テレビ番組「マツコの知らない世界」でマツコ・デラックスさんにも驚かれた忘れられないマニア3組の今を取材。今回は昭和ポップス研究家のさにーさんが登場。
昭和の音楽に出合う前の自分が思い出せない!
「『若いのに昭和好き!?』と驚かれる20代のうちに、自分が昭和の名曲をPRしたい」。そう考えたさにーさんは、2018年に大好きな「昭和ポップス」の情報をまとめたサイトを制作。
「西城秀樹さんが亡くなったとき、焦ったんです。魅力的な歌手が、ライブをやっているうちに、若い人に気が付いてもらわなければと」
「昭和歌謡」では、演歌と思われることもあり「昭和ポップス」という言葉を自ら編み出したそう。海外の音楽の要素を日本らしく取り入れた1965年〜’80年代くらいの大衆音楽を指し、そのワードをもって「マツコの知らない世界」出演以降、さらに普及活動の幅は広がっているとか。
「K-POPが好きなら少年隊、邦楽ロック好きならゴダイゴ、あいみょん好きなら吉田拓郎を聴いてください。世界が変わりますよ」
さにーさんが語る「昭和ポップス」の推しポイント
1つの歌に叡智が結集!
1人の歌手がすべてを手がける今の手法と違い、作詞、編曲など分業制でそれぞれのプロが集結。化学反応が起こる。
想像させる歌詞がヤバい!
多くを語らない歌詞から想像が膨らみ情景をイメージできる。コンプラ的に現代では歌えないような歌詞も昭和ならでは。
計算しつくされている!
ネットのない時代、人気を得るには「大衆」を狙うのみ。「この歌手にこの歌詞を歌わせギャップを狙う」など考え抜かれた曲に。
ヘビロテ確実!初めてでもハマれる3曲
〈左〉「カサブランカ・ダンディ」(沢田研二)
とにかく、彼の美しい見た目。美男子が好きな方はぜひYouTubeで検索してください。男の色気がだだもれで、現代では歌えないような歌詞にも悲哀が。
〈中央〉「初恋」(村下孝蔵)
1983年のフォークですが、実は’83年はすでにフォークブームは終わっています。しかしヒットし、今も聴かれている。それだけ普遍的な曲だと言えます。
〈右〉「真夜中のドア~stay with me」(松原みき)
今、シティ・ポップといわれアジア各国でYouTuberたちがカバーしています。Apple Musicでは92ヵ国でトップ10入りし大ブームを巻き起こしています
さにー
15歳で尾崎豊に目覚め、21歳でYouTubeで見つけた中森明菜「十戒(1984)」にドハマり。光GENJI、沢田研二、西城秀樹と次々にハマり、レコードを集めながらゆかりの地をめぐり研究。この頃の音楽をひとことで言い表す言葉を探し続け、「昭和ポップス」という言葉にたどり着く。2018年、西城秀樹さんの死に衝撃をうけ、それまでの研究をまとめたサイトをローンチ。それが「マツコの知らない世界」(TBS)の目にとまり出演。以降「平成生まれの昭和ポップス好き」としてメディアやイベントに出演。