“これから”を充実させるために始めたい具体的なアクションを、一歩先を行く先輩女性の代表として、モデル 渡辺知夏子さんがナビゲートする連載「AGELESS BEAUTY TIPS」。エイジングを恐れず、ポジティブに進んでいくための「大人美容」にまつわるハウツーをご紹介します。
腸活でアンチエイジング!手作りヨーグルトのススメ
「腸活」。GINGER世代であれば、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
実は私自身も、少し前に健康と美容のさらなる知識向上のため、医学的な観点からも腸についてを学び、日頃のライフスタイルに活かせるように勉強しました。
発酵食品を日頃から積極的に取り入れ、腸を整えることを意識した食生活のことを一般的に「腸活」と言います。なぜ「腸活」が美肌やアンチエイジングに効果的なのか、簡単に説明すると・・・。
腸で良い働きをする菌や酵母(プロバイオティクス)や、腸内細菌を育ててくれる食品(プレバイオティクス)を摂取し、腸内環境を整えると善玉菌が優勢な状態になります。腸内環境が良好だと、腸の蠕動(ぜんどう)運動が活発になり、便秘を防ぐ効果があるほか、善玉菌が活動しやすい環境になることで効率良く栄養が吸収されます。すると免疫力が上がり、病気に強い体を作るだけでなく、アレルギーの予防や改善の効果があったり、代謝が良くなることでコラーゲンや保湿因子の生成を促します。その結果、美肌やアンチエイジング、ダイエットにもつながっていきます。
また、腸は第2の脳と呼ばれているくらい脳神経と密接な関係にあり、幸せホルモンと呼ばれているセロトニンやドーパミン、ストレスを緩和すると言われるGABAの生成の大部分が腸内で行われています。緊張するとお腹が痛くなったり、旅先など環境が変わると便秘になったりするのが、わかりやすい例。このようにストレスを感じたときなどの症状からも、腸と脳が連動しているということがよくわかります。
そして、近年では腸内細菌が生産する酪酸という成分が、脳の機能に影響を与える可能性が報告されていて、精神疾患や自己免疫疾患と関わりがあるということもわかってきているとか。
難しいことはさておき、美容の観点から簡単にいうと、善玉菌が喜ぶ食生活をすることで流れの良い腸内をキープすると、デトックス効果で栄養を効率良く吸収することができ、体にいいのはもちろん美肌にもつながる――ということなのです。まさに、コスメなどのアイテムに頼らず、ライフスタイルのなかでできるアンチエイジングですね。
私は日頃から自炊を心掛けているので、腸活のための食事に関していろいろなアイデアがあります。今回は簡単に取り入れたい腸活習慣として、ヨーグルトをおすすめしたいと思います。
腸活の代表格とも言える発酵食品、ヨーグルト
ヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌はさまざまな種類があり、菌株によって効果が異なります。なので市販のヨーグルトから選んで買うのもいいのですが、毎回買うのが大変だったり、コストカットしたいという人は、好きな牛乳や豆乳で作るのもおすすめ!
私は、もう5年以上前に購入したヨーグルティアという発酵器を愛用しています。種菌として、お気に入りの市販のヨーグルトを使って作ることが出来ます。ほかにもさまざまな種類の粉末種菌が販売されているので、いろいろ試して、味の好みや自分の体に合うものを探すのも楽しいです。
こちらは失敗しにくく、飽きのこないスタンダードなプレーンヨーグルト。
作り方はとても簡単。まず、熱湯消毒した容器に種菌となるヨーグルトを入れます。次に、牛乳を少しずつ入れてまんべんなく混ぜたら、40℃で7時間ほどセットして発酵させます。たったこれだけ!
ちなみに、使う牛乳は、低温殺菌牛乳だと固まりにくいものがあるので注意してください。低脂肪や無脂肪は何とか固まりますが、ゆるかったり、乳清が出やすかったりするので、美味しく食べたい場合は、スタンダードな牛乳を選ぶと失敗しにくいです。
季節によってセット時間も変わってくるので、未発酵や過発酵しないように調整。出来上がったら冷蔵庫で冷やします。
こちらが出来上がったヨーグルト。雑菌が入らないように注意して、大体1週間以内に食べ切ればOKです。
種菌にするヨーグルトは、R1やLG、ビフィックス、ブルガリアなどは失敗しにくく作りやすいのでおすすめ。ケフィアヨーグルトも何度か挑戦しましたが、発酵が難しく繊細なので、ヨーグルトメーカーで作るには上級者向きです。
ヨーグルトといえば、ハチミツをかけたり、フルーツと一緒に食べるのが定番。ハチミツに含まれるオリゴ糖やフルーツなどの水溶性食物繊維は、善玉菌のエサとなってくれるので、ヨーグルトと一緒に摂るのがおすすめです。
私はそこに良質のオイルも一緒にかけて食べています。アマニオイル、ココナッツオイル、MCTなど、相性や気分で選んでいます。小さじ1程度で充分なので取り入れやすいです。
ワンパターンになりがちなヨーグルトの食べ方ですが、カルピスの原液をかけてカルピスヨーグルトにしても美味しい!
ヨーグルト入り豆乳バナナスムージー
バナナやハチミツ、豆乳とMIXして豆乳バナナスムージーもおすすめ。黒ゴマを入れたり、バニラエッセンスを加えたアレンジも美味しいです。
プレーンヨーグルトなのでお料理にも使えます。野菜や海藻類も食物繊維が多く、腸活には必須の食材です。
塩ヨーグルトチキンの本格チキンカレー
塩ヨーグルトで漬けたチキンを使って本格チキンカレーに。塩ヨーグルトは、ヨーグルトに塩を少々加えたもの。それにチキンを数時間〜1晩漬け込むだけで、肉が柔らかくジューシーになります。さらにターメリックなどのスパイス、ケチャップ、にんにく、しょうがをすりおろしを入れれば、タンドリーチキンを作ることもできます。
ヨーグルトマヨネーズの大人のポテトサラダ
ポテトサラダにもヨーグルトを加えて、マヨネーズの量を抑えてカロリーオフしたりも。マヨネーズとヨーグルトの割合は、3対1くらい。言われてみれば、ちょっとさっぱりしてるなという感じになります。マスタードやコショウ、パルメザンチーズも使うと、大人なポテトサラダになります。
鶏むね肉のピカタ、ヨーグルト入りマスタードソース添え
鶏むね肉のピカタに合わせてヨーグルトを使ってマスタードソースを作ってみました。ヨーグルト、粒マスタード、ハチミツを好きな割合で混ぜるだけでさっぱり美味しい洋風ソースになります。
牛乳を使う料理やデザートにも使えるので、自家製ヨーグルトは冷蔵庫に常備しています。日にちが経って発酵が進んで酸っぱくなってきたら、マフィンやケーキにすれば問題なく美味しく食べられます。
この日のランチは、旬の野菜としらすの青のり炒めと米粉パン、そして手作りヨーグルト。毎日の献立では、タンパク質、ビタミン、食物繊維、炭水化物をバランスよく摂ることを心掛けています。
料理に消極的な方も、ヨーグルトを朝ごはんやちょっとしたデザートで日々の食卓に取り入れてみるのはいかがでしょうか?
まだまだ腸活におすすめの料理レシピのアイデアがあるので、また次の機会にご紹介できたらと思います。
まだしばらく自粛生活が続きそうですが、自宅で出来るケアや食事を楽しみながら乗り越えていきたいですね。バランスの良い食事を心掛けて、ストレスに負けない、老けない体を目指しましょう!
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