生涯でもう一度食べたい、衝撃的な感動~多部未華子の読書案内

小説から漫画までジャンルを問わず、本好きとして知られる女優の多部未華子さん。アラサーの彼女が、同世代女子からの本選びの相談や質問に応えて、オススメ本を紹介します。    

Q. アラサー女子からのリクエスト   

ステイホームで料理に目覚めました。
「食」の楽しさが広がる本を読みたいです

コロナの影響でおうち時間が増えてから、今までさぼり気味だった自炊に目覚めました。しかし料理のレパートリーが少なく、だんだんとキッチンに立つモチベーションが下がってきてしまい・・・。もっと美味しいものを作りたくなるような、やる気が湧いてくるような、「食」について書かれたおすすめ本を教えてほしいです。  

どの国にも、その国ならではの
伝統料理があり、興味がそそられる


ステイホーム期間中に自炊を始めてみた方、沢山いらっしゃるんじゃないでしょうか?  私も珍しく、毎日自炊をしていました。

少し遠出をするにも、海外に旅行に行くにも、私にとって一番大事なのは、やはり“食”。その場所でいかに美味しいものに出会えるかによって、心の満足度が全く違います。

内田洋子さんの『皿の中に、イタリア』。私も昨年、母とイタリア旅行に出掛けて、沢山の美味しいお料理に出会ったので、どんなことが書かれているんだろうと読んでみたくなりました。20編のエッセイからなるこの本は、イタリアの春夏秋冬の時間の流れをゆっくり感じながら読むという感じで、季節ごとのさまざまな食材や、観光客だと知ることができない家庭料理やイタリアの地特有のお料理やレシピが描かれていて、なるほどと思うことばかりでした。

そしてなにより、まぁ美味しそう・・・・・・。特にマグロの手づくりツナ。私は缶に入ったツナしか知らないです(笑)。一体どんなにジューシーなツナなのだろうか・・・・・・。イタリアの家族の優しさや温かさも描かれていて、イタリアの地方都市にも興味が湧きました。いつか行ってみたいです。

私がフィレンツェに旅行に行った時はちょうど春先で、空豆が旬な時期でした。街を案内してくれた方がとてもグルメで、美味しいレストランを紹介してくれた際、“生の空豆とペコリーノ”という、空豆と羊のチーズをオリーブオイルと塩胡椒で和えたシンプルなサラダをオーダーしてくれたのですが、そのサラダに衝撃的に感動しました。今でも母との会話に出てきます。絶対! 生涯でもう一度食べたいサラダです。

どうやらこの本によると、イタリアのクリスマスは“パネットーネ”という小麦粉にたっぷりのバターとドライフルーツを入れて作った、ケーキのようなパンを家族で食べるらしい。冬のイタリアは寒そうだからあんまり行きたい季節ではないけれど、その時期しか食べられないなら、ぜひいつか行ってみたいと思います。

今年の初めにフランスに行った時は、友人に勧められて“ガレット・デ・ロワ”という新年を祝うフランスの伝統菓子をいただいたなぁ。どの国にもその国ならではの伝統料理があって、興味がそそられるばかりです。

また安心して海外旅行に行ける日が、早く戻ってくることを願っています。

文/多部未華子

今回のオススメ本はこちら!    

内田洋子 著 ¥1,600(税別)/講談社

『皿の中に、イタリア』

食べることは、生きること。イタリア在住歴30年以上の著者が描く、食と人を巡る珠玉のエッセイ集。食とともに鮮やかに浮かび上がる、イタリアに住まう人々の営みが詰まった20編を収録。2016年に文庫化。

多部未華子
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多部未華子
1989年東京都生まれ。女優。2005年に映画『HINOKIO』と『青空のゆくえ』で第48回ブルーリボン賞新人賞を受賞するなど、10代から存在感のある演技で幅広く活躍。その後、NHK連続テレビ小説「つばさ」主演をはじめ、さまざまな作品に主演。主演映画『空に住む』が10月23日より公開予定。
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