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LIVING仕事

2024.04.25

企業の“人間味”を伝えて、ファンを増やす。共感・共鳴を生むPR術

世の中で流行っているモノゴトの背景に、必ずといっていいほど存在するものがある。それが「PR」のチカラ。PRの仕事に携わるプロフェッショナル、WORKING FOREVER代表の西澤朋子さんが綴る「この仕事の裏側」第4回。【シリーズ/お仕事エッセイ

背景にある“物語”を拡散。“周年”というタイミングを逃さないで!

西澤朋子お仕事エッセイ

「いま動いたらうまくいきそう!」そんな風に本能的に動けることも、PRパーソンとして大切なこと。どんなに商品やサービス、それが生まれた背景やストーリーが魅力的でも、世の中の多くの人に知られるには、「タイミング」という着火剤が必要です。

目新しさや面白さがある情報でも、少しでもタイミングがずれると注目されず、不発に終わることもあります。でも裏を返せば、その情報を世の中に放つ「タイミング」を的確に捉え、存分に活かすことで、その話題性を何十倍・何百倍にも広げることもできるのです。

周年(企業の誕生日)は絶好のPRチャンス

西澤朋子お仕事エッセイ

『不思議の国のアリス』の話には、毎日誰かの誕生日を祝っている、ちょっとおかしな帽子屋が登場します。彼は日々誕生日にかこつけて、お茶会を開きどんちゃん騒ぎをしています。一見ただのおかしい人に見えますが、そうした行動も、PRの視点から見たら、あながち間違いではないのかもしれません。そう、「誕生日」という記念日的なタイミングは、PRにとって大きなチャンスだからです。

「新しい製品を発売します!」「新しいキャンペーンを行います!」など、ニュースと呼ばれる情報には「新しさ」が求められます。でも「創業〇周年」「生誕〇周年」「設立〇周年」など、企業にとって節目となる“タイミング”がある場合は、それを活かすことで、「新しさ」とは別のベクトルから、企業やブランドへの関心を最大限に盛り上げる方向性を探ることが可能になります。

企業の成り立ちや、歩みなど、その企業のアイデンティティを形成する「歴史」や「物語(ストーリー)」は、普段から企業側がホームページや販促物、あるいはSNSで発信していたとしても、なかなか興味を持ってもらいにくいもの。

ところが、企業の誕生日=「周年」というタイミングがあることで、「周年」という大きな軸のもと、企業の歴史やコンセプト、想いやビジョン、企業の“核”となる情報を、発信しつづける一年になるのです。

周年PRでは、一例ですがこのような活動を行います。

主な周年PR施策(例)

  • 周年記念動画・冊子などのコンテンツ制作
  • 周年記念商品・メニューなどの発売
  • 周年キャンペーンの実施
  • 周年記念イベントの開催

私たちWORKING FOREVERが広報・PRのお手伝いをしている株式会社ハイデイ日高の例でお話ししていきたいと思います。

企業の歴史や物語が伝わると、共感や愛着につながっていく

西澤朋子お仕事エッセイ
全国で400店舗以上ある日高屋は、一軒の小さなラーメン屋から始まった(写真右が創業者である神田会長)。

「日高屋」を展開する株式会社ハイデイ日高は、昨年創業50周年を迎えました。

日高屋は関東を中心に全国約400店舗以上展開する飲食店チェーンで、庶民的な味と良心的な価格帯、そして親近感あるメニュー展開で知られています。すでに多くのコアなファンに支持されているブランドですが、現場の方々や、社長、会長、企業の人々と関わっていくなかで、「この企業にはもっともっと、発信すべき魅力がある」という想いがありました。

創業会長が一軒の小さなラーメン屋を開いてから50年、今では全国に何百店舗も展開する大企業へと成長。リーマンショック、東日本大震災、コロナなど、挙げたらきりがないほどの困難の数々を乗り越えて今がある。そしてバトンを引き継いだ若き社長が、力強く次の時代へ向かうおうとしている局面のなかで迎えた創業50周年。この企業が次の50年、100年に向けて前進していくうえで、このタイミングを活かすことがとても重要だと感じたのです。

普段は伝えきれていない企業の本質的な魅力を積極的に発信

西澤朋子お仕事エッセイ
人を大切にし、情熱を持って成長し続ける企業の核となる想いを伝える。

50周年を盛り上げるPR施策では、企業の歴史と魅力が伝わるようにと、周年を記念した動画と冊子を制作しました。企業の創業期、拡大期、転換期、それぞれの時代のリーダーたちにインタビューし、その困難をどう乗り越えてきたか、また今だからこそ笑える思い出話など、さまざまなエピソードを、コンテンツとして表現することで伝わりやすくし、普段から日高屋を好きと言ってくださっている人にはより好きになってもらえるように、これまで日高屋と接点が薄かった人には興味を持ってもらえるように、SNSやWEBで拡散しました。

西澤朋子お仕事エッセイ

また周年記念商品のPRイベントを報道関係者向けに開催しました。イベントでは会長、社長それぞれが登壇し、改めてそれぞれの思いや企業としての在り方を自分たち自身の言葉で発信しました。

企業が大切にしている想いを、会長、社長それぞれが漢字一文字で表現。会長は「情」、社長は「人」。二つを合わせれば「人情」。

「情」という言葉を選んだ会長は、「自分には能力なんかないけれど、仕事への情熱だけでここまできた。苦労は山ほどしてきたけれど、やる気や希望といった情熱さえあれば何とかなる」と振り返り、「人」という言葉を選んだ社長からは、「この仕事は結局、人なくしては成り立たない、これまでもこれからも人が大事というのがハイデイ日高のモットー。この会社で働こうと思って来てくれた従業員が希望や情熱を持って働ける会社にしていきたい」というメッセージを発信しました。

「人情」。この言葉こそが、昭和・平成・令和の時代を駆け抜け、そしてこれからの未来を歩んでゆくこの会社にとって大切なコンセプトであり、50周年というタイミングで企業の歴史や物語とともに発信すべき核となるメッセージであり、それが伝わることでより強い共感と共鳴、絆へと繋がっていくと感じました。

西澤朋子お仕事エッセイ

「周年」という企業の歴史を振り返り、積極的に発信できるタイミングを上手く活用することで、企業の“人間味”あふれる歴史や物語が人々の心を揺らし、既存のファンはより強いファンに、関心を持っていなかった人には、好意的な気持ちを寄せるきっかけとなるかもしれません。

一人ひとりの人生にそれぞれドラマがあるように、起業時の苦労話やはじめて商品がヒットしたときの喜び、どん底の時代、波乱万丈の連続などなど、企業にもそれぞれたくさんのドラマが溢れているのです。

リスペクトし合える人々とリスペクトし合える仕事を!

西澤朋子お仕事エッセイ
チーム全体が企業のファンに。プロジェクト完走後、制作チーム全員で日高屋で乾杯。

最後に、「強いチーム力」で取り組めたことも、このプロジェクトを盛り上げることができた大きな要因のひとつです。

広報出身で広報活動に理解のある社長と、つねに全力投球、ガッツのある広報担当の女性を中心に、私たち外部のPR会社やコピーライター、フォトグラファー、映像制作スタッフ、それぞれが壁を作らず誰もが互いにスムーズなコミュニケーションを展開できるフォーメーションができていました。

インタビューをするたびに、撮影をするたびに、イベントをするたびに、PRに携わる全員が企業のファンになっていく。そしてそうしたチームの一体感が大きな追い風となり、良い仕事をみんなで完走する素晴らしさを体感。企業の想いと熱量と、風通しのよさ、そしてスピード感。この仕事には、仕事を良い方向へ推し進めるために必要な条件が奇跡のように揃っていました。誠実で温かい企業の魅力が、「純度1000%のエネルギー」を引き出していったのです。

「広報・PRという仕事を通して、リスペクトし合える人たちとリスペクトし合える仕事をWorking Foreverしつづけていきたい」。

ハイデイ日高の50周年PRは、改めて自分自身がそう強く決心するきっかけになった仕事です。本質的な仕事、そしてわくわくした気持ち、一番忘れてはいけないこと、忘れたくない部分を大切に、これからもPRパーソンとして一生懸命な企業の魅力を世の中に伝える力になっていきたい、そう思っています。

西澤朋子プロフィール写真

西澤朋子 (にしざわともこ)

PR会社「WORKING FOREVER」代表/PRプランナー。東京生まれ。食品メーカーで宣伝を担当した経験からPRに目覚める。国内・外資系PR会社を経て大手PR会社経験後に独立。広報部の立ち上げや広報担当者育成まで、企業の広報支援を幅広く行う。社長と話す、人と話す、企業と二人三脚で広報課題に取り組むことが信条。
www.workingforever100years.jp/
Instagram @working_forever

TEXT=西澤朋子

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