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LIVINGマネー

2020.12.29

東京で子育てするには月収54万円必要?結婚とお金の話について考える

ファイナンシャルプランナーの花輪陽子先生が、最新のマネートピックスを解説! 知っているようで知らないキーワードや、複雑でも私たちの暮らしに直結しているニュースなどを、サクッと整理して学びましょう。
今回は、最近注目を集めている子育てにまつわるお金について。これから結婚・子育てを考えている世代なら必ず知っておきたい話題です。

母の手と赤ちゃんの足

(c)Pixel-Shot/Shutterstock.com

安心して子育てできる収入額は?

先日、東京地方労働組合評議会(東京地評)が最低生計費試算調査をしました。

調査によると、東京都練馬区で子供を普通に育てるためには、税と社会保険料込の収入として、30代で月約54万円(年650万円)、40代で月約62万円(年740万円)、50代で月約80万円(年960万円)が必要という結果に。

しかし国税庁の統計によると、2019年の給与所得者1人あたりの平均給与は年461万円です。男女別では男性567万円、女性280万円。年齢階層別に分けると、男性でも40〜44歳で634万円、45〜49歳で675万円、50〜54歳で717万円と、いずれにしても1人の収入では“子供を普通に育てるために必要な収入”には及ばないことになります。もちろん東京都だけに絞ってみると給与水準は上がりますし、東京地評の調査はあくまで試算なのでもっと節約することは十分可能ですが、子育てをするには相応のお金が必要ということはわかるでしょう。

その一方で、子育て支援のお金は削られつつあります。夫婦のうち一方の年収が1200万円以上の世帯を対象に「児童手当」の特例給付(子供1人あたり月5000円)が、2022年10月支給分から廃止されることになったのです。

ちなみに児童手当とは、子供の父母いずれかのうち生計中心者である1人の収入が限度額未満であれば、子供1人あたり3歳未満で月1万5,000円、3歳以上は月1万円(第3子以降は小学校修了前まで1万5000円)の給付を受けることができる制度です。所得が限度額を超えている世帯にも「特例給付」として子供1人当たり一律月5,000円が支給されています。今回この「特例給付」を受けている世帯の一部が、児童手当の対象外となるということです。

年収1200万円というと十分な収入に感じる人も多いかもしれませんが、報道によると都内で子育てをしている世代からは「年収1000万円あっても2、3人を育てるのは苦しい」という声もあり、特例給付の廃止が高所得者層の産み控えにつながる可能性はあるといえるでしょう。

また児童手当については、所得制限の算定基準についても、父母のうち所得の高い1人の年収で判断するという現行の方式から、世帯収入(2人)で判断する方式への変更が検討されていましたが、それは見送りとなりました。合算となれば限度額を超えてしまう共働き世帯が多数出てきてしまうため、戸惑いや反発の声が多く上がっていました。見送りとなったことで、今のところは夫婦のどちらか片方がたくさん稼ぐより、夫婦でバランスよく共働きをしたほうが制度的な優遇が多いという仕組みが維持されることになったのです。

前述の通り、1人の収入では子育てをするに必要な額をまかなうことが難しいため、子育てをするなら間違いなく共働きが理想的です。しかし、子育て支援が削られつつあることもあり、共働きであったとしても安心はできません。将来に備えて、上手に貯金や資産運用などを行っていきましょう。

TEXT=花輪陽子

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