旬野菜を使った料理や、季節に合わせたメニューを、フードライターの坂本ちなみさんがご提案。今回は、豆腐を使った料理10選。献立のレパートリーを広げてくれるアイデアに注目です。
揚げ出し豆腐+中華スープ
買い物に行けない日でも、豆腐さえあればちょっと気持ちが軽くなる。買い置きできて用途の幅も広い。献立が浮かばないときは豆腐とにらめっこ。煮ても焼いても蒸しても潰してもそのままでも柔軟性抜群。しなやかに華麗に料理となってくれる。
写真は、2㎝角にカットした豆腐に片栗粉をまぶして揚げたもの。あらかじめ作っておいた中華スープに浸して焼き海苔をトッピング、白ごまを振りかけ胡麻油をひと回ししたら出来上がり。なんて美味しいんだ!(笑)
豆腐の信田巻き
私の住んでいる地域ではこの日、雪が降っていた。窓から入る青い光が、外の寒さを吸収して空気を透き通らせている。しんと静まり返ったなか、そっと差し出す信田巻きが光って映る。光を見ていると、ふとチャールズ・パーシー・スノーの言葉「空っぽのクリケット場で極上の紅茶を飲むこと。これこそ人間に残された究極の楽しみだと思う」を思い出した。2021年1月現在の私の気持ちはさしずめこんな感じ「コロナ禍で味わう極上の信田巻き、これこそおうち時間に残された究極の楽しみ」。
●作り方
1. 開きやすいようお箸をコロコロ転がした油揚げを、熱湯に潜らせ油抜きしたあと3辺を切って広げておく。インゲン豆と長細くカットしたニンジンは下茹でする。
2. しっかりと水切りした木綿豆腐と摺り下ろして絞ったレンコンをボウルの中で混ぜ合わせ、そこへ卵白、生姜の絞り汁、塩、片栗粉を加えよく混ぜる。
3. 開いた油揚げの片端2㎝程度を空け、2を満遍なく広げて平らにしたら、野菜類を適当に間隔を開けて並べ、海苔巻きのようにくるくる巻いていく。(空けた2㎝が巻き終わりになるように巻いていく)
4. 3の巻き終わりを下にして、10分程度蒸す。
5. 鍋に、白だし、酒、みりん、醤油、砂糖、塩を入れて火にかけ、そっと4を入れて煮汁をかけながら煮込んで味を含ませる。
6. 残った煮汁に水溶き片栗粉を加えてあんを作る。食べやすい大きさに切った5を器に盛り、あんをかけたら出来上がり。
豆腐ハンバーグ
我が人生でなかなかのリピート率を誇る豆腐ハンバーグ、見た目とは裏腹に繊細な味わい。ひじき、ニンジンの食感も好きだ。そうそう、ハンバーグを作るときに使う豆腐は、1度固めてから崩し再び絞って凝固させている木綿豆腐が向いていると思う。舌触りも食感もホロホロ感も丁度いいのだ。
豆腐の2種味噌田楽
水切りした絹ごし豆腐を両面カリッと狐色に焼いて、2種の田楽味噌を塗るだけ!で、こんなに美味しいなんて!
(味噌を塗ったあとオーブンで再度焼くと香ばしくてさらに美味)
※田楽味噌材料(鍋に入れ、弱火にかけて仕上げる)
柚子味噌/白味噌、みりん、砂糖、柚子皮の摺り下ろし、柚子の絞り汁
赤味噌/赤味噌、酒、みりん、砂糖
豆腐バンズ風
ボウルに潰した絹ごし豆腐、溶き卵、塩を入れて混ぜ合わせ、セルクルを使って丸く焼く。底が焼けたらセルクルを外してひっくり返し、もう片面も焼く。好みの具材を挟んで、ハンバーガーのように盛りつけたら出来上がり。ヘルシー!
※写真の具材は、リーフレタス、ニンジン、きんぴらごぼう、自家製ドレッシング
豆腐とキノコの葛煮込
安らぎを生む春菊の歯応え、じわじわ旨味を醸し出す丹波しめじ、気の利いた柚子の香り、ここはまさに豆腐の特等席。吉野本葛で煮込んだ味わいは、何ものにも代えがたい。
豆腐の手作りがんも
旬のごぼうも入れてみた。春を待つ気持ちを込めて枝豆も加える。冬の代表根菜ごぼうと、春をイメージさせる枝豆との美味しいコラボレーション。潰した水切り木綿豆腐と山芋の摺り下ろしは相性がいい。かたさの加減を見ながら溶き卵を少しずつ加える。塩で調味したら丸めて揚げる。至福のときが待っている。
玉ねぎドレッシング豆腐
絹ごし豆腐を一旦熱湯に潜らせてから冷ます。湯がいて細かくしたブロッコリーと砕いたナッツをトッピング。摺り下ろし玉ねぎと醤油、ハチミツ、オリーブオイル、黒酢で作ったドレッシングでいただく。きめ細やかな絹ごし豆腐の滑らかな食感が味わえる優しい一品。
焼き豆腐の生春巻き+豆腐ドレッシング
●作り方
1. しっかり水切りして細長くカットした木綿豆腐を、ごま油を引いたフライパンで焼く。
2. チシャ菜、湯がいたニンジン、キムチ、焼いた豆腐を、水に潜らせたライスペーパーで巻く。
3. 2を食べやすい大きさに等分する。大き目の皿に盛り、豆腐ドレッシングを円を描くように回しかけ、黒ゴマをあしらえば出来上がり。
※豆腐ドレッシングの材料(フードプロセッサーで仕上げる)
絹ごし豆腐、オリーブオイル、酢、レモン汁、マスタード、ハチミツ、塩
照り焼き豆腐サンドイッチ
水切りした絹ごし豆腐を薄くカットする。油を引いたフライパンで両面こんがり焼き、照り焼き風に仕上げたものを千切りキャベツ、マスタードとともにパンで挟む。あとはホットサンドメーカーで焼くだけ。かなりヘルシー! ダイエッターさん、試してみてね!
今回の豆腐レシピ10選、いかがでしたか? そうそう、忘れてはいけないのが、今まさに注目されている凝固剤グルコノデルタラクトン。豆腐を固める際に使われる“にがり”をグルコノデルタラクトンにすることで得られる「グルコン酸」が、大腸のはたらきを改善するといわれています。腸内環境を整え、エネルギー源の「酪酸」を増やしたい方は購入時に表示をチェックしてみてくださいね。