして。“こころ”について研究している島田恭子と申します。
皆さんは、「これから先、どんなふうに人生を過ごしていくのかな?」とか「私は何を大切に生きていけばいい?」なんてこと、考えたことはありますか? いやいや、「毎日慌ただしくて、そんなこと考える余裕もない」? それとも「そんな哲学的なこと…。とりあえず日々を粛々とこなしていくわ」という感じでしょうか?
実は私が研究しているポジティブ心理学によると、「自分の強みや価値観を知って、それを大事にして生きれば、私たちは幸せな状態でいられる」ということが、データでわかっているんです。となると…知りたいですよねー、自分の強みや価値観を。それを活かす方法を。
ところでここでいう「幸せ」は、「ひとときの快楽」ではなく「長く続く“いい状態”」のこと。最近「ウェルビーイング」って言葉、いろんなところで耳にしますが、まさにそれです!
“自分なりの心地よさ”で生きられるのがウェルビーイング。
一方、美味しいものを食したり、マッサージでキモチよーくなったり、お酒でいい感じになったり、というのは一時的な快楽。その刺激がなくなると、そのキモチよさは元に戻ってしまいますからね(元気はもらえるかもしれませんが)。またこの、お金さえ出せば簡単に手に入れられるひとときのキモチよさに比べ、ウェルビーイングは“お金で買えない価値”ももっています。ということは、お金を使わなくても叶う、ウェルビーイングの形がある、ということ。なんてお得な…!
というわけで、この連載でぜひ、あなたのウェルビーイングを探す旅に出かけましょう。そのために私は「ウェルビーイングに向けて、自分の強みを知り価値観に沿った生き方を探すこと」を、“自分学”と題しました。この連載を読み進めていただくと、自分学を通して、あなたの“トリセツ”ができていくはず。そのトリセツは、何か窮屈なことや困ったときの“お守り”にもなり、何かに迷ったときの、星占いより頼れる存在になるかもしれません。ホントにお得です。
私は皆さんのトリセツ制作ナビゲーター。これから毎回役立つアイデアをお届けしますね。性格診断やちょっとしたワークもご用意しますので、気長にお付き合いのほどを。ウェルビーイングや自分学のヒントをもらえる、映画や本もご紹介する予定です。どうぞお楽しみに!
執筆者/保健学博士・島田恭子(しまだきょうこ)
組織の人材育成を通して、心の健康の重要性を感じ、東京大学大学院にて予防医学とメンタルヘルスを学ぶ(保健学博士)。一般社団法人ココロバランス研究所代表。
https://customer-harassment.org/