子宮の大きさは、年齢で変化する!?子宮を知ると不調の原因がわかる!

女性性器のうち、体の外に現れているものは「外性器」、体内に隠れているものを「内性器」といいます。子宮は、内性器で、“変化する臓器”です。子宮はライフサイクルやホルモンの影響を直接的に受けながら、一生のうちに、大きさも、機能も、変化するって知っていましたか?
20代、30代が子宮が最も大きい年代! 子宮の構造を知ると、子宮筋腫やおりものなどがなぜ起こるのかがわかります。自分の体のこと、知っておきましょう!

子宮の大きさが最も大きいのは20代、30代!


内性器である子宮の形は、年齢によって大きく変化します。私たち女性は、思春期に初潮を迎えると、周期的に月経(生理)を繰り返します。    

思春期では、子宮体部(子宮の上のほうで、たとえるといわゆる袋に当たる部分で胎児が育つところ)と子宮頸部(子宮の入り口部分)の割合は、およそ1対1くらいですが、その後、卵巣機能が活発になって、女性として成熟した性成熟期(20代、30代)に入ると、子宮体部の割合が大きくなり、2対1くらいになります。   

20代、30代では、子宮の大きさも大きくなり、鶏の卵くらいになります。洋梨を逆さにしたような形です。子宮の長さは、約7センチ、最大幅は約4センチです。子宮の厚さは、妊娠していないときで約2.5センチ。妊娠すると、子宮は、約3㎏の赤ちゃんを育む大きさまで大きくなります。でも出産後は、短期間で、妊娠前の大きさに戻ります。

そして、更年期に入って閉経すると、子宮は次第に小さくなっていきます。鶏卵大だった子宮は、親指大くらいまでに小さくなり、体部と頸部の比率も、再び1対1になります。

子宮体部は赤ちゃんを育むための構造に


子宮は、上3分の2の膨らんでいる「子宮体部」と、下3分の1の細くくびれている「子宮頸部」に分けられます。    

子宮のいちばん上の部分を子宮底(しきゅうてい)といい、子宮内の空間である子宮腔(しきゅうくう)、子宮頸管(けいかん)、子宮口となり、腟と続きます。子宮腔(いわゆる袋部分)は、赤ちゃんが育つための大事なお部屋です。    

子宮体部が赤ちゃんを育てる役割を担っているのに対し、子宮頸部は子宮を固定して胎児を出産まで支えたり、細菌の侵入を防ぐ働きをしています。    

「内性器」には、子宮以外に腟、卵巣、卵管も


内性器には、子宮のほかにも、腟、卵巣、卵管があります。    

腟は、腟の入り口である腟口と子宮頸部の間にある筋肉に囲まれた管です。弾力性に富んでいて、外陰部から子宮までの長さは、7~10センチくらいと言われています。普段は、月経血や子宮からの分泌物(おりもの)を体外に排出する通り道。
性交時には、男性のペニスを受け入れる場所であり、出産のときには赤ちゃんが通る産道になります。

子宮は、腟の奥にあります。洋梨を逆さにしたような形です。上部3分の2のふくらんだ部分の子宮体部と、下部3分の1の細くくびれた部分の子宮頸部に分けられます。  

子宮体部は赤ちゃんを育てるところで、子宮頸部は子宮の入り口で腟につながっています。    

卵巣の中にある卵の数は40代に急速に少なくなる!


卵巣は、子宮体部の両側にあるアーモンドのような形をした親指大の器官です。卵子のもとになるたくさんの原子卵胞を持っています。    

卵巣は、子宮体部の両側にあるアーモンドのような形をした親指大の器官です。卵子のもとになるたくさんの原子卵胞を持っています。
生まれたときに、左右の卵巣あわせて、約200万個の原子卵胞を持っていますが、思春期には40万個に減少し、40代からは急激に少なくなり、閉経後1~2年でほぼなくなります。    

女性ホルモンを分泌するのも、この卵巣。卵巣の機能が低下すると、女性ホルモンの分泌のバランスが崩れます。    

原子卵胞が成熟して(成熟卵胞)、卵子を排出するのが排卵です。初潮を迎える思春期から閉経を迎えるまで一定の周期で、排卵は繰り返されます。

原子卵胞が少なくなると、排卵もしなくなり、妊娠の確率も著しく減りますから、妊娠、出産に最も適した時期は、20代~30代なのです。    

排卵した卵は、どこに行くの?


卵管は、子宮体部から伸びる細い管です。 卵巣から排卵された卵子は、卵管の先端にある卵管采というイソギンチャクのような部分でキャッチされて、卵管の中に取り込まれ、卵管内を子宮に向かって移動します。

もし、卵管で精子と出会って受精すると、受精卵になります。受精卵は、細胞分裂を繰り返しながら、子宮に移動して子宮内膜に潜り込みます。これが着床で、妊娠の成立です。

内性器の子宮、卵巣、卵管は、毎月、妊娠成立のために、せっせと働いています。 でも、受精卵が来ないと、受精卵を着床させるために、厚くなっていた子宮内膜が剥がれ落ち、月経(生理)となって体外に排出されるのです。

私たち女性の体は、毎月、妊娠成立のために、子宮内膜をフカフカのベッドのように整え、受精卵が来るのを待っているのですね。    

子宮の粘膜、筋層、内膜にできるのが、子宮筋腫


子宮は、何で構成されているか知っていますか? まず、子宮の最も外側は、漿膜(しょうまく)という“薄い腹膜”で覆われています。その内側が子宮筋層。平滑筋という“筋肉”でできています。妊娠すると胎児の成長にともなって、子宮筋層も厚く大きくなるので、子宮全体が大きくなります。

この子宮の漿膜や筋層には、良性の腫瘍ができることがあります。これが「子宮筋腫」です。漿膜にできるのが「漿膜下筋腫(しょうまくかきんしゅ)」。筋層にできる筋腫を「筋層内筋腫(きんそうないきんしゅ)」と言います。    

そして、いちばん子宮の内側を被っているのは、“子宮内膜”。    

卵管の中で、卵子と精子が出会ってできた受精卵が着床するのが子宮内膜。この子宮内膜に着床すると、妊娠が成立します。

妊娠しないときの子宮内膜は、月経(生理)のときに剥がれては、また翌月に厚くなるという変化を、受精卵がいつ来てもいいように、毎月せっせと繰り返して準備しています。    

この子宮内膜にも、子宮筋腫ができることがあり、筋腫の種類は、「粘膜下筋腫(ねんまくかきんしゅ)」と言います。    

おりものは、精子を運ぶ役割もある


子宮の下の部分、子宮の下3分の1にあって、細くくびれているところが子宮頸部。子宮頸部の表面は、“扁平上皮(へんぺいじょうひ)”と“腺上皮(せんじょうひ)”という2種類の粘膜で覆われています。    

腺上皮は、多くの粘膜を分泌します。特に、排卵のときには、粘膜の量が増えて、精子が子宮をさかのぼっていく助けとなります。

同時に、この粘液は、おりものの成分のひとつにもなるのです。おりものは、精子を運ぶ役割もしているのです。    
これを知ると、おりものの大切な役割もわかり、イヤなイメージだけでもなくなるのではないでしょうか。

外性器=外陰部は、雑菌が入らないよう守る役割!


ここまで紹介したのは、内性器の話。女性の性器には内性器と外性器があります。女性性器のうち、体の外に現れているもの「外性器」といい、体内に隠れているものを内性器といいます。

外性器は、外陰部のことです。外陰部には、恥丘、大陰唇、小陰唇、陰核(クリトリス)、腟前庭などがあります。    

まず、大陰唇は、いちばん外側にあり、小陰唇を左右から囲んで守る、ふくらみのある部分です。大陰唇のすぐ内側に、小陰唇があります。小陰唇はひだ状になっていて、腟前庭を囲んでいます。     

大陰唇のすぐ内側に、小陰唇があります。小陰唇はひだ状になっていて、腟前庭を囲んでいます。    
大陰唇と小陰唇はともに、外尿道口や腟口を保護し、体内に雑菌が侵入しないように防いでいます。    

こんな性器のしくみを知ると、毎月、毎月、一生懸命に働いている体のことが愛おしいと思えてきませんか。    

文/増田美加

増田美加/女性医療ジャーナリスト
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増田美加/女性医療ジャーナリスト
NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。本誌「30歳美容委員会・女性ホルモン整え塾」でもお馴染み。エビデンスに基づいた健康情報、予防医療の視点から女性のヘルスケア、エイジングケアの執筆、講演を行う。乳がんサバイバーでもあり、さまざまながん啓発活動を展開。著書は『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。NPO法人「みんなの漢方R」理事長、NPO法人「乳がん画像診断ネットワーク(BCIN)」副理事、NPO法人「女性医療ネットワーク」理事、CNJ認定「乳がん体験者コーデイネーター」ほかを務める。
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