スタイリスト青木貴子さんによる、素敵な人に一歩近づく生き方指南。こんな時代だからこそ、前を向いて歩いていくためのヒントをお届けします。
もしも、あのとき、違う選択をしていたら?
ついに今年も最終週になりました。みなさんにとってどんな1年だったでしょうか? 充実した時間を過ごせましたか? 年の瀬は1年を振り返って、いろいろと思いを巡らせる時期。あぁ、あれもこれもやっていたら状況が変わっていたかな?とか、あのときの選択は合っていたのかしら? 別の選択をしていれば状況は違ったのかな?なんて思いを巡らせたり、反省をしている人ももしかしたら少なくないかもしれませんね。「たら」「れば」は何かを振り返るときに何度も登場するワードですよね。
人生は選択の連続で、その選択によっていくらでも違った結果(リアル)が訪れます。ちょっとSFじみた話になりますが、この世にはパラレルワールドというものが存在していて、現実の世界から分岐し、それに並行していくつもの違った世界が存在するというもの。並行世界とか並行宇宙、並行時空と言われています。これは理論物理学や量子力学の世界では存在する可能性があると言われています。
現実と似ているけれど設定がちょっと違う。選んだ選択によって違った結果になった世界が存在するのかもしれません。たとえばこの世界では平均的な人生を歩んでいても、別のパラレルな世界では大実業家になって活躍しているとか。空想の世界だとしても考えるとちょっと面白いですよね。そしてそんな世界に移行できたら、なんて考えたり。
パラレルワールドがあるという実証はされていませんが、リアルな世界でも違った結果を考えることってありますよね。たとえば受験して、AとBという両方の学校に受かっていた。Aに行った今はこうだけれど、Bに行ってたら全然違ったイマになっているだろうな、とか。事実結果は100万通り以上、きっと無限にあります。もしも、今の現実になんとなく違和感を持っていたり、不満や不安を持っているとしたらそれを嘆くこと勿れ、これからの選択を変えれば思い描いているパラレルワールドにいる理想の自分のような活躍をすることはきっと可能なのです。これは本当に大切なことで、心掛けや思い方によって目の前のリアルは激変するのです。嘘のような本当の話。
理想の世界へシフトできるとしたら
先ほど例で書いた、Bに行ってたら違ったろうな、って考え。たとえばBを選択しなかったことを後悔しているような場合、これはいつまで経っても現実を受け入れず「たら」「れば」を尊重し、足踏みをしている状態です。つまり今を受け入れていないということ。それじゃ、楽しいことなんて起こらないですよね。変えられない過去を基準に悔やんでいると、そこから状況を好転させることは難しくなります。後悔をもった選択はできるだけ早く手放した方がいい「単なる過去」です。考えても変わらない肯定できない過去に時間を使うのは勿体無い。未来に標準をあわせて(今ではなく、未来に!)起こって欲しいことを思い描いて行動すると良いのだそうです。
この手放しと類した話ですが、優柔不断で怒りっぽく神経質なパートナーと喧嘩がちだった人が、考え方や接し方を変えたら劇的に関係性が良くなったという話を聞きました。彼女はあるとき相手に対して、こうして欲しいとか、なんで思ったようにしてくれないの?というある種の願望を諦めたのだそう。変わらないんなら怒るのも疲れるし、相手の気になる部分に出来るだけフォーカスしないように心掛けたんだとか。そうしたところ不思議なことに、相手が以前よりカリカリしなくなり、とっても柔和に変貌! それも即効性を伴った変化だったことに彼女自身がびっくり、別世界の彼になったみたいと思ったそう。自分の出方(接し方)だけで相手が変わるなんて期待もせず、自分の精神衛生上、相手に期待しないという選択をしただけ、「変えられないことに拘らなくなった」ことが変化を促すポイントだったのではないかと言っていました。
こうした話を聞いていると、目の前には現在(いま)とは違う望んでいるパラレルワールドへのルートがそこかしこに用意されているのではないかと思います。私たちは理想の世界へいつでもシフトすることが可能ってことです。
一足飛びになりたい自分にはなれないけれど、確実に近づいていけます。少なくとも望む未来に対して無意識の状態よりは意識した状態の方が近い。起こって欲しい事態の設定が出来れば何が必要か、足りないか、余分なのかが見えてきます。
実現には何かを変えていくことがもちろん必要不可欠ですが、千里の道も一歩から。ちょっと角度が変わっただけでその先は大きく変わります。年も新しくなることですし、行きたいパラレルワールドを自ら設定し、しなやかに変貌を遂げ素晴らしい2024年を楽しみましょう!