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LIVING趣味

2022.01.12

これだけは訪れたい!2022年の注目イベント【水曜夜はアートの話を】

美術を面白おかしく、わかりやすく解説する“アートテラー”として活躍するとに~さんによる連載。読者の皆さまからの質問も随時受け付けています! 今回は2022年おすすめの展覧会をご紹介。

ゲルハルト・リヒター《ビルケナウ(937-1)》

ゲルハルト・リヒター《ビルケナウ(937-1)》 2014年 ゲルハルト・リヒター財団 油彩、キャンバス 260×200cm (c) Gerhard Richter 2022 (07062022)

こんばんは。アートテラーのとに~です。昨年も大変お世話になりました。今年も楽しくアートの情報を発信してまいりますので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。

さて、本年も日本各地の美術館・博物館で、たくさんの展覧会が予定されています。昨年に引き続き、多くの展覧会が事前予約制を導入する見込みですので、慎重に計画を立てておきたいところです。そのお役に少しでも立てるよう、本日はアートテラーとして注目している展覧会の数々を紹介したいと思います!

あの現代アートの巨匠がついに降臨!

間もなく開幕予定の『フェルメールと17世紀オランダ絵画展』(1月22~4月3日/東京都美術館、以降巡回)に、大英博物館から作品が里帰りする『北斎展』(4月16日~6月12日/サントリー美術館)、日本での回顧展は実に32年ぶりとなる『ガブリエル・シャネル展』(6月18日~9月25日/三菱一号館美術館)。見逃せない展覧会は多々ありますが、個人的にもっとも注目しているのは、東京国立近代美術館と豊田市美術館で開催予定の『ゲルハルト・リヒター展』です。

ゲルハルト・リヒター展

『ゲルハルト・リヒター展』メインビジュアル

ドイツが生んだ現代アートの巨匠ゲルハルト・リヒター。今年で90歳を迎える現代アート界の生ける伝説です。そんな彼の初期の作品から近作まで、60年にもおよぶ画業を紹介する大回顧展となっています。特に注目すべき作品は、《ビルケナウ》。近年のリヒターを語る上で外せないこの大作が初来日を果たします。

ゲルハルト・リヒター《ビルケナウ(937-2)》

ゲルハルト・リヒター《ビルケナウ(937-2)》 2014年 ゲルハルト・リヒター財団 油彩、キャンバス 260×200cm (c) Gerhard Richter 2022 (07062022)

なお、リヒターといえば、2012年にロンドンで開催されたオークションにギタリストのエリック・クラプトンが所有していた抽象絵画が出品された際には、存命のアーティストの作品では史上最高額となる約26億9000万円(2012年当時)で落札され、大きな話題となりました。そう考えると、今回出展される作品は総額いくらくらいになるのでしょうか…?

ちなみに、2020年に香港で開催したオークションに出展されたリヒターの《Abstraktes Bild (649-2)》という作品は、アジアのオークションに出品された西洋のアーティストの作品として、当時の最高価格となる約30億円で落札されています。この作品を購入したのは、なんと箱根仙石原にあるポーラ美術館。今年4月から開催される『モネからリヒターへ―新収蔵作品を中心に』で初公開される予定です。

2022年の顔は、早くもリヒターで決まりでしょうか。

『ゲルハルト・リヒター展』
会期/2022年6月7日~10月2日(東京)、10月15日~2023年1月29日(愛知)
会場/東京国立近代美術館(東京都千代田区北の丸公園3-1)、豊田市美術館(愛知県豊田市小坂本町8-5-1)
https://richter.exhibit.jp/

150周年のメモリアルイヤー

『特別展 国宝 東京国立博物館のすべて』

東京国立博物館創立150年記念キーヴィジュアル

収蔵品の数は約12万件。言わずと知れた日本を代表するナショナルミュージアム、東京国立博物館。通称トーハクが今年3月にめでたく創立150周年を迎えます。それを記念して、150周年特設サイトがすでにオープン。こちらでは、記念動画も公開されています。

もちろんネット上だけでなく、リアルでもさまざまな催しが予定されているそう。数々の特集展示やガイドツアーなどのイベントが企画されているようです。さらに、特別展も例年以上に豪華ラインナップ! 1月14日より開幕の『ポンペイ展』を皮切りに、『空也上人と六波羅蜜寺』(3月1日~5月8日)、『特別展 琉球』(5月3日~6月26日)といった話題の展覧会が控えています。

埴輪

《国宝 埴輪 挂甲の武人》東京国立博物館蔵 群馬県太田市飯塚町出土 古墳時代・6世紀

個人的に特に注目しているのは、10月18日から開催予定の『特別展 国宝 東京国立博物館のすべて』。トーハクが所蔵する国宝89件を一挙公開するというスペシャルな展覧会です(会期中展示替えあり)。それらのなかには、教科書で見たことがある埴輪や、『刀剣乱舞』ブームで人気が不動となった《三日月宗近》も。

太刀三条宗近

《国宝 太刀 銘 三条》(名物 三日月宗近)東京国立博物館蔵 渡邊誠一郎氏寄贈 平安時代・10~12世紀

日本の文化の底力を知る、またとない一年になりそうです。

『特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」』
会期/2022年10月18日~12月11日
会場/東京国立博物館(東京都台東区上野公園13-9)
https://www.tnm.jp/150th/news/20211208-1.html

2022年は大阪が熱い!

近年、あべのハルカス美術館や中之島香雪美術館といった新たな美術館が誕生し、今年2022年には藤田美術館や山王美術館がリニューアルオープンする大阪。今や大阪市は、東京の上野や六本木に負けない、日本を代表するアートタウンとなっています。
大阪中之島美術館
そんな大阪に今年2月、ついに大阪中之島美術館がオープン! 実はこの美術館、構想が発表されたのは1983年。そこから紆余曲折、約40年の準備期間を経て、悲願の開館を果たすのです。

超コレクション展ポスター

『Hello! Super Collection 超コレクション展 ―99のものがたり―』ポスタービジュアル

そのオープニングを飾るのが『Hello! Super Collection 超コレクション展 ―99のものがたり―』という展覧会。これまでに収蔵した6000点を超えるコレクションから、佐伯祐三やロートレック、マグリットなど約400点の代表的な作品を選び、一堂に公開するものです。解説も通常のスタイルではなく、99個の「ものがたり」形式となっているとのこと。どんな物語が披露されるのか楽しみです。

マリー・ローランサン《プリンセス達》

マリー・ローランサン 《プリンセス達》 1928年、大阪中之島美術館

なお、4月9日からは『開館記念特別展「モディリアーニ」』、7月23日からは『展覧会 岡本太郎』が予定されています。行かなアカン展覧会ばかりです。

『大阪中之島美術館 開館記念「Hello! Super Collection 超コレクション展 ―99のものがたり―」』
会期/2022年2月2日〜3月21日
会場/⼤阪中之島美術館 4、5階展示室(大阪府大阪市北区中之島4-3-1)
https://nakka-art.jp/

皆さまからの質問大募集!

「デートにピッタリの美術館は?」「カフェがオススメの美術館って?」という具体的な質問から、「現代アートって、何が面白いの?」「何であんなに美術品って高いの?」「ピカソってすごいの?」という誰にも聞けなかった質問まで。
GINGERの問い合わせフォームから何でもお寄せくださいませ。わかりやすく、お答えします。

アートテラー・とに〜の【水曜夜はアートの話を】をもっと読む。

TEXT=アートテラー・とに〜

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