「いつか子供が欲しいけど、今じゃない気がする」「いつがベスト?」――実に多くの読者の皆さんからいただくお悩みです。そこでGINGER読者のなかで出産経験のある方を対象にアンケートを実施。今回は、キャリアとのバランスについての回答結果をご紹介します。
Q. 働きながら子育てをしたい女性にとって、出産は早いor遅いどちらがよいと思いますか?
自らの経験を踏まえて、一般論としてどう考えるかを聞いたところ、半数が「どちらとも言えない」と答える結果に。「人それぞれ職場や家庭の環境が違うため」という声が多く寄せられました。しかしなかには、タイミングについてはっきりとした意見がある人も。それぞれの回答理由をみていきましょう。
●「ある程度キャリアを積んだあとに出産したほうがいい」と答えた人の声
出産が遅いほうがよいと答えた人の多くは、やはり復帰後の職場でのポジションや、周囲とのコミュニケーションの取りやすさを理由に挙げています。キャリアの見通しが立っていることで、子供と向き合うスタンスが自然と決まってくるという声も。
「子育てをしていると早退・欠席することがよくあるので、重要な仕事を任せてもらえないこともあるのが現実です。それでキャリアが思い通りに行かなくなったときに、子供のせいにしてしまうことも出てきてしまうかもしれません。できる限りキャリアの見通しが立ってから出産するほうがいいと思います」(32歳/自営業)
「いいポジションに戻るためには、産む前にある程度のキャリアを積む必要があると思います」(34歳/商社)
「自分のキャリアがあまりにも中途半端で、転職するにもかなり難航しています。戻る場所を確保しておくという意味では、ある程度キャリアを積んでおくのは大切だと思いました」(31歳/事務)
「復帰後は子供の発熱や送迎などで周囲に迷惑をかけることがあるので、職場でのコミュニケーションが重要になってきます。ある程度仕事が掴めて、人間関係も形成できてからのほうが、ストレスなく働けると思います」(31歳/IT)
「“子育てが落ち着いてから”と思っても、子供一人ひとりの個性や、周囲の環境によって、“落ち着いた”と思える時期は大きく違ってきます。キャリアを積みたい女性は、ある程度後悔のないようにやり切って、かつ戻れる環境も整えたうえで、出産するのがいいと感じています」(29歳/メーカー)
「自分がどんな仕事をどんなスタイルで続けていきたいか、考えがまとまってから出産をしたほうが、落ち着いて子供や家族との時間を大切にできる気がします」(34歳/自営業)
●「どちらとも言えない」と答えた人の声
100人いれば100通りの答えがあるのがライフプランというもの。「どちらとも言えない」と答えた人の多くが、人それぞれの環境や価値観の違いを理由に挙げています。当然ながら、自分自身を振り返ってもまだ答えは出ないという人が多いようです。
「自分自身はもう少しキャリアを積んでからのほうがよかったと思うこともありますが、それは苦労なく妊娠出産したからであり、不妊の可能性もあったことを思うと、本当に産みたい人は先延ばしにしないほうがいいとも思います」(28歳/IT)
「私は産後は時短勤務で復帰しましたが、フルタイムで働く人より昇格が若干難しくなるため、一度昇格したあとに産休に入れたのは良かったです。でもやはり2人目、3人目を考えると、20代のうちに2人目まで産みたかったとも思います」(33歳/IT)
「キャリアを積んでいるうちにどんどん出産のリミットが近づき、不妊治療などで経費も余計にかかってしまいます。希望の人数を産み終わり、下の子が就学する頃には40代、となると体力的にもメンタル的にもきついです。とはいえ、私も20代半ばまでは、子供を欲しいなどとは考えたこともなかったので…若いうちに切実になるのは難しいのもわかります」(31歳/小売)
「実際に産み育ててみないと、キャリアについては正解が見つかりません。最初から、妊娠できるタイミングや出産後の自分の気持ちに応じて、柔軟にキャリアプランを立てるつもりでいたら、こんなはずではなかった!と思うこともないと思います」(37歳/IT)
「私は子供たちのおかげで心も暮らしもとても豊かになったと感じています。子供がいたら“できないこと”がフォーカスされがちですが、それ以上に子供がいるからこそ“できること”“気がつくこと”もあるし、何にも代えがたい喜びもたくさん味わえます。失うものにフォーカスして不安になる必要はないと思います。人には人のタイミングがありますが、早くても大丈夫!と、背中を押してあげたいです」(39歳/自営業)
「そもそもキャリアとか考えないで好きなタイミングで妊娠くらいさせてほしい! 妊活している人を社会が追い詰めている気がします」(32歳/サービス)
●「早いうちに出産し、子育てが落ち着いてから長く働くほうがいい」と答えた人の声
出産は早めがよいと答えた人のなかで、一番多かったのが体力や妊娠可能性などを考えると若いに越したことはない、という声。特に2人目、3人目を考えている人にとっては、1人目のタイミングは重要です。また、子育てが仕事にプラスの効果をもたらしたという声も。
「出産は体力勝負だから若いに越したことはないと思います」(34歳/金融)
「子育ては大変だけれど、若いほうが体力があるので仕事も手を抜かずに頑張れると思います」(39歳/サービス)
「どんなにキャリアを積んでいても、戻れる場所が確実にあるかはわかりません。結局は長期休暇を取るとリセットされる会社も多いと思います。それなら体力のあるうちに早く産んだほうがいい」(34歳/メーカー)
「独身時代は残業・休日出勤当たり前で働いていましたが、果たしてそれがキャリアのために必要だったかというと疑問です。育休から復帰後、限られた時間で集中して働いている今のほうが、効率は上がっている気がするので、あのとき働き方が変わってよかったと思います。昭和的な価値観の職場では難しいかもしれませんが、仕事の効率や成果をきちんと評価してくれる会社なら、早めに産んだほうがそれも自分の経験としてプラスになると思います」(31歳/広告)
「周りで高齢出産したママたちは、仕事も子育ても半端になってしまって苦労している印象があります。早く子育てしてからのほうが、落ち着いて安心して働けると思います」(38歳/サービス)
「私は20代でキャリアを選んでバリバリ働いていたが、それは子供を産み終わってからでも、家族の協力があればできることでした。今の年齢では2人産むことが限界なので、やはり1人目は早く産む方が自分の体のためにもいいと感じます。早く子育てが落ち着いて、仕事に専念します!と言えたほうが、そこからの仕事人生が充実すると思います」(35歳/サービス)
「若いほうが身動きが取りやすい。中堅になって育休を挟むと昇進のタイミングを逃します」(36歳/メーカー)
いかがでしょうか。早いor遅い、どちらもメリット・デメリットがあることがよくわかります。しかし、もっとも編集担当の心に響いたのは「そもそもキャリアとか考えないで好きなタイミングで妊娠くらいさせてほしい!」という回答でした。本当にそのとおり、男女問わずに子育て世代が働きやすい世の中になれば、タイミングに悩む必要も少なくなってくるはずです。
いつか子育てしたい、と思う人はぜひ、自分の職場がどんなバックグラウンドを持つ人でも働きやすい環境であるか、見極めて。今の職場を少しずつでもいい方向に変えていったり、必要を感じたら転職したり、そうして環境を整えておくことが将来の自分を助けることにつながるはずです。
※この記事はGINGERサポーター(約3,000人)へのアンケートを基に構成しました。