こんにちは。お料理担当の坂本ちなみです。今回は、お正月にお役立ていただける手軽に作れるアレンジ紅白なますと、少量ずつの小ぶりな重箱盛りのコツをお届けします。テーブルが華やかになりお祝いムードが高まりますので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
おもてなしにふさわしい、幸福感あふれる盛りつけ
1.金時人参と大根は、写真のように同じ大きさにカットして熱湯にくぐらせ、柔らかくしておきます。(写真上)
2.スライスした大根をまな板の上に並べ塩をまぶして数分置き、水分が出たらキッチンペーパーなどで拭き取り、①を巻きます。(写真左下)
3.細長くカットした昆布で②を巻いたら、調味液につけておきます。(昆布はお出汁をとった後のものを再利用します)
甘酢調味液
昆布だし 1/3カップ
米酢 1/3カップ
砂糖 大さじ3〜4(甘さはお好みで)
塩 小さじ1/3
昆布の旨みがじんわりと野菜に伝わり、美味しい一品に仕上がります。また、紅白の色合いを薄い大根で巻き込むことにより繊細な印象になり、おもてなし感が出ます。人参の優しい歯ごたえと、大根のシャキッとした凛々しい歯ごたえが重なり、食感もユニークに。
小ぶりサイズの重箱に詰めてみました。アレンジ紅白なますは、上から見ると着物をイメージさせる佇まいです。
気持ちを引き締めてくれるかのように昆布が帯の役目を担い、野菜を包み込んでいます。詰めるコツは隣にまったく形状の違うものを並べること。そうすると、お互いに引き立て合いフォルムが醸し出すコントラストを楽しむことができます。今回はぼたん百合根を盛り付けてみました。年始のお客さまへのおもてなしにもぴったりの組み合わせです。
お一人様用の重箱は、4,5寸(約14cm 美濃焼・紅小花)を使用しました。
いろいろ試した中で一番詰め易かったように思います。おせち料理のみならず、お花見や行楽にも役立ちます。下の写真に詰めたおせちも同じ陶器の重箱を使っています。
おせち料理は、正月三日間家人が家事をしなくてもいいように日持ちできる食材を詰め合わせると解釈されていますが、本来は年神様をお迎えする三日間は台所での煮炊きなどをせず物音を立てないよう静かに過ごすという神様への配慮の意味が込められているのだと、小さい頃祖母から聞いたことがあります。
お正月まであと少し。下準備など逆算しながらおせち料理作りをお楽しみ下さいね。また、念の為おせち料理にはさまざまな決まりごとがあるので、おさらいの意味も含めて書かせていただきますね。
壱の重は黒豆、ごまめや数の子など子孫繁栄を表す口取り、弍の重には焼き物煮物など、参の重は酢の物を中心に、与の重には山のものと海のものが出合う場所となるよう里芋や牛蒡、海老などを組み合わせます。
食材の色合いや詰める量にもよるため、なかなか上記のような決まり通りにはいかないのですが、昔ながらのしきたりを知っておくと、一層味わい深くなり感謝の気持ちも生まれてくると思います。
さて、2週にかけてご紹介した華やかなお祝い料理いかがでしたか。こちらが、2019年最後の記事となります。みなさま、1年間ご閲覧いただき本当にありがとうございました。2020年も引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
良いお年をお迎えくださいませ。感謝を込めて。