どの年代より20代、30代女性に子宮頸がんが増えています!

子宮頸がんが日本女性の20代、30代に増えているって知っていますか? がん、というと、若い年代には関係ない病気と思う人がいるかもしれませんが、子宮頸がんに限っては違うのです。どの年代よりも20代、30代の女性に多いのが、子宮頸がんなのです。

命は守れても子宮を失ってしまうことも

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もちろん子宮頸がんは、10代から80代以降まで幅広い年代の女性にかかる、がんです。今、日本では毎年1万520人もの女性が子宮頸がんに新しくかかっていて、毎年2700人の女性が子宮頸がんで死亡しています。(国立がん研究センターがん情報サービス2013年統計より)

子宮頸がんから命は守れても、治療で子宮全体を摘出し、妊娠、出産ができなくなっている女性もいるのです。日本では毎日、約7~8人の女性が子宮頸がんで亡くなっています。そして、20代、30代女性の発症率が増えているのは、先進国で日本だけなのです。

子宮頸がんで命を落としたり、子宮を摘出しなくてはならないのは、とっても悲しいことで、もったいないことだと思います。
なぜなら、子宮頸がんは、がんの中で唯一、予防できるがんだからです。私が経験した乳がんはまだはっきりとした原因や予防の方法は、確立されていません。可能なのは乳がん検診で早期発見することです。
でも子宮頸がんは、正しい検診とワクチン注射で、ほぼ完全に予防できるのです。

がんになる前に検診で発見できます!

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正しい検診とは、婦人科で行う「子宮がん検診(子宮頸がん検診)」のことで、綿棒で子宮の入り口にあたる子宮頸部を軽くこすって細胞を採取する検査です。1~2年に1回、自治体や会社の健診でも行われています。
重要なのは、子宮がん検診を定期的に受けていれば、がんになる前の状態で発見できることです。がんになる前にわかれば、子宮を失わずに済み、妊娠、出産も可能です。

ぜひ「子宮がん(子宮頸がん)検診」を受けてください。子宮がん検診は痛くない、怖くない検診です。

先進国で日本の子宮頸がん受診率は最低レベル!

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子宮頸がんは、発がん性のHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染によって起こりますが、感染してからがんになるまでは約10年という長い年月がかかります。

ですから、子宮頸がん検診を1~2年に1回、定期的に受けていれば、前がん状態でわかるので、進行したがんになってから発見されることは、まず考えられません。誤解してほしくないのは、HPV(ヒトパピローマウイルス)はどこにでもある、ありふれたウイルスで、約80%の女性は50歳までに少なくとも一度は感染を経験するといわれています。このウイルスについては、また次回詳しくお伝えします。

検診を受けていれば、がんになる前に発見できるのに、日本では約42%しか、子宮がん検診を受けていません。特に、20代、30代の女性が多くかかっているがんなのに、検診の受診率は最も低いのです。

欧米では約70~80%の女性が定期的に検診を受けています。先進国の中で最低の受診率で、こんなに子宮がん検診の受診率が低いのは日本だけです。検診を受けないために、がんが進行してから発見されるケースが多くなっています。

子宮頸がん検診の細胞診は子宮頸部の細胞をやさしくとります

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子宮がん検診は「細胞診」といわれるもので、自治体や職場で行われている検診もこれです。婦人科の医師が行います。医師が細いブラシを腟から挿入し、子宮の入り口の子宮頸部を軽くこすります。ほとんど痛みはありませんし、すぐに終わります。

あまりに緊張して体が硬くなっていると、痛いと思ってしまうことがあるかもしれません。リラックスして受けることが大事です。

医師は、綿棒の先についた細胞をガラス板にとって、検査に出します。これで終了。検査機関では、ガラス板の上の細胞を色素で染色し、顕微鏡で検査します。結果は通常1~2週間でわかります。

賢い子宮がん検診の受け方のコツ

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子宮がん検診=子宮頸がん検診は、20歳になったら、1~2年に1回は行います。自治体や職場の健診では「子宮がん検診」として、無料あるいは検診費用補助が出て行われています。ぜひ利用しましょう。また、クリニックや検診センターなどで、自分で受診することもできます。費用は自費になりますが、日程や検診内容など自由に選べます。

子宮がん検診は、生理日を避けて予定を組みます。もし生理日にあたってしまっても、検査は行えます。でも正確な検査結果が出ない可能性がありますので、できれば生理中を避けて検査日を決めてください。

内診台に乗って検査しますので、検査時は、ショーツとストッキングは脱ぎます。なので、服装は脚を開きやすいフレアスカートなどのほうが便利です。

もし、婦人科クリニックで検診を受けるときには、ぜひ「経腟超音波(エコー)」という検査も一緒に行いましょう。
経腟超音波検査は、子宮や卵巣の様子をよく診ることができます。子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣のう腫などの有無、卵巣で卵胞が育っているかなど、多くのことがわかります。せっかく婦人科を受診するのですから、一緒に診てもらうと安心です。

そのほか、婦人科では生理痛、生理不順、おりもの、不正出血、PMS(生理前症候群)、生理前のニキビなどの悩みも聞いてもらい、相談にのってもらえます。子宮がん検診を、婦人科の体チェックと考えれば、たくさんのメリットがあります。できれば、婦人科のマイドクターをつくっておくと、一生の財産になります。

文/増田美加


増田美加/女性医療ジャーナリスト
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増田美加/女性医療ジャーナリスト
NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。本誌「30歳美容委員会・女性ホルモン整え塾」でもお馴染み。エビデンスに基づいた健康情報、予防医療の視点から女性のヘルスケア、エイジングケアの執筆、講演を行う。乳がんサバイバーでもあり、さまざまながん啓発活動を展開。著書は『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。NPO法人「みんなの漢方R」理事長、NPO法人「乳がん画像診断ネットワーク(BCIN)」副理事、NPO法人「女性医療ネットワーク」理事、CNJ認定「乳がん体験者コーデイネーター」ほかを務める。
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