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MYSELFメイクアップ

2022.02.28

“わたし”らしいスタイルを叶える、メイクの極意【小田切ヒロの化粧劇場】

ヘア&メイクアップアーティスト小田切ヒロさんが、名作のヒロインをオマージュしたメイクルックを披露する不定期連載「MAKE YOU HEROINE」。今回のゲストは、女優の三吉彩花さん。

三吉彩花が、小田切ヒロの手により「山口小夜子」になりきり!

小田切ヒロ

ジャケットドレス¥539,000、リング¥35,200/ともにアレキサンダー・マックイーン

自分のなかにある“好き”を貫き通すのって、意外にとても難しいこと。
山口小夜子さんは22歳でモデルデビューして、翌年、23歳にはパリコレの舞台に。
日本人形のようなおかっぱの黒髪、切れ長の目をトレードマークとした強烈な個性で、世界に山口小夜子の存在を知らしめた。
20代ってまだ周りに流されてしまう年齢だから、自分のスタイルを築く“わたしで行く”ことに腹を括るってとても難しいことだと思うのだけれども、わたしをブレさせず、わたしであることの美しさに気付けたから、彼女は輝いていた。
ルックスの美しさだけでなく、マインドの部分で“わたしで生きている”、その姿が本当に素敵だと感じる。
三吉彩花さんと初めてお仕事したとき、何気なく話す会話のなかに山口小夜子さんと同じマインドを感じたの。
モデルさんたちって、社会が求める像や周りの意見に合わせてしまいがちだから、似たり寄ったりになってしまうけれど、三吉さんはその振り幅から結構外れた部分で“わたし”としてしっかり生きていて、何より自分のなかの“好き”をすごく大切にしている。
自分の流儀を明確に持つことで生まれる自分を信じる力。
それこそが、魅力という強い吸引力を生み出していると思うの。

――小田切ヒロ

小田切ヒロ

山口小夜子さんは、世界のデザイナーから愛され、パリコレをはじめ世界を舞台に活躍したモデル。
1970年代という、まだ当然SNSもない時代に、白肌に切れ長の目、真っ赤なリップを纏った“山口小夜子”という存在を世界の人が知っていたという事実――それって、本当にすごいことだと思います。
私も現在、中国で仕事をしているので、海外で仕事をするにはタフさが必要だとよくわかります。
山口さんの場合、アイコニックなその姿を、日本、アメリカ、ヨーロッパのどこに行っても変えることなく、“私はわたし”のスタイルを貫き通し、それが世界で認められ、時代を象徴するアイコンになった。
生き残っていくことが本当に難しい世界だから、とてもかっこいいですよね。
“私はわたし”、自分を信じるそのマインドにすごく共感できるんです。

――三吉彩花

小田切ヒロ「あなたのなかにある、既成概念や当たり前を崩して」

小田切ヒロ

「今回のレッスンは、“メイクの既成概念を壊す”こと。

本来、頬の高い部分に入れるチークを目の周りを囲むように大胆に入れてみる…チークとは異なる血色感で、新しい自分に出会えるわ。

また、今回のように目元を強めにしたメイクのときは、最初にファンデーションを塗らないで、最後に使うの。スタイルを持たせるメイクは、顔に存在感が出てくるので“肌で抜く”ことが大切。

ファンデはキレイに塗ることが正解ではなくて、いかに使わず、少量にできるかというのが本当の正解。肌から作るメイクはコンサバティブになりがちで、肌に厚みが出てしまうからファッションになりづらいの」(小田切さん)

ミニマリスト ホイップパウダーブラッシュ Sayoko/06

小田切ヒロ

ムースのような質感が、さらさらなパウダー状へと変化。ミニマリスト ホイップパウダーブラッシュ Sayoko/06 ¥4,400/SHISEIDO

「コンサバティブにならないように、“当たり前”の概念を一度崩して、トレンドのチークをあえて目元に使うの」(小田切さん)

その他の使用アイテム

使用アイテム

〈左〉アイライナーとしても、シャドウとしても使用可能なペンシル型アイシャドウ。スティロ オンブル エ コントゥール 08 ¥4,290/シャネル 写真:©️CHANEL 〈右〉ひと塗りでサテンのようになめらかに広がるリップ。大胆で濃密な発色で、うるおい感も持続。オーデイシャスリップスティック 9497 ¥4,290/ナーズ ジャパン

【小田切ヒロのMake-up Point】メイクの既成概念を崩すと、新鮮な輝きが放たれる

小田切ヒロ

ジレ¥385,000、パンタロン¥280,500、ブレスレット(参考色)¥91,300、リング(参考色)¥53,900、サンダル 参考商品/すべてフェンディ(フェンディ ジャパン)

「アイラインも“キレイに線を描かなければならない”という既成概念を壊して。

目の縁を黒いラインで囲ったあと、サッと指でぼかしてみる。ぼかされた部分がフワッと“曖昧”になることで、強すぎる印象にならず囲み目のブラックがとても新鮮に見える。

そういう崩しを入れることが、実は新しいメイクに挑戦しやすくなる鍵なの」(小田切さん)

小田切ヒロの決め台詞!
「自分だけのスタイルを見つけられた人が輝ける!」

時代を創り出した、山口小夜子という美しさ

小田切ヒロ

PHOTO/NORIAKI YOKOSUKA

1971年にモデルデビュー後、高田賢三や山本寛斎のショーで注目を集め、’72年にパリコレクション、ニューヨークコレクションにも出演。白い肌に切れ長の目、高い位置のチーク、赤いリップのエキゾティックな存在感で世界のトップモデルへ。資生堂のモデルとして日本の美も発信。

三吉彩花(みよしあやか)
1996年6月18日生まれ、埼玉県出身。2010~2017年、雑誌『Seventeen』の専属モデルを務める。女優としても2020年『犬鳴村』『Daughters』、Netflixオリジナルシリーズ「今際の国のアリス」に出演するなど、ドラマや映画、CM、また海外でも幅広く活躍中。2022年3月にアミューズ所属の女性アーティストたちによるライブ「AMUSE PRESENTS SUPER HANDSOME W LIVE“HANDSOME”is not just for men.」に出演。

小田切ヒロ(おだぎりひろ)
圧倒的なセンス、高い技術力、さらに引き込まれる話術で魅了する人気ヘア&メイクアップアーティスト。YouTubeやオンラインサロンでは視聴者やファンに寄り添い、真摯に向き合い悩みを解決。

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PHOTO=輿石真由美(MILD)

HAIR & MAKE-UP=小田切ヒロ(LA DONNA)

STYLING=清原愛花

MODEL=三吉彩花

TEXT=山崎尚子

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