旬野菜を使った料理や、季節に合わせたメニューやフードを、フードライターの坂本ちなみさんがご提案。豆腐の魅力にどっぷりハマっている坂本さん。これまで豆腐を使ったアレンジ料理や、手作り豆腐の作り方をご紹介してきましたが、今回はおからを使ったアレンジ料理5選をお届け。
いつも手軽に買えるから、突き詰めて考えたことがなかったけれど、豆腐の持つその魅力、あらためて知ると奥が深くてすっかり虜になってしまった。お店のようにはうまく作れなくても、前回の記事でご紹介した通り、その気になればおうちでも立派な豆腐が出来上がる。自家製だと豆の味がダイレクトに伝わってくるし、おぼろ豆腐なども柔らかさを調整できるので、益々満足度が高くなる。
我が家では3〜4日に一度くらいは大豆を浸漬するのが習慣になってきた。4日分作り置きして毎日半丁くらいずつ食べるとすると、1回に浸漬する大豆の量は約600g。一晩水に浸けて3倍ほどになった大豆を粉砕し、かき混ぜながらじっくり煮たあとサラシで豆乳を絞ると、美味しそうな「おから」が出来上がる。その量が驚くほど大量! え~、こんなにもおからが出来るなんてまったく想定外だった! これが、初めて作ったときの感想です。
そこで今回は、おからを使ったメニューをお届け。おからをプラスするだけで栄養価がぐんと上がる、しかも豆のコクが加わって美味しくなるのだから一挙両得。皆さんもぜひ試してみてくださいね。
おからのパウンドケーキ
写真は、おからとさつまいものパウンドケーキ。
薄力粉の分量を減らして、おからとさつまいもで補うというヘルシーなケーキ。お好みで、さつまいもをかぼちゃやバナナに変えてみたり、無花果や栗を忍ばせてみたり。季節に合わせて楽しみたい優しいスイーツ。
おからと豆腐のドーナツ
おからも豆腐も味の主張が慎ましやか。とっても控えめな特徴を生かすと、実はスイーツにもうってつけなのだ。棒状に作ったドーナツには、ゴマやナッツでアクセントを。すべての材料を混ぜ合わせて揚げるだけなので、とても簡単!
●材料(つくりやすい分量)
おから 70g
水切り木綿豆腐 70g
マッシュさつまいも 70g
小麦粉 50g
きび砂糖 30g
卵 1個
ベーキングパウダー 2g
〈トッピング〉
ごま、かぼちゃの種は揚げる前に生地につける。
きび砂糖(分量外)は、揚げてからまぶす。
*豆腐が入っている分、生地が柔らかくなり真っ直ぐに成形しにくいので、細長く切ったクッキングシートの上に生地を絞り、そのまま揚げる。揚げているうちにクッキングシートから生地が外れるので、シートは取り出し、生地はひっくり返して全面均等に色付くように揚げる。
昔ながらの味「おからの煮物」
「これがあるとホッとするおかず10選」を書くとしたら間違いなく入選! だしの味が染み込んだふんわり優しいおから、一口食べると想像力が増していくのがわかる。アイデアの広がりと密接に関係しているのだ。
おからコロッケ
おからの煮物は作り過ぎるくらいがちょうど良い。いや、作り過ぎなきゃいけない(笑)。上の写真は、おから煮物にカニカマをプラスしてコロッケのタネを作ったところ。
*もちろんこのまま冷凍しておいてもOK。
*線を入れておくと分量が均等になり取り出しやすい。
おからの奥ゆかしさを汲み取って、形はコロコロっと小さめに成形。冷めてもじんわり美味しい、お弁当のおかずにも好都合です。
おからのサモサ
先ほどのコロッケを作った時点で、“おからの煮物”は無くなっていると想像がつくけれど、もし、もし、万が一まだ残っているようなら、ぜひこちらも作ってみて欲しい。
1. 包丁やハサミを使って春巻きの皮を長細く3等分する
2. 皮の端っこにスプーンでおから煮物を置く
3. 三角形を作るようにくるくる巻いていく
4. 油で狐色に揚げる
出来上がり!
おからを使ったスイーツや簡単おかず、いかがでしたか。どんな料理にも合う清くてたおやかなとっておきの個性、まだまだ掘り下げたいところ。来週もどうぞお楽しみに。
●これまでご紹介した豆腐アレンジ料理もチェック!