女性医療ジャーナリストの増田美加さんによる連載。人生の基礎になる“健やかな体”を手に入れるための最新知識をお届けします。
天候不順の日が続くと、めまい、吐き気、頭痛、首・肩こり、全身倦怠感、低血圧や血圧の上下、関節痛、手足のしびれ、冷え症、動悸、不安感、目のかゆみ、鼻水、咳など、一見、関係しないようなさまざまな不調が起こります。これが「気象病」。
天候の変化に体調不良が重なる人は、気象病の可能性があります! 改善には、実はアロマが役立つというデータが。その方法とは?
気圧・気温・湿度などの変動で不調が起こる!
気圧・気温・湿度などの気象の変化にともなって、さまざまな体調不良が起こるのが「気象病」です。
症状としては、めまい、吐き気、頭痛、首・肩こり、全身倦怠感、低血圧や血圧の上下、関節痛、手足のしびれ、冷え症、動悸、不安感、目のかゆみ、鼻水、咳などがあげられています。
これらのさまざまな症状は、一見、関連がない症状です。
でも、天候不順の日や、気圧が変わるなどの気候が変化するときに、体調不良が重なる人は、気象病の可能性があります。
気象病を感じた人は、運動不足、姿勢の悪さ、ストレスを自覚!
今年、行われたアンケート調査[*1]で、気象変動によって、なんらかの体調の変化を感じている人が95%に上っていました。
症状のなかで最も多かったのは、頭痛、倦怠感、肩・首こりという結果でした。
また、気象病を感じた人の多くは、「運動不足を自覚している」「姿勢の悪さを自覚している」「ストレスが多い」「スマホ時間が長い」と答えていました。
*1 日本アロマ環境協会調査「気象病についてのアンケート」会員413名(2020年6月5日~6月11日)
気象病は、内耳と自律神経のバランスの崩れから
なぜ、気象病が起こるのでしょう?
天候が激しく変化したりすると、体の調整機能を担う自律神経が酷使され、機能が低下してしまいます。
自律神経が乱れる原因には、湿度と気圧、気温(寒暖差)が関係します。
特に、気圧の変化は、耳の奥の「内耳」が感知して、脳の視床下部から自律神経を通じて、変化に対応するように、体に指令を出します。
ところが、気圧の変化が激しいと、バランスが崩れてしまい、自律神経が乱れ、頭痛やめまいなどのさまざまな症状が引き起こされるのです。
軽症ならアロマで自律神経を整えることで改善が!
重い症状の場合には、クリニックの受診が必要ですが、軽い不調ならセルフメンテナンスで、症状を出にくくすることも可能です。
ポイントは、気象病と関係が深い、内耳と自律神経を整えることです。
姿勢、呼吸、運動といった基本生活を見直すことが重要ですが、「香り」を取り入れて自律神経を整え、ストレスを解消することも有効と言われています。
自律神経を整えるために、アロマテラピーを活用するのもおすすめです。
自律神経におすすめのアロマの取り入れ方
特に、朝起きたときに、体が重い、やる気が出ないなどの日は、朝なのに副交感神経が優位になっている可能性があります。
交感神経を優位にして、体を目覚めさせて、活力や集中力を与える精油がおすすめといわれています。
●朝にはシャッキっとする爽やかな香り・・・ペパーミント+レモン
ペパーミントは、活気と元気を与えてくれる精油。集中力を高め、新しいひらめき力を与えてくれます。
レモンは、不安や混乱を取り除き、リフレッシュさせ、明るい気持ちにさせてくれます。
一方、自律神経を整えるには、夜間に副交感神経が優位になるように整えることが大切です。寝る前は、心身がリラックス状態になる精油を選びます。
●夜は甘さのある穏やかな香り・・・ラベンダー+スイートオレンジ
ラベンダーは、リラックスや、調和、バランスをとる作用が特長。ストレスによる緊張や不安、怒りを和らげ、安定した精神状態へと導きます。ラベンダーの香りを嗅ぐと、リラックス状態で増加する、アルファ波が増えたという実験結果もあります。
心身がリラックス状態になると、副交感神経が優位になるため、自律神経のバランスを整えたり、免疫力を高める効果も期待できます。
オレンジスイートは、リラックスし、エネルギーの循環を促す作用があります。
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