何かを極めたり、目標となるひとのようになりたいときに有効なのはまず真似ること! 「習うより慣れろ」という言葉もあるように、頭で理解するのも大事だけれど、感覚でつかんでいくことって身につきやすい。今回は理想のカタチや魅力的なひとになるための近道“真似する”コトについて。
ひとは模倣から進化を続けてきた
「ひとの真似はやめなさい、オリジナリティが大切だから」という考え方が重んじられている時代がありました。ほんとうのオリジナルってなんなのでしょう? “完全なる”新しい創造や発想なんてこの世にどれほど存在するのでしょうか。音楽だって、服のデザインだって過去のアーカイブから着想を得て生み出されたものはうんとある。
そう、真似することはちーっとも悪いことではないのです。それこそ私たちは赤ちゃんのとき、なんでも真似することで生きていく術を身につけてきました。真似るということは生きていくうえにおいて絶対不可欠なサバイバルスキルなんです。
理想を体現する近道はモデリング!
こんな風になりたいという素敵なひとや信頼できるひとの真似をするのが理想に近づく特効薬。やっていくうちに自然と似たような考え方や立ち居振る舞いが出来るようになっちゃったりします。“真に似せること”が真似ることの極意。そして「学ぶ」の語源はなんと「真似ぶ」なんだそう! そもそも学ぶことは真似ることなんですね。
モデリングは心理学用語の一つですが、何かしらの対象をモデル(お手本)に、そのモデルの行動を真似、取り入れていく行為を指します。モデリングすることによって短期間にお手本に近づいていくことが出来るとされています。センスのいいひとの行動や服装を真似していると、だんだんとセンスのいいひとに変わっていきます。仕事のできるひとのやり方をつぶさに観察し取り入れていくと、ビジネススキルも処理能力も飛躍的に上がるのです。
対象モデルのひとが長い時間で培って来た素敵スキルを短時間で身につけられるなんて、そうとうお得! 効率的でしょ(笑)。
真似するだけじゃ成長は望めない!?
『採長補短』は、「ひとの良いところを取り入れて自分の足りないところや短所を補う」という意味の四字熟語。この言葉の深いところは、単に真似を推奨しているだけではない点。物事の長けているところ=優れたところにしっかりフォーカスして、おのれを振り返り、短所や足りないところを補ったり改善すると良いということを伝えているのです。
キモは自分をしっかり顧みるべしというところ。表面の真似ばかりしていても、それは単なる「猿マネ」。モデル(お手本)の優れた部分の本質を理解していなかったら、いつまでたっても身につかないし応用もききません。
真似したいモデルを見つけ、その優れたところをしっかり分析、自分と比較、足りないところを補う。これで初めて真似の効果が最大限に発揮されるのです。
似ていて非なる“フリ”に注意!
真似と似ているようで全然違うのが“フリ”をすること。
ふりとは挙動に現れた、ひとの様子。現実には違うのにもかかわらず、あたかもそのように振る舞うこと。「博識なふり」「お金持ちのふり」「優しいふり」などなど。ふりってなんとなくこう、嘘の香りがプンプンします(笑)。
「知ったかぶり」をする人がいますが、これはスマートで博学なひとのモデリング中なのに、ちゃんと足りない部分を補っていない状態なのではないでしょうか。“○○のふり”の怖いところは、“本物になる”チャンスを逃すところです。例えば知ったかぶりをしていると、いつまでも「知る」機会を得ることができなくなります。チャンスを逃すなんてイヤですよね? “フリ”って実は怖いコトなんです。
正しい真似は足りない部分が補われていくので「嘘(真似だから、最初は本当ではないですよね)から出た誠」みたいな結果になります。フリはいつまで経ってもフェイクでしかありません。“フリ”ではなく結果につながる“真似”をして、内面も外見も効率よく磨き上げ理想を現実にしちゃいましょう!