2024年から制度が変わることで、今話題を集めている「NISA」。もし、2023年中にNISAを始めるとしたら? 気になる注意点を解説します。(ファイナンシャルプランナー/花輪陽子)
今年分の一般NISAで駆け込み投資するとしたら
2024年からのNISAの制度改正によって非課税限度額の上限が大幅に引き上がる予定です。現行のNISAでは、年間投資上限額が120万円で非課税保有期間が5年間の「一般NISA」と、年間上限額が40万円で非課税保有期間が20年間の「つみたてNISA」の2種類で構成されています。
現行NISAでは、「一般NISA」か「つみたてNISA」のどちらを利用するかを選ぶ形で、併用はできませんでした。しかし、新NISAでは、一般NISAは「成長投資枠」、つみたてNISAは「つみたて投資枠」と名称が変わり、「成長投資枠」と「つみたて投資枠」との併用ができるようになります。加えて限度額の大幅な引き上げにより、多くの方にとって魅力的な制度になります。
2023年中にNISAを始めれば、今年の分の非課税限度額を利用することができます。そのため、限度額が40万円のつみたてNISAよりも限度額が120万円の一般NISAを活用する方が枠は大きく有利な可能性が高いです。
また、制度改正によってジュニアNISA(18歳未満の未成年向けのNISA)に関しては2023年に廃止になります。ジュニアNISAとは日本に住む、1月1日時点で18歳未満の未成年向けのNISAのことです。2024 年以降廃止になるため、新規に投資ができるのは2023年までで、2024年以降はジュニアNISAの非課税口座では新たな投資ができなくなります。
2023年までに投資をした分に関しては、そのまま成人(1月1日時点で18歳)になるまで非課税で運用し続けることができます。改正によって、ロールオーバーの手続きが不要となり、優先的に継続管理勘定に移管されることになりました。追加購入はできないものの、成人になるまでは非課税枠で運用することができます。
このように、今年の枠を活用したいという方は一般NISAやジュニアNISAを駆け込みで活用するのも手でしょう。