ファイナンシャルプランナーの花輪陽子先生が、最新のマネートピックスを解説! 知っているようで知らないキーワードや、複雑でも私たちの暮らしに直結しているニュースなどを、サクッと整理して学びましょう。
新社会人も、一人暮らしを始める人も、新年度からしっかりと家計管理を始めたいところ。今回は、基本の家計管理術をお伝えします。
ダイエットをするときにまずは体重やサイズを測って目標体重を設定するのと同じで、貯金や節約をしたいなら、まずは現状の数値=支出額を測定することが大切です。でも、毎日家計簿をつけるのはなかなかハードルが高いですよね。
実は家計簿は、毎日こまかくつける必要はありません。一番大切なのは、「支出を把握」するということ。それさえできれば、やり方はなんだってよいのです。
毎日でなくてもいい、全部でなくてもいい
記録が面倒という人は、食費などは1週間だけ記録をし、4倍して概算の月の支出を計算しても大丈夫です。たとえ3日間しか記録が続かなかったとしても、10倍すれば目安にはなります。つけないよりずっと良いです。
また、ほかの支出に不安はないけれど食費だけを節約したいという人は、食費に絞って記録をするのもアリです。とにかくハードルを下げて、今すぐスタートすることが大切です。
必要なのは3ステップ
STEP1:記録の準備をする
まずは家計簿を用意しましょう。紙でもアプリでもOKです。紙の家計簿は、ノートや手帳などでも代用できます。
そして、レシートをもらわずに捨てているという人も、家計簿をつける期間は必ずもらうようにしましょう。コンビニなどのお店でも「レシートをください」と言えばもらえます。お金を使った日付、店舗、買った物、金額が載っているレシートは、支出の情報の宝庫。捨てるのはもったいないのです。
STEP2:すべての支出を記録する
お金を使ったら、使ったときに記録をするのが望ましいです。クレジットカードをメインに使っている人は、カード情報を家計簿アプリにひもづけて、自動的に家計簿を作ることもできます。
手入力の場合は「日付」「支出項目」「金額」を入力しましょう。例えば、4月10日にカフェで300円のコーヒーを買ったとしましょう。その場合は下記のように記録します。
<家計簿への記録の具体例>
日付/4月10日
支出項目/食費
金額/300円
家計簿をつける際に一番迷うのは、支出項目だと思います。支出費目などとも言われ、支出を「食費」「生活用品」「交際費」などのグループに分類することで、「食費が月3万円」などグループごとの集計ができて便利なのです。項目分けの具体例は、紙の家計簿に記載してあったり、インターネット上にも載っていますが、決まりはありません。前述したように食費など気になる項目だけに絞ってもよいので、自分にあった分類を見つけてください。
もっと簡単に済ませたい人は、レシートを支出項目やお店ごとに分けてカゴに入れるおくだけでもOKです。レシートの量だけでも「カフェ代がまずい」と見える化することができます。
STEP3:記録を振り返る
多くの人が家計簿をつけっぱなしにしてしまっていますが、実は振り返りの作業こそが一番大切です。「1週間(3日でも可)」「1ヵ月」など決まった期間で集計をし、カテゴリーごとの支出をまとめましょう。
例えば、3月の食費は3万円、4月の食費は4万円だったとしましょう。月1万円も食費がアップしているので何か理由があるはずです。
家計簿をつけている人はその期間の記録を、レシートを保管している(家計簿はつけていない)人はレシートを振り返ってみましょう。「4月は3月と比べて外食が多かった」など理由が見つかればOK。次の月以降で調整をしましょう。もっと短い期間で振り返りたい人は3日や1週間刻みにしたり、食費など特定の項目だけを振り返るのもOKです。
振り返り作業をすることで、前月比、(長く続けている人は)前年同月比など、過去と現在を比べることができます。続けているうちに「食費はだいたい月3万円」で調整できる、などのリズムができてきます。つまり、支出を上手くコントロールできるようになるのです。
支出を減らすことができれば、自ずと手元に残せるお金が増えます。つまり、毎月の貯金額を増やすことができるようになるのです。無自覚に使っているお金を自覚することによって、支出をコントロールできるようになれば、今までより楽に貯金ができるようになるはずです。
皆さんそれぞれ、自分に合った家計の把握方法を見つけて、新生活に生かしてくださいね。
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