映画『夜明けのすべて』同僚限定試写イベントに、W主演を務めた松村北斗さん(SixTONES)と上白石萌音さん、そして監督の三宅唱さんが登壇。同僚ならではの素敵なエピソードに耳を傾け、仕事にまつわるお悩みに3人がアンサー。毎日をちょっと前向きに過ごせるアメイジングなヒントを参考にして!
職場の同僚限定!年齢も性別も超えた“素敵な”関係
映画『夜明けのすべて』の公開を直前に控えたこの日、山添くんと藤沢さんの特別な関係を描くストーリーにならい、同じ職場で働く“同僚限定”の試写イベントが行われた。当日は年齢や性別を超えた“同僚”が40組ほど集合。3人の登場を今か今かと待ち望んでいるなか、いざイベントがスタートすると会場の空気が一変。3人が醸し出す優しくあたたかい空気に呼応するように、場内はゆったりとした心地良い雰囲気に包まれていった。
「山添くんを演じさせていただきました松村北斗です。隣にいる同僚は仲の良い同僚ですか? 気まずい同僚もいらっしゃいますか? 片方は仲が良い、片方は気まずいで手を挙げてるペアいましたが(笑)、このイベントとこの映画を観ていただいたら、隣に座っている方をもっと素敵に思うような、そんな映画だと思うので、心柔らかく楽しんでいただけたらなと思います」(松村さん)
「藤沢さんを演じました。上白石萌音です。同僚限定試写会、初めて聞きました。今日は仕事のことを忘れて…と言いたいところですが、お隣に同僚がいたら仕事のことは忘れられないと思いますので、仕事のことを“強烈”に意識しながら楽しんでください」(上白石さん)
「三宅です。今日はたくさんの方にお集まりいただきありがとうございます。楽しんでください。(松村さんと上白石さんに向けて)…なんでもっと喋んないのって顔したでしょ。2人がいいこと言っちゃったからさ」(三宅さん)
役柄を彷彿とさせる、楽しい挨拶からスタート。登壇すると、3人ともが会場に集まっている一人ひとりを確認するかのように見回しているのが印象的。すると、上白石さんがポップコーンを食べているお客さんを発見!
上白石さん 私たちもポップコーン食べたいです!
松村さん 欲しいですね。僕キャラメルで。
上白石さん&三宅監督 塩で!
三宅監督 僕チュロスも食べるよ。
松村さん あ〜僕はココアかチョコ派です。あと、たまに思いきって、クレープアイス食べたりします。
上白石さん 私はホットドック食べますよ! ここで食事を済ませちゃう、みたいな。
と、突然「映画館で何を食べるか」談義が! 共感したり驚いたり、軽快に話す3人を見守っていた観客の皆さんは自然と笑顔に。
理想の職場は?憂鬱な日はどうしてる?
栗田科学という職場を舞台に、生きづらさを抱えている山添くんと藤沢さんが特別な関係を紡いでいく、という物語にちなんで、理想の職場はなんですか?と問われると――。
「僕、SixTONESってグループをやっていて、良い職場に当たったな、なんて表現をよくするんですけど。ちょっとおちゃらけすぎてるのかな、ふざけすぎてるのかな、とか思うんですが(笑)。『いつまでもやってられるな』と安心感があるのと同時に、『いつまでもやってられるってだけで、やってていい場所ではない』という緊張感から頑張ることもできるんですよね。何より、6人がいる。自分を含めて6人がいる場所に行くのがちょっと楽しみというか。僕は、グループが理想の職場でしたね。すみません、自慢しちゃって(笑)」(松村さん)
「よく現場でもメンバーさんのお話をされてましたよね。本当にお好きなんだなと思いましたよ。
私は、すごい好きだったなって現場を思い返してみると、『ありがとう』の言葉がいっぱい飛び交う現場だったんですよね。それこそ、三宅組がそうで。(松村さんがここで「監督がラッキーみたいな顔してる!」とひと言)ずっと一緒に仕事してると、やってもらって当たり前みたいな意識って生まれてくるじゃないですか。それは悪いことではないと思うんですけど、でも相手にしてもらったことに毎回ありがとうって言える、その素敵な温度と距離の職場ってすごくいいのかなって思ってるので。私もいっぱいありがとうって言っていこうかなって思います」(上白石さん)
松村さんの大きなグループ愛をひしひしと感じ、上白石さんが三宅組の撮影を心から楽しんでいたことが伝わってくる答えが。「三宅組は本当に風通しの良い現場でしたね」(上白石さん)、「理想の職場ですよね」(松村さん)と絶賛すると、三宅監督は「そうかな?」と言いながらも嬉しそうな表情を浮かべていた。次に、仕事に行くのが憂鬱な日のモチベーションの上げ方は?と問われるとーー。
「僕は一番強そうなヒップポップを聴く、という分かりやすい上げ方をします! 音楽の力を借りますね。ガッツリモードに入るんです」(三宅監督)
「僕はね、憂鬱だと思って仕事に行く日って、すごく頑張ってるときなんですよ。“ポケモン”でいう経験値がたまる日。グッとそれがたまりやすい日なので、いっぱい頑張ると楽しく働いてる日よりも早くレベルアップするとか、憂鬱をいくつか乗り越えるとやっと“楽しい”が来るって考えてて。だから逆に、毎日楽しいと『やばい! ストックがなくなる』みたいな焦りになるので、憂鬱な日は、『チャージできるぞ』っていうふうに考えてます」(松村さん)
「私はそういう日は自分で上げません。余計疲れちゃうので。『最悪。行きたくない』って思ったまんま準備して、家を出て。でも、どっかのタイミングで絶対上がるんですよね。誰かの力を借りたり、上げなきゃいけない瞬間が来るので、ギリギリまで温存します。本当にどうにもならないときは、とりあえず口角だけあげとく! そしたら他もおのずと上がってくると思っています」(上白石さん)
三者三様の答えに、深く頷く観客の皆さん。憂鬱な日を少しでも明るく、ポジティブに過ごせるような素敵な考え方やアクションは、ぜひ参考にしたいところ!
影響を受けた人&言葉をカミングアウト!
会場では、このイベントに参加する同僚との職場でのエピソードが読み上げられた。「年齢も性別も立場の違う同僚が、自分の仕事に対する価値観を変えてくれた」とのエピソードが披露されると、影響を与えてくれた存在について語ったのは松村さん。
「過去に出演させていただいた『パーフェクトワールド』というドラマの監督さんです。当時の僕は、お芝居ってなんだかよく分からない、もちろん憧れもあるんですけど、役者さんたちの畑だからアイドルの自分が行っていい場所ではないという思いがあって。でも、その監督さんは他の役者さんとなんら変わりない接し方、なんら変わりない指導で。時には『今のはお芝居じゃないよ』ってちゃんと怒ってくれたり、反対に『今のお芝居は良かった』って褒めてくれたり、初めて人からお芝居を教えられて。それがきっかけで『お芝居を頑張ってもいいのかもな。頑張ることは自由なのかも』って思わせてくれて、かなり大きい影響を受けました。あの出会いがなかったらここまで来れなかったんじゃないかな」(松村さん)
上白石さんは「業務に負担を感じていたときに、同僚からアドバイスや温かい言葉をもらった」というエピソードを読み上げ、自身の心に残っている言葉を教えてくれた。
「ずっと第一線で活躍し続けてらっしゃる大先輩とお話してたときに、ポロッとおっしゃった『僕は満足したことないよ』っていう言葉はいまだによく思い出します。どんなお仕事をしていてもそうだと思うんですが、『よっしゃ! これでやり切った。反省は1個もない』ってこと、ないじゃないですか。自分はまだまだだなって思ってばっかりの私は、その言葉にすごく救われたんですよ。『こんな素晴らしい方も満足していないなら、私は満足してなくて当然じゃん』って思って、張り切って苦しむようになりました」(上白石さん)
イベントの締めくくりには松村さんと上白石さんの2人からこんな言葉が観客に贈られた。
「今日どんな空気でイベントを迎えて、どんな空気で終わって、映画を観ていただくのかなと思っていたんですが、皆さん仲が良かったり、信頼関係があったりで、すごくあったかくて。本当に観ていただきたい方ばかりに集まっていただき、嬉しいイベントになったなっていうふうに感じました。皆さん、何も考えず、今のあなたのその素直な心のままで、ぜひ映画を観ていただけたらと思います」(松村さん)
「『夜明けのすべて』に出てくる栗田科学って、本当に理想のような職場で、ご覧になる方によっては 『こんな職場ってありえるのかな』って思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、でも最後まで観ると、どの職場も栗田科学のようになりうるんだなって思っていただけるんじゃないかな。人の心とか優しさって、いろんな素敵な輪っかを作っていくんだなと思える映画になっているので、それを受け取っていただけたら。そして、観終わった後に『あ、私にとっての山添くんはあの人かな』っていう人が思い浮かんだりしたら、すごく嬉しいなと思います」(上白石さん)
きっと誰もが悩みや苦しさを抱えている。誰かが助けを求め、誰かが手を差し伸べる。松村さん、上白石さん、三宅監督は、そんな「誰か」になり得る「あなた」を、作品を通して“夜明け”に導いてくれる。映画『夜明けのすべて』はもうまもなく公開。ぜひ劇場に足を運んで。
『夜明けのすべて』
出演/松村北斗 上白石萌音 ほか
原作/瀬尾まいこ「夜明けのすべて」(水鈴社/文春文庫刊)
監督/三宅唱
配給/バンダイナムコフィルムワークス=アスミック・エース
※2024年2月9日(金)ロードショー
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