松村北斗さん(SixTONES)と上白石萌音さんがW主演を務める映画『夜明けのすべて』。2月9日(金)の全国公開を前に、完成披露試写会なるプレミアムナイトが行われた。NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」以来、再共演となるおふたりの軽快なトークに注目!
ついにお披露目!大興奮のプレミアムナイト
「松村北斗×上白石萌音×監督・三宅唱×原作・瀬尾まいこ」のタッグで制作された映画『夜明けのすべて』。松村さんが演じるのは、恋も仕事も順調だったがパニック障害を抱えたことで人生が一変する山添くん。上白石さんが演じるのは、普段はおおらかな性格だがPMSによって月に一度イライラが抑えきれず、怒りを爆発させてしまう藤沢さん。恋人でも友達でもないふたりが、お互いにとって最高の理解者となる様子を描く本作。多くのファンを抱える瀬尾まいこさんの同名小説『夜明けのすべて』(水鈴社/文春文庫刊)に、オリジナルの要素を加えて、16mmフィルムで映像化された。
初のお披露目となるプレミアムナイトに登壇したのは、松村さん、上白石さん、光石研さん、監督の三宅さん。多くのファンの待つ会場に、4名ともにこやかに爽やかに登壇していた様子が印象的。今の気持ちを問われると――。
「原作の帯にもあったように生きるのが少し楽になる、そんな作品になっています。ここにいる皆さんはもちろんのこと、この映画が届く限りのすべての人が楽になるように、この映画が広く届けばいいなと思っております」(松村さん)
「撮影してたときからこの映画が大好きだなと思ってまして。手前味噌なんですが、今もその気持ちがどんどん大きくなっています。なので公開が近づくのをすごく楽しみにしていました。今日初めてお客様に観ていただける日なので、とてもドキドキしていますが、楽しい時間になればいいなと思っております」(上白石さん)
「この映画は自信を持って提供できる映画になっております。今日の帰り、ご飯に行ってください。素敵な夜になると思います。いい夢見れると思います。楽しんで帰ってください」(光石さん)
「瀬尾まいこさんが書かれた素晴らしい小説を、本当に素晴らしい俳優たちと、本当に素晴らしいスタッフと一緒に作ることができました。ようやく皆さんに観ていただけるというのは本当に嬉しくて仕方ないなと思います。ぜひご堪能ください」(三宅さん)
4人でクロストーク!お互いの魅力は?このなかだったら誰が社長?
――松村さんと上白石さん、お互いの俳優としての魅力を教えてください。
松村 …ひとつに絞った方がいいですよね?
上白石 たくさん出てもいいですよ。
松村 いいですか? でも多分時間が足りなくなると思いますんで。
上白石 全然。それで終わっても…。
松村 瞬発力というか感情を爆発させる力はもちろん、その場に馴染む力。馴染むっていうと月並みですけど。この映画を観ていただいたら分かると思うんですが、きっと街が主役なんじゃないかなって思うんです。だからこそ、その街にどれだけ違和感がないかっていうのが大事で。上白石さんは、初日のワンシーン目から「家から15分くらいかけて会社まで歩いてきたのかな」と思うような佇まいと、声の使い方、喋り方をされるんですよ。何を感じてるのか僕には分からないんですけど、そこの感覚がものすごく鋭い。時代を感じ取って自分に反映する、そこは本当に“追随”を許さないんじゃないかなって。
上白石 ちょっとだけイジってますよね?
松村 いや! ほんとにイジってないです。そんな素敵な女優さんでございます。
――上白石さんは現場に行くときに何か意識していたのですか?
上白石 「ここに居さえすればいいんだな」っていう現場を、監督をはじめスタッフの皆さん、キャストの皆さんがすでに作っていてくださったので。そこに行けば藤沢さんが分かるっていう状態でしたね。やっぱりキャストの皆さんの力もあって。松村先生と…。
松村 あ、僕、先生でした(笑)。
上白石 光石先生と。この方々の胸をお借りしてやれば大丈夫だっていう安心感がある現場だったので、そう言っていただけて嬉しいです。
――松村さんの俳優としての魅力は?
上白石 いや本当に他の“追随”を許さない俳優さんですね(笑)。場所に馴染むと言ってくださったんですけど、松村さんは役に溶け込むのが本当に早い方。その人としてワンシーン目からいらっしゃるし、その人として話すっていうのをすごく自然にされる方なので。本当にいつも引っ張っていただいているなと。
――朝ドラで共演していましたが、今回の現場でのエピソードってありますか?
松村 「カムカムエヴリバディ」のとき、実はさして話してない。
上白石 そうなんですよね。撮影期間も短かったですし、いっぱいいっぱいでしたね。
松村 岡山弁を覚えるので必死だったので。今回の現場で、初めて人柄を知っていったって感じですね。
上白石 やっと知れたって感じですね。
――皆さん三宅監督の作品は初参加でしたがいかがでしたか?
上白石 本当に現場が楽しくて、それってきっと監督が誰よりも楽しんでいらしたからかなと。忘れられないのが、初日のワンシーン目を撮り終わった瞬間に監督が「撮り終わっちゃった、寂しい!」っておっしゃるからびっくりしちゃって。もう寂しいんですかって聞いたら「だって映画撮るの楽しいから」って。楽しさで連れていってくださる感じで、嫌な緊張感とかなかったですよね。
松村 全くなかったですね。むしろ、僕らに「違和感があるんだけどどう思う?」とか、演じていて「こういう違和感があるんですけど」って話したら「確かに!」って。みんなフラットで一丸というか、みんなで作ったんだ、自分は端っこにいる人間じゃないんだ、って全員に思わせてくれるような、映画を作りながら人間関係を作っているような素敵な現場でした。
――もしもこの4人が同じ会社にいたらどんな社員になっていると思う?
上白石 誰が社長ですかね?
松村 光石さんじゃないですか?
光石 僕ね、リーダーシップとか本当にないんですよ。
松村 いやいや社長!
光石 役ではやってましたけど…(笑)。
松村 リーダーシップって意味でいうと…監督?
三宅 僕映画館でアルバイトしていたんですけど、本当に使えないというか。映画のチラシを眺めて、次に観たい映画を探しているような人間だったので…。
松村 僕は、スーーーーーーー。…すいません、鈴虫やっちゃいました(笑)。
上白石 (呟くように)季節外れの。
松村 僕はギリギリ遅刻してくる奴じゃないですかね。約束の時間通りに行くの苦手なんですよ。「もういいって、あいつ」って思われながら肩身狭い思いしてる役割ですかね…。ダメダメかも!
上白石 え?ってことは私が社長? でも私本当に決められないんです。意思決定ができなくて。だから私が社長になったら破綻しますね。決めきれずになあなあにして、全部「できます! やります!」って言って、みんなに嫌われるタイプ。だから私がリーダーじゃない方がいいと思うんです。
松村 このマネジメントは結構厄介ですね(笑)。
――ではこの中に社長はいないと?(笑)。
松村 それか経営破綻ですね(笑)。
今を生きるすべての人のための映画
本当に素敵な空気が流れる良い撮影現場だったんだなと思わせる、4人の楽しいトークセッションもあっという間! これから上映を控える来場者に向けて主演のお二人から一言。
「最初は緊張していたんですが、このイベントを通してだんだん見慣れてくると、みんながこの映画に対して観る前から期待だったり尊敬みたいなものを向けてくれているような気がしていて、安心してこの後の上映を迎えられるなという思いです。この映画の素敵なところだけでもいいのでぜひ観ていただいて、近くの少し生きづらい人に対して、手を伸ばしてみようって思うような上映後になってくれたらいいなと思いました。今日はありがとうございました」(松村さん)
「この映画が説明されるときって、生きづらさを抱えた2人の物語という風に説明されるんですが、この映画に出てくる人みんながそれぞれ何かを抱えていますし、今日お越しの皆さんもきっと何かしら抱えているものがおありだと思います。常に完璧で幸せでハッピーな人ってなかなかいないと思うので。この映画はたまたま山添くんと藤沢さんでしたが、みんなの、すべての人のための映画だと思います。この作品に出会えて良かったなと思ってくださる方の元に作品が届きますことを願っております。ありがとうございました」(上白石さん)
上映後、会場はあたたかい拍手で包まれていた。帰り道に夜空を見上げたくなる――。きっと何度でも観たくなる、そして何度でも思い出す、そんなあたたかくもやわらかい作品。公開日をどうか楽しみにしていてほしい。
『夜明けのすべて』
出演/松村北斗 上白石萌音 ほか
原作/瀬尾まいこ「夜明けのすべて」(水鈴社/文春文庫 刊)
監督/三宅唱
配給/バンダイナムコフィルムワークス=アスミック・エース
※2024年2月9日(金)ロードショー
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