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LIVING趣味

2021.12.08

三者三様に面白すぎる!女性アーティストの展覧会【水曜夜はアートの話を】

美術を面白おかしく、わかりやすく解説する“アートテラー”として活躍するとに~さんによる連載。読者の皆さまからの質問も随時受け付けています! 今回は女性アーティストによる注目の展覧会をガイド。

久保田成子展

『Viva Video! 久保田成子展』より

こんばんは。アートテラーのとに~です。
先日、拙著『名画たちのホンネ』のAmazonレビューを何気なく覗いてみたら、「最悪の本:絵画の解説本のつもりで買ったら殆ど画像が無い。詐欺にあったみたい!」と投稿されていました。いや、まぁ、感性は人それぞれなので、百歩譲って「最悪の本」だったのは仕方ないですが、詐欺扱いはあんまりです。取り上げた美術品はすべて画像を掲載しているので! その著作権料の関係で、僕の印税は減っているので!……すいません。当たり屋のような風評被害を受けて、つい思わずホンネが漏れ出てしまいました。
さて、今年も残すところあとわずか。今年のアート納めに、注目の女性アーティストの展覧会はいかがでしょうか?

忘れられていたヴィデオ・アーティストに再び脚光が!

現在、東京都現代美術館で開催されているのは『Viva Video! 久保田成子展』という展覧会。知る人ぞ知るヴィデオ・アーティスト、久保田成子(しげこ)の没後初、日本では約30年ぶりとなる大規模展覧会です。草間彌生さんやオノ・ヨーコさんらと同世代で、若き日よりヴィデオ・アートの先駆者として活躍しながらも、夫である“ヴィデオ・アートの父”ナム・ジュン・パイクが病気に倒れてからは介護に専念。美術界の華やかな表舞台から身を引き、いつしか忘れられた存在となってしまいました。

久保田成子展

久保田成子《デュシャンピアナ:階段を降りる裸体》1975-76/83年

本展では、そんな久保田の先進性を余すことなく紹介しています。彼女が何よりも画期的だったのは、「ヴィデオ彫刻」を生み出したこと。多くのヴィデオ作家がヴィデオの内容、いうなればソフト面ばかりを重視し、作品そのものの造形性、つまりはハード面に関心を払っていないことに不満を抱いた彼女は、映像と彫刻を組み合わせる「ヴィデオ彫刻」という、コロンブスの卵的なアート作品を次々と発表し、当時のアートシーンに大きな衝撃を与えたのでした。

久保田成子展

久保田成子《韓国の墓》1993年

フィルムカメラが一周回って新しく感じられている昨今。懐かしのブラウン管を用いたアート作品も、一周回って新しく感じられるかもしれません。

『Viva Video! 久保田成子展』
会期/2021年11月13日(土)〜2022年2月23日(水祝)
会場/東京都現代美術館 企画展示室 3F(東京都江東区三好4-1-1)
https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/shigeko_kubota/

おとなは、ながい。相当ながい。

グランマ・モーゼス展

アンナ・メアリー・ロバートソン・“グランマ”・モーゼス 《アップル・バター作り》1947年 個人蔵(ギャラリー・セント・エティエンヌ、ニューヨーク寄託) (c)2021, Grandma Moses Properties Co., NY

世田谷美術館にて2022年2月27日まで開催されているのは『グランマ・モーゼス展―素敵な100年人生』。アメリカでは知らない人がいないほどの国民的画家“グランマ・モーゼス(モーゼスおばあさん)”ことアンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼスの、日本では実に16年ぶりとなる回顧展で、最初期の作品から101歳で亡くなる数ヵ月前に描かれた絶筆、さらに愛用品や関連資料など、日本初来日を含む約130点を展示するものです。

彼女の絵はお世辞にも巧いとは言えません。それもそのはず。農婦であった彼女が本格的に絵を描くようになるのは、70代半ばでのこと。子どもたちが巣立ち、夫が先立ち、リウマチで動かなくなった手のリハビリを兼ねて独学で絵を描き始めました。あまりに素朴な絵ゆえ、当然当初は見向きもされませんでしたが、とあるアートコレクターの目に彼女の作品が留まったことで人生が一転! 80歳でNYにて個展デビュー。以降、全米各地で展覧会を開催し、時の大統領トルーマンから表彰を受け、『TIME』誌の表紙を飾るまでになります。しかし、どんなに有名になっても、モーゼスおばあさんはその堅実な生き方を変えなかったそうな。

グランマ・モーゼス展

アンナ・メアリー・ロバートソン・“グランマ”・モーゼス 《シュガリング・オフ》1955年 個人蔵(ギャラリー・セント・エティエンヌ、ニューヨーク寄託) (c)2021, Grandma Moses Properties Co., NY

80歳でブレイクだなんて、人生って何があるかわかりませんね。今人生に満たされていないというアラサーの皆様、50年後にチャンスがやってくるかもしれませんよ!

『グランマ・モーゼス展 ― 素敵な100年人生』
会期/2021年11月20日(土)〜2022年2月27日(日)
会場/世田谷美術館 1階展示室(東京都世田谷区砧公園1-2)
https://www.grandma-moses.jp/

クスっと笑えて、オッと驚けて

福田美蘭展
この秋、千葉市美術館で開催されているのは『福田美蘭展 千葉市美コレクション遊覧』です。現代アートの第一線で、独自の立ち位置で活躍し続ける作家、福田美蘭さん。首都圏では8年ぶりとなる大規模個展です。

現代アート界きってのアイデアウーマンで、斬新な発想でクスっとできる作品を次々に発表している福田さん。今展は、日本美術をモチーフにした作品に絞って構成されています。

たとえば日本美術ではわりとポピュラーな《誰が袖図》。衣桁(=衣服を掛ける家具)や屏風にたくさんの衣裳を掛け並べた様子を描いた絵画作品のことを指しますが、その伝統的な画題を福田さんが描くと…間違いなく、ディズ〇ーキャラたちが着替えを済ませたな、という絵になります。これはぜひ実物を観ていただきたい!

また、浮世絵師・東洲斎写楽の有名な役者絵を彼女がネタにするとこんな作品に。
福田美蘭展
役者絵で描かれたシーンは、実際の舞台上ではこんな感じだったはず、と想像して制作した作品です。
何よりも驚かされるのは、福田さんがこれらの作品を自分の手で描いているということ。ディズ〇ータッチの絵も手描きなら、役者の姿も手描き。これほどの写実の能力があれば、それだけで十分食べていけるのに。あえて画力で勝負せず、アイデアで勝負するところに感銘を受けます。アイデア豊富の実力者。美術界のバカリズムさんです(←?)。

『福田美蘭展 千葉市美コレクション遊覧』
会期/2021年10月2日(土)〜12月19日(日)
会場/千葉市美術館(千葉県千葉市中央区中央3-10-8)
https://www.ccma-net.jp/exhibitions/special/21-10-2-12-19/

皆さまからの質問大募集!

「デートにピッタリの美術館は?」「カフェがオススメの美術館って?」という具体的な質問から、「現代アートって、何が面白いの?」「何であんなに美術品って高いの?」「ピカソってすごいの?」という誰にも聞けなかった質問まで。
GINGERの問い合わせフォームから何でもお寄せくださいませ。わかりやすく、お答えします。

アートテラー・とに〜の【水曜夜はアートの話を】をもっと読む。

TEXT=アートテラー・とに〜

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