自宅で仕事をしていると、毎日どこかで「何かに追われている」ような気分が抜けません。そんなある日、ご近所さんからケープコッドのバケーションハウスを貸していただけることに。せっかくの機会、今回は「何かしなきゃ」ではなく、あえて“何もしない”をテーマに、ケープコッドへバケーションに行ってきました。(料理研究家・フードコンサルタント/ブライデン陽子)
偶然出合った素材を料理するワクワク感

ケープコッドは、私の住むボストンから車で2時間ほど。アメリカ東海岸では定番の避暑地ですが、自然がたっぷりで、到着して海を目の前にした瞬間、心のスイッチがふっと切り替わるのを感じました。


予定通り、滞在中は観光名所を回るでもなく、仕事のことを考えるでもなく、ただビーチを歩いたり、プールに浮かんだり。曇り空すら、気にならないほどリラックスしていました。そしてそんな時間のなかで、浜辺の散歩中にムール貝を発見!

夕飯に早速調理。自然の中から拾った素材を料理するのは大好きで、毎回ワクワクしてしまいます。オリーブオイルと白ワインでシンプルに仕上げたら、驚くほど美味しくて、思わず「このために来たのかも」と思ってしまったほどでした。

やることを決めない旅って、最初はちょっと時間を無駄にしているような気がしますが、そうでもしなくては、なかなか自分がリセットされないのかもしれません。
波の音を聞きながら本を読んだり、昼間からビールを飲んだり、ふらっと地元のシーフードレストランに入ってみたり。そんな“何もしない”旅で感じたのは、予定を詰め込まないことの心地よさ。そして、五感が目覚めて、自分の感覚が戻ってくる感覚でした。
こんな時間こそ、実は一番の贅沢なのかもしれません。すっかり晴れたような心で、帰路につきました。
ムール貝のワイン蒸し
浜辺で見つけたムール貝、こんなふうに調理しました。

●材料(2人分)
- ムール貝 20個くらい
- にんにく 1片(皮をむいて潰す)
- オリーブオイル 大さじ1杯
- 白ワイン 1/2カップ
- 塩 適量
- (お好みで)パセリ、バゲット
●作り方
- フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れ、弱火で香りが立つまで熱する。
- 中火にしてムール貝と白ワインを加え、蓋をして蒸す。
- ムール貝の殻が開いたら完成。必要なら塩で味を調え、好みでパセリを散らしても。
補足
バゲットを添えて、旨味たっぷりのスープまでしっかり楽しんでください。スープを無駄にしないのがポイントです!