女性医療ジャーナリストの増田美加さんによる連載。人生の基礎になる“健やかな体”を手に入れるための最新知識をお届けします。
質の高いオリーブオイルには、世界的なインターナショナル・オリーブ・カウンシル(IOC)の国際基準の品質評価がついています。「エキストラバージン・オリーブオイル」とはIOCの厳しい基準を通ったものだけに与えられる名称。でも残念ながら、日本はIOC非加盟国。
オリーブオイルはオレイン酸豊富で、ポリフェノールを多く含み、抗酸化作用が高く、悪玉コレステロールを減らすと言われている、まさに美容オイルです。質の高いものを賢く選ぶ方法をヘルスケアに詳しい増田美加がお伝えします。
日本の「エキストラバージン・オリーブオイル」はただの商品名!
IOCの国際取引基準の「エキストラバージン・オリーブオイル」とは、“原料がオリーブの実だけ”であること、“精製されていない”こと、“酸度が0.8%以下である”こと、“風味に悪臭などの欠陥がひとつもない”ことの最低4点を満たしたオリーブオイルだけ。
化学検査とテイスティングによる官能試験を経て、酸敗臭や発酵臭などがまったくないものです。日本は、まだIOC国際取引基準を導入していないため、規格の法規定そのものがないので、「エキストラバージン・オリーブオイル」という呼称を自由に使用できます。ですから日本では「エキストラバージン・オリーブオイル」は、ただの商品名でしかないのです。
ではどうやって選べばいいの?
現状、日本はIOC非加盟国なので法的な縛りはありませんが、IOCで定められたラベルの記載規定(酸度や過酸化物価、紫外線吸収値ほか)をきちんと守っているかどうかや、ラベルに書かれている情報量の多さ、具体的な説明がどれだけ丁寧に書かれているか、という点で、信頼できる会社かどうかを着目するしかありません。
注意したいのは、「金賞受賞」「世界1位獲得」「最高級オイル」などの言葉も日本では、信頼性があまりありません。また、遮光瓶のほうが良い、とされていますが、初絞りオイルなどで、あえて色を見せたくて限定的に透明瓶を採用していたり、外箱に入れる前提で透明だったりすることもありますので、瓶の色で一概に中身の真贋を決めることも難しいと言われています。
IOCで1位を受賞したオリーブオイル!
厳正な国際機関であるIOCが主催するその年の世界最高の「エキストラバージン・オリーブオイル」を決める国際的なコンペティション「Mario Solinas Quality Award」には、には、厳しい参加条件が設けられていますが、エントリーした130種のオイルから、2016年に1位に選ばれたのは、4つだけ。そのうち3つは日本でも購入できます。
「フィンカ ラ トーレ」フィンカ ラ レヤ(スペイン)
輸入会社/合同会社ルトーレプロジェクト http://letorreproject.jimdo.com
「パオロ ボノメッリ」 ブティック オリーブ ファーム(イタリア)
輸入会社/イタリアオリーブオイル文化学会 0798-22-7223
「メルガレホ」 エクスプロタシオネス メルコール(スペイン)
輸入会社/オリーバル株式会社 http://www.olival.co.jp
オリーブオイルは痩せやすく、肌にも、妊娠中や赤ちゃんにも
こんな卵かけご飯にしても美味しい!
フライパンに大さじ1のオリーブオイル、生卵、ミニトマトを入れて蓋をして弱火で加熱。卵が半熟のうちに、オリーブオイルもすべて玄米ご飯に載せて、さっとお醤油をかけていただく!
オリーブオイルは、加熱しても酸化しにくいからおすすめです。オリーブオイルが健康にいいのは、ポリフェノールやクロロフィルを多く含んでいるところ。また、最も注目したいポリフェノールはオレウロペイン。オレウロペインは、オリーブオイルにしかなく、新陳代謝を促進して、痩せやすくなることにつながるとも。それに加えて、フリーラジカルに対抗して体の酸化を抑制するビタミンE、ビタミンA、D、Kを多く含みます。
そのため、ニキビや乾癬、脂漏性湿疹などの皮膚のトラブルにもいいと考えられています。
また、オリーブオイルは、妊娠中の胎児の発達に重要な役割を果たしています。ある研究によると、妊娠中にオリーブオイルを摂取した母親の赤ちゃんは、出生後の身長、体重、行動や精神面での反応の点で優れているという結果もあります。
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