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LIVING仕事

2024.03.25

少し先の未来を予測してPR。好奇心が人を動かし、世界を変える

世の中で流行っているモノゴトの背景に、必ずといっていいほど存在するものがある。それが「PR」のチカラ。PRの仕事に携わるプロフェッショナル、WORKING FOREVER代表の西澤朋子さんが綴る「この仕事の裏側」第3回。【シリーズ/お仕事エッセイ

互いに影響し合いながら、信頼関係を築いていく

西澤朋子お仕事エッセイ

PRを意味する「Public Relations(パブリックリレーションズ)」。文字通り、パブリック(取り巻く環境)とリレーションズ(関係構築)していくことを表します。自分が思われたいイメージを一方通行で押し付けるのではなく、相互にコミュニケーションを図りながら、理解や好感を得られるよう丁寧に働きかけていくこと。私はこの言葉が大好きです。

パブリックリレーションズを展開していく上で、関係を紡ぐ相手(=ステークホルダー)によってコミュニケーションの手法を変える、という考え方があります。ステークホルダーとは、企業活動を行う際に影響を受ける「利害関係者」全般を指す言葉。

ステークホルダーごとに関心やニーズは異なり、それに応じた適切なコミュニケーションが求められます。それぞれにフィットしたコミュニケーション手法をとることで、信頼関係を強化し、協力的・友好的な関係を築き上げていくのです。

西澤朋子のお仕事エッセイ

前述のとおり、「メディア」はPRの重要なステークホルダーのひとつです。番組や紙面、WEB上に記事を載せ、世の中の人々に情報を発信し影響を与える「メディア」の関心やニーズは、番組の視聴者、読者、ユーザーが興味・関心を持つ情報です。彼らの企画会議や編集会議などで役立つよう、世の中全体の傾向や流れを捉えた情報を提供するコミュニケーションを地道に行っていくことも、信頼関係を育む上で、私たちPRパーソンの活動として大切なこと。

その取り組みのひとつとして、私たちWORKING FOREVERでは、“少しだけ先の未来”を予測する情報シートを作成しています。

肌感覚でキャッチアップした“ヒットの予感”を共有する

この予測シートを作るための会議として、「これから世の中で話題になりそう!」、と予感する「ヒト(人物)やモノ(商品・サービス)、コト(現象)」を、おのおのが自由に思いつくままに発表し合う「“ちょい未来”予測会議」というものを行っています。

西澤朋子のお仕事エッセイ

これは、参加メンバーそれぞれが街歩きやネットサーフィン、スマホの回遊、TV、雑誌など様々なシーンを通してビビビッときたものや、肌感覚で「(これから)来る!」と感じたものを、とにかく自由にアイデアを出し合う会議です。

瞬間的に伝わるように、1枚のシートで表現

会議で集まった「ヒットを予感する」情報のなかから選りすぐりのラインナップを絞り込み、A4横1枚のシートにまとめ、メディア関係者を中心とした“つながりを深めたい人達”に向けて配信するのです。

最近は「Chat GPT」などAIも積極的に活用しています。私たち人間のほうが主観的で勝手にヒートアップし過ぎたり、偏った見方をしがちだと感じることもあるからです。人間の肌感覚とAIのフラットな意見、その両方が合わさることで、バランスの良い情報シートに仕上がると思う今日この頃です。

また、こだわりは、「ワンシートで表現する」こと。1枚のシートでコンパクトに表現することで、情報を見やすく、わかりやすく、瞬間的に伝えることができます。横位置で表現するのにも、実は意味があります。受け取った相手がメールのPDFで開く場合も(スマホでも)、出力で見る場合も、両目の幅でパッと感覚的に情報を捉えることができるからです。

西澤朋子のお仕事エッセイ

シートにまとめるポイント

1. テーマを絞る
ワンシートは限られたスペースしかありませんので、テーマを5~6個に絞ります。

2. ビジュアルを活用する
ワンシートでは画像、イラスト、色などの視覚的な要素を活用して、情報をわかりやすく表現します。視覚的な要素があると情報が瞬間的に理解しやすくなります。

3. できるかぎり簡潔な文章で表現する
小見出しとなるキャッチコピーや短い説明文を入れて情報を簡潔にまとめます。長文や冗長な表現は避け、要点が明確に伝わるようにします。

4. レイアウトを工夫する
情報を見やすく、わかりやすくするために、レイアウトのバランスも重要です。トピックごとの配置を考え、読みやすくします。

ついつい、人は自分の感覚で物事を捉えがちですが、残念ながらよほど関心がない限り、送られてきたメールやテキスト情報に目を通したりはしないものです。例えば、シートを受け取った相手が、その情報に興味を示し、周囲や上の人に「これ面白いですよ!」と伝えたくなるアクションが生まれたとしても、それが端的かつ興味を持ちやすい形状になっていない限り、さらにその上の人に同じ温度感で理解されるということは、限りなく不可能に近い、と思っています。

情報が人の手から手へと渡っていくとき、伝え方次第で共感やテンションはどんどん薄まっていってしまうもの。他人の関心度は自分よりもうんと低いということを忘れず、誰もが瞬間的に、感覚的に情報を捉え、理解できるコンパクトさが大切です。

この手法は、PRの世界に限らず、どんな仕事にも役立つかもしれません。例えば企画書ひとつ取ってみても、何十ページにも及ぶ企画書をドライブに格納し閲覧を促すだけではなく、その内容を要約したワンシートがペロっとメールに添付されているほうが、手ごわい上司もその機転と気遣いに心動かされてくれるかもしれません。

ポジティブな好奇心が世界を広げていく

5年前、10年前と比べて情報量は爆発的に増え、また流行が移り変わるスピードも大幅に加速し、ヒットやトレンドを予測することがとても難しくなりました。

西澤朋子のお仕事エッセイ

また、人々の好みやニーズも多様化・分散化し、そもそもヒットやトレンドと呼べるほど、何かひとつの現象に人気や話題が集中し、しかもある程度の長さ継続する、というような社会現象も生まれにくくなっています。もしかしたら、「今年のヒット番付」や「来年のトレンド予測」をテーマにした情報が年末年始の恒例に行われていますが、それらを追いかけること自体がナンセンスと呼ばれる日も、そう遠くはないのかもしれません。

とはいうものの、先の未来を予測することは、PRの世界に限らず、私たちの普段の生活において、さまざまなリスク、あるいはチャンス、そして可能性を把握し、新たな夢や目標を模索することが出来るきっかけにもなるので、決して無意味なことではないはず。

誰しも、仕事に忙殺されてしまうと、心や頭が疲れ切ってしまい、YoutubeやTikTokなどで流れてくる情報を、無意識・無感情で見続けてしまったり、時間を無駄に消費しがちです。人間ですから、たまにはそれもいいでしょう。実際、私自身も頻繁にそんな状態に陥っています(笑)。

西澤朋子のお仕事エッセイ

ですが、仕事に追われる時間のなかでも「楽しいこと、面白いことを探そう!」というポジティブな姿勢と好奇心を持って毎日を過ごすことは、日常を自分の手で豊かなものに変えることができる簡単な行動のひとつです。そう、世の中全体の動きなんて大きなスケールでなくても、まずは自分の半径1メートル以内の身の回りの出来事から、楽しいことを探してみるのでもいいでしょう。そうした好奇心は、きっと、同じような気持ちの人々と共鳴し、新しい視野や可能性を拡げてくれるはず。

私たちの予測情報シートは、地道に発信し続けていることで、今ではメディアだけではなく、そのノリと姿勢に共感してくださるクライアントや同業者、さまざまなステークホルダーの方々が参画し、それぞれの垣根を超えて発想を楽しむ大切なパブリックリレーションズのツールとしてすくすくと成長し続けています。

日常生活やビジネスのなかで、楽しさや面白さを見つけることは、共感・共鳴を生み出す源泉となり、何より考え方ひとつで自分自身の人生をときめかせる大切な一歩でもあると思うのです。

西澤朋子プロフィール写真

西澤朋子 (にしざわともこ)

PR会社「WORKING FOREVER」代表/PRプランナー。東京生まれ。食品メーカーで宣伝を担当した経験からPRに目覚める。国内・外資系PR会社を経て大手PR会社経験後に独立。広報部の立ち上げや広報担当者育成まで、企業の広報支援を幅広く行う。社長と話す、人と話す、企業と二人三脚で広報課題に取り組むことが信条。
www.workingforever100years.jp/
Instagram @working_forever

TEXT=西澤朋子

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