過去のライヴ演出をオマージュしたりライヴ衣装が復活したり、とにかくエモいと話題の『SUPER EIGHT 超 DOME TOUR 二十祭』。デビュー10周年を記念した「十祭」から始まり、「十五祭」「18祭」と続いてきたアニバーサリーライヴは、このたび「二十祭」を開催した。ここでは2024年12月23日の東京ドーム公演の様子をレポート。
エモくて、アツくて、本気のステージ!
各種サブスクリプションサービスでの楽曲の解禁、「SUPER EIGHT」への進化、合同ライヴ『KAMIGATA BOYZ DREAM IsLAND 2024 〜やっぱこの街好っきゃねん〜』の開催、音楽フェスティバル『EIGHT-JAM FES』の開催、史上初のセルフタイトルアルバム『SUPER EIGHT』のリリース、『超アリーナツアー2024 SUPER EIGHT』、そして『SUPER EIGHT 超 DOME TOUR 二十祭』の開催と、デビュー20周年イヤーをド派手に駆け抜けたSUPER EIGHT。
20年の歴史のなかで積み上げたドーム公演数はなんと151回で、ライヴやスタジアム公演の総動員数は驚異の1,170万人にものぼる。それほどまでに愛されるSUPER EIGHTの本質はこの「二十祭」であらわになる。
開演前から「エイト」コールが鳴り止まない会場にOVERTUREがスタート。ビルを模した巨大モニターの上からスパンコールが輝く袴姿で5人が登場すると悲鳴にも似た歓声がドームを包んだ。一曲目はデビュー曲であり原点となる「浪花いろは節」。スパークなど特効をド派手に放ち、オープニングを華々しく飾った。「キング オブ 男!」「無責任ヒーロー」「あおっぱな」「ズッコケ男道」と、誰もが知る名曲が続き、eighter(※ファンの愛称)もペンライトを振ってノリノリに。驚いたことに、eighterの“ペンラ芸”が完璧で、カラフルな光の粒が揃って動く会場は圧巻の景色。
「無責任ヒーロー」では丸山隆平さんが「『ドームただいま』って言えるアーティストになりました! みんなのおかげだ!」と言い、eighterが声を届ける一幕も。「ズッコケ男道」では、2007年に行われた47都道府県ツアーで着用していた“特攻服”に身を包み、当時のドーム公演で登場したポケバイに乗って、会場を縦横無尽に駆け巡る。特攻服は当時のもので、各メンバーこだわりの刺繍にも注目!
続く「Jackhammer」では、2010年に行われた全国ツアー「8UPPERS」の“あの”演出が復活。横山裕さんがステージでタバコに火をつけ、ひと吸い。投げ捨てる演出とともに大きな炎が上がり、割れんばかりの歓声が上がった。一瞬にも、そして永遠にも感じられる演出に、5万5000人が息をするのも忘れ、見入っていたのが印象的。大人の魅力が溢れる「浮世踊リビト」「アカイシンキロウ」「モノグラム」と続き、「夢列車」の曲終わりでは、迫り上がるステージの縁に5人がぎゅうぎゅうに座り笑顔が絶えなかった。
5人の個性が掛け合うと…グループの力は∞!
特にボルテージが上がったのは、ユニット曲&ソロ曲。横山さんと安田章大さんペアは、2009年の「PUZZLE」ツアーでお披露目した「Kicyu」を披露。横山さんが作詞、安田さん作曲のユニット曲はとにかくキュートでラブリーな一曲。当時の衣装をオマージュし、振付も当時のままを再現。「ヤス」と「キミ」と掛け合い、ヤスと呼ばれた安田さんは照れる横山さんの周りをぴょんぴょんと飛び跳ねた。
大倉忠義さんはソロ曲「だってアイドルだもん!!」をパフォーマンス。披露したのは2008年のソロコンサートのみで、音源化も映像化もされていない、伝説の一曲。緑のチェックのパジャマ姿にたくさんのクマのぬいぐるみに囲まれて歌い踊る様子に会場が揺れるほどの声が上がった。モニターに映し出される大倉さんにはクマのエフェクトが付き、「たっちょん」とプリティに会場を魅了した。
村上信五さんと丸山さんのユニット曲「YOU CAN SEE」は、パブリックイメージのおふたりから一変したシリアスで色気たっぷりなステージ。ムーディなライティングにウォームカラーのスポットライトが交差し、あっという間に広がった大人っぽい世界観に惹きつけられる。シックな衣装に身を包み、扇子を振りながら繰り出すパフォーマンスにうっとり。
ライヴMCの定評のあるSUPER EIGHTだが、この日のMCは20分強。“ヨコヒナ(横山さん×村上さん)”のコンビ愛が炸裂したトークを抜粋してお届け!
横山 (村上さんに)俺の誘いどら焼き乗らんかったな。
村上 お前…俺のことドラえもんや思てたのか! おかしいな思てたん。最近楽屋のテーブルにね、どら焼きがひとつ、またひとつ、今日は合計6つですよ! あれヨコか!
横山 4つ俺や。村上さんが「どら焼き好き」って言うてるでしょ? 俺、何にも言うてないのに、俺の差し入れがどら焼きなのよ。「村上さんどら焼き好きなんですよね」って渡されんねん。
安田 それはそうやわ。夫婦やねんから。
大倉 どっかで(情報を)仕入れてくださってるんや。すごいねえ。もうドラちゃんやん。
村上 (猫耳のポーズ)
丸山 ネズミに食われる前のドラえもんや(笑)。
大倉 でもね、僕もコンビニに行って甘いもんの前にいくと、ふわっと村上くんの顔が浮かぶんですよね。
横山 えらいもんで和菓子見たらお前の顔出てくるもん。
村上 それはおおきにやで!!!
横山 あとな、村上さんがどら焼き食べてる姿がめっちゃ好きなんよ。噛み締めて食べへん?
安田 ちょっと唇を上にのせてはむって食べるやつやろ?
横山 ちょっと、どら焼き持ってきて〜!
(大倉さんが持ってくる)
村上 誰が食べても一緒やろ。
丸山 気になるなあ。
横山 ちょっと見して! いつも通り食べてや。いつものお前が見たいねん!
村上 俺いつもどうやって食べてる…?(食べる)
メンバー&会場 (歓声)
横山 (メンバーとeighterに向けて)な!! 分かるやろ!! めっちゃ美味しそうやろ! これは誘いどら焼きやりたくなるやろ!
と、どら焼きを食べる村上さんに大興奮の横山さん。その後も、どら焼きが食べたくなってしまった横山さんは、ジャンケンで勝ち取り、美味しそうに食べているのをメンバーがあたたかく見守っていたのが印象的。
後半戦は「SUPER ∞o'clock」からスタート。アイドルの定番・メンバー紹介曲で、これまで何度か披露してきたものの、メンバー5人になってからは今回が初披露。安田さんは歌詞にリンクするようにメガネをかけて出る予定が忘れてしまい、てんやわんや! 安田さんが大倉さんに「忘れた〜」と報告しているうちに、歌うはずだった村上さんの紹介をほぼ飛ばしてしまい、「ヤスくん! 始まってるよ!」「忘れてる場合ちゃうで!」と嗜められる安田さんに会場は爆笑。
「“超”前向きストリーム!」では、モニターにも注目。これまで親交のある方にメンバーが直々にオファーをして映像出演が実現。笑福亭鶴瓶さん、古田新太さん、南原清隆さん、東京スカパラダイスオーケストラ、マツコ・デラックスさん、Perfumeなどなど、豪華ゲストがキャッチーなダンスを披露する様子はまさにお祭りさながら! そして、2014年にリリースされた「関ジャニズム」の「三十路少年」を、今回は「四十路少年」にリアレンジ。自虐を用いたコミカルな人気曲は、曲中にメンバー同士の掛け合いも見られるとにかく楽しいパフォーマンスに。
笑顔、涙、ボケて、ツッコんで…感情揺さぶるステージ
しんとした静けさのなか、壮大なオーケストラと水の演出で始まったのは「Water Drop」。2011年のライヴツアー「EIGHT×EIGHTER おもんなかったらドームすいません」で披露された噴水のアーチをこの度完全再現! 美しく弧を描くアーチを5人がランウェイさながらに歩き、ファンは感動を全身に滲ませていた。ダンスナンバー「WASABI」「Sorry Sorry love」を呼吸を揃えて魅せると、一転して、村上さんがグランドピアノを演奏。繊細に重なる音で「大阪ロマネスク」を弾き、4人が村上さんの元へ集結。終盤にはストリングスも加わり、その美しいハーモニーに聴き惚れる。
「Do you agree?」「強情にGO!」「Heavenly Psycho」「High Spirits」「象」など9曲は、バンドスタイルでお届け。ライヴやフェスで披露してきた楽曲を疾走感たっぷりに惜しみなく演奏。SUPER EIGHTのマルチな才能を印象付けたセクションに。村上さんの「ストレスや鬱憤、不満を全部俺らにぶつけてこーい!」で始まった「“超”勝手に仕上がれ」では、完璧なコール&レスポンスで会場がひとつになった。「みんなが感情をぶつけてくれた分、僕たちが感情をぶつけて歌うから聞いてください」という横山さんの声で始まったのは「LIFE〜目の前の向こうへ〜」。これは7人体制で最後に披露された楽曲。この曲を5人で、このタイミングで演奏することに、意義を感じずにはいられない。息を乱しながら一心不乱に歌う様子に、会場中が強く胸を打たれた瞬間だった。
終盤の挨拶ではひとりずつ、時には涙を浮かべながら、それぞれの胸中をまっすぐな言葉で伝えた。
村上 今日までずっと培ってきたものを出し惜しみすることなく出せて、あたたかいeighterのみんなに囲まれて、もうこれ以上ない20年です。こんなになんでもできるアイドルってすごくないですか。ここに至るまでたくさんの時間がありましたが、5人で立てていることに感謝です。関ジャニ∞のほうが強いと思っていたんですけど、間違いなく、紛れもなく、SUPER EIGHTのほうが強いですね。そして、ここに至るまで苦しい時間を共にして、今日までSUPER EIGHTをこんな立派に育ててくださって心から感謝いたします。
安田 立ち止まったりもしたけど、eighterと泣き笑って進んでこれて本当によかったです。この会場には、半eighterもいるだろうし、eighterじゃない人もいると思うねん。だって他にも素敵なアーティストはたくさんいるからさ。せやねんけど、SUPER EIGHTが目指すところって、初めて来た人とか半eighterとかに教えてあげられたり、出戻りの人を迎え入れたりすることやねん。そんなふうに、これからの未来を作っていけるグループ、20周年のライヴになったんちゃうかなって思いました。他のグループが大好きな人もどんどん巻き込んで、eighterっていうすげえ器でっかい僕らでいようぜ!
大倉 正直「十五祭」がドームに立てる最後かなって思ってました。覚悟しなきゃいけないなって。でも、5人で「18祭」もできたし、グループ史上いちばん大きい日産スタジアムにも立てたし、「二十祭」もこうやってみんなに祝ってもらえてありがとうでしかないです。ボスから「究極のマンネリって素敵だよ」って言われたことがあって。マンネリってネガティブな言葉に思えるかもしれないんですけど、それを継続することは努力でしかない。僕たちの代表曲をやったときに、皆さんが「待ってました!」という空気を作ってくれて、「これが究極のマンネリか」と実感しました。これからも自分たちの愛する曲、皆さんに愛していただける曲、そんな曲を歌っていきたいなと思ってます。
丸山 本当さ「マジ何なん?」ってくらいむっちゃいろんなことあったよね。みんなのこと心配させちゃったりとか待たせちゃったりしたんだけど、ここまで応援して支えてくれて、こうして会いに来てくれて、ありがとうと共に、マジでお疲れさま! 今日のこの公演で思ったんですけど、みんなめっちゃ優しい顔してるんだよね。普通さ、アイドルが出てきたら「うわー! ぎゃー!」ってなるけど、みんなはもう(ニコニコ、微笑みの顔を作る)って感じ(笑)。メンバーの顔も年々優しなるんだよね。そうやってお互いを思いやりながら前に進もうって思えるグループでよかったし、みんながいてくれて本当によかったなって思ってます。まだまだこれから先、楽しみなことたくさんあると思いますんで、一生ついてこいよ〜!
横山 20周年やけど、すごいメンバーやなって思うし、メンバーには感謝しかないです。覚悟を持ってこんなセットリストを作った大倉もすごいし、マルはすごいって思わせへんのがすごい。ヤスはピュア。北海道でふたりのときがあって、「SUPER EIGHTで大きいことしたい」ってまっすぐな目で言ったんです。村上さんは…言ったほうがいいんですか? 彼はよく「今の僕がいるのは横山さんがいるから」って言ってくれますけど、よく考えたら僕から返したことがない気がします。それは僕もそうです。メンバーが抜けていった瞬間はめっちゃ寂しかったけど、今は頑張ってって思えます。それはSUPER EIGHTがカッコいいし、充実しているから。僕は関ジャニ∞が大好きでしたが、SUPER EIGHTのほうがもっと好きです!
本編最後は、「二十祭」のために書き下ろされた新曲「LIFE GOES ON」を。20年を経た彼らがまたその先へ進んでいく想いを綴った歌詞が印象的なスタジアムロックチューン。涙で歌えなくなってしまう横山さんに丸山さんが駆け寄り、村上さんは端から手を伸ばし、5人がぎゅっと肩を寄せ合って歌う様子に感涙。紙吹雪がセレブレートするように降り注いで、心のシャッターを押した瞬間だった。
姿が見えなくなった瞬間から会場一体の「エイトコール」が。アンコールは過去作のロゴをふんだんに使用した巨大フロートに乗って。一緒に歌って踊って騒げる怒涛の12曲メドレーを時間をかけてファンとコミュニケーションを交わしながら一周した。ステージに戻ると、これまでの楽曲をマッシュアップした「軌跡とキセキ」を披露。メンバーの名前を一人ずつ呼んでリレーするシーンでは、何度も村上さんが横山さんに聞き返して止まってしまい、「長なるて!」て総ツッコミが(笑)。そこから名前を呼ぶ順番にeighterを組み込むべく、打ち合わせするもメンバー&ファンのボケが止まらず、終始笑顔であふれた一曲に。
「俺たちが最高で最強のSUPER EIGHT!」で幕を閉じた「二十祭」…のはずが、終演アナウンスの後も席を立たずに一糸乱れぬ「エイト」コールが何分間も続くと、その声に応えるべくメンバーが再登場! 「結構やったよ?」「腹いっぱいやろ」と言い、一本締めでと提案するとファンからのブーイングが(笑)。すると演出を務める大倉さんからGOが出て、「無限大」を大合唱した。
この5人だからこそ完成したアニバーサリーツアー「二十祭」。そして、メンバーの想いに応えるように、“声”で想いを届けるeighterの存在。無限のエネルギーと推進力を有するスーパーアイドルとファンの、完璧なカタチをみたライヴとなった。
SUPER EIGHT(スーパーエイト)
「浪花いろは節」で2004年8月25日に関西デビュー、同年9月22日に全国デビューしたアイドルグループ。2019年に5人体制になり、2024年に「SUPER EIGHT」に改名。2024年8月から「超アリーナツアー2024 SUPER EIGHT」を、12月から「SUPER EIGHT 超 DOME TOUR 二十祭」を開幕させ、今月13日に幕を閉じた。
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