暮らしを豊かにする情報には常にアンテナを張っておきたいもの。フリーライターの和多亜希さんが、取材から得た今知っておきたい情報をご紹介。
コロナ禍で日々の運動不足を感じている女性も多い様子。都市で生活していると何かと我慢することも多く、弾け切れずに悶々としているのでは?
2004年にユネスコ世界遺産にも登録された熊野古道は、訪れるなら外国人観光客の少ない今が狙い目。森の中を歩けば、煩雑な日常を忘れ、リフレッシュできることこの上なし。なにより古代から多くの旅人が参詣した同じ道を歩くという巡礼体験にワクワクするはず!
中辺路ルートをガンガン歩く
熊野古道とは熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)の霊場へと通じる参詣道の総称のこと。いくつものルートがあるが、熊野三山の聖域の始まりとも言われる滝尻から本宮へ向かう中辺路ルートがおすすめ。約38kmというロングコースとはいえ、人気のルート。1日歩き通してもたどり着けないからこそ、到着した時の達成感は代え難い体験になるはず。途中宿泊しながら、ゴールの本宮を目指して歩きたい。
魅力的な宿泊施設では思いのままに
中辺路ルート沿いに、女性が気軽に宿泊できる魅力的な「セン・リトリート」の宿泊施設が続々オープン。昨秋、滝尻から2時間ほどで到着する「高原」に一棟貸しの古民家宿が、さらにこの春には高原から4時間ほど歩いた「近露」にコンテナヴィラがオープン(コンテナヴィラについては次回紹介)。さらに「渡瀬」と、本宮と新宮をつなぐ途中の「小口」にもオープン予定。
セン・リトリートは無人運営。タブレットによりオペレーターと通話するシステムで、チェックイン&チェックアウトが可能なうえ、食事もご当地の食材によるBBQスタイル。自分たちだけの空間で、自分たちのペースで過ごすことができるのも魅力的。
熊野古道の道中のお愉しみ
熊野古道には熊野の神を祀ったお社「熊野九十九王子」が点在。途中途中にある王子を目印に歩くのも乙なもの。
また、苔むした石畳の街道には季節の草花も咲いていれば、サワガニが横切る姿を目にすることも。アップダウンの多い山中を分け入るので、途中で雄大な景色を一望できる展望台もあるなど、飽きることはないはず。
やはりゴールは聖地の熊野本宮大社
全国の熊野神社の総本宮にあたる熊野三山。なかでも檜皮葺の古式ゆかしい雰囲気を漂わせるのが熊野本宮大社で、1995年には社殿が国の重要文化財に指定されたそう。本宮の地に神が祀られたのは、今からおよそ2000年前の第10代崇神天皇の世と言われ、主祭神は樹木を支配する家津美御神(けつみこのかみ)で、素戔嗚尊(すさのおのみこと)の別名とも言われる。
現在の熊野本宮大社は明治22年の大水害後に水害を逃れた4社を現在の場所に遷座したのだとか。旧社地は500mほど離れた大斎原(おおゆのはら)にあり、ここには日本一の大鳥居が神々の神域の入り口としてそびえたち、近年はパワースポットとして人気。本宮参拝後に寄ってみては?
*出発地点の滝尻までは、JR紀伊田辺駅、南紀白浜空港からそれぞれ路線バスあり。
*熊野本宮大社の周囲には温泉が点在し、旅の疲れを癒してから帰路に就くのもおすすめ。
参考/熊野本宮観光協会ホームページ