神戸にはココを訪れるためだけに行く価値のある場所がある。昭和初期に建てられたモダン建築をリノベーションし、ギャラリーやショップ、レストランなどを展開する「Vague Kobe」だ。(ライター/和多亜希)

いつ訪れても異国のような空間に心ときめく
1938年竣工の元銀行を2年前にコンバージョンして誕生したのが「Vague Kobe(ヴァーグ コウベ)」。Teruhiro Yanagihara Studioのフランス・アルルに次ぐ日本の拠点として設立され、ギャラリー、ショップ、ショールーム、レストランなどが部屋ごとに配された複合空間だ。美しい円筒の柱で支えられた石造りの建物の4階とルーフトップの約1,000㎡を開放した空間は、いつ訪れても心地いい。ここはル・コルビュジエの建築的プロムナードの考え方のように採光や壁の色彩などを考え、歩きながら空間や時間の変化を感じられるように設計されているという。魅力的な展覧会やイベントも多く、ゆっくり時間をかけて過ごしたい。
ギャラリーではこの秋、フレンチ民藝の展覧会を開催
「Vague Kobe」のギャラリーでは、12月5日まで「French Mingei(フレンチ民藝)」の展覧会を開催中。キュレーターとしても活動するニコラス・トレンブリーが長い歳月をかけて集めた民藝品の数々を「Vague Kobe」で展示。民藝は日本の思想として語られることが多いが、フランスでも民藝運動の精神は静かに息づいているという。今日では技法が受け継がれずに失いつつある、過去の断片となってしまった作品群。フランスの地で暮らしの道具として大切に使われてきた物の、普遍的な美しさを感じ取りたい。気に入った展示品があれば、購入も可能だ。
展覧会だけでなく、多彩なイベントが目白押し

ポップアップストアや食のコラボレーション、お茶のセッション、様々な暮らしの道具や家具などの販売会など、年間20以上のイベントを随時開催。展覧会だけでなく、各イベントもVague Kobeらしい卓越した表現に満ちている。
ワインを飲めるスペースで小休止

ギャラリーとして展示している部屋の他にも4階全体として9部屋程度の個室があり、なかにはワインを飲みながら一息つけるスペースも用意されている。ギャラリーに隣接したスペースでワインを飲む、そんなフランス的な時間の過ごし方も「Vague Kobe」の魅力なのかもしれない。
食にもこだわりを見せるルーフトップレストラン
5階には、Vague Kobeでの食の体験ができるレストラン「Eatery & Wine by Vague Kitchen」を併設。シルクロードのリサーチのなかで生まれたオリジナルヌードル「ヌードル ヴァーグ」や、フランスの伝統的なデザートも揃う。さらにナチュラルワインも豊富で、晴れた日にはテラス席で開放的な風と光と共に贅沢な時間を過ごしてもいい。ランチタイムには2名以上で利用可能なシェフズシェアリングコースか、自分で好きな料理を選べるアラカルトメニューを選択できる。ランチライム以降はアフタヌーンメニューを用意。ワインやコーヒー1杯からの利用も可能。
知る人だけのお愉しみ。予約して美味しい台湾茶を頂きたい

一人から最大6人まで、予約するとギャラリーの一角で香りの体験として、美味しい台湾茶や中国茶をいただけるサービスがある。香りや味という目に見えないエレメンツをも空間の一部として捉える新たなサービス。五感を研ぎ澄まして、香りの良いお茶で心身を満たせば、心までも整えられそう。















