伝統と技術、デザイン力のあるプロダクト、日本人の感性が活きたアートや音楽などの文化、日本食や銘品の数々…。世界に誇るニッポンのうつくしさを伝承するBEAMS JAPAN(ビームス ジャパン)に、プロジェクトへの熱い想いを伺った。
銭湯の文化的価値を絶やさないために
地域の人が集まり心身を癒やす銭湯。生活様式の変化とともに銭湯離れが進み、その数は20年以上減少し続けている。「銭湯のススメ。」プロジェクト始動のきっかけは、牛乳石鹸のお風呂文化の伝承を大切にしたいという熱い想いだという。
日本の文化を伝えたいという同じ想いを持っていたビームス ジャパンは、第1回では銭湯の魅力を伝える冊子を作り、スタンプラリーを実施してスタンプが溜まったら「ビームス ジャパン」の店頭で抽選ができるという企画を実施。銭湯とそこへ通う動機づけをデザインで繫ぎ、衰退しつつある銭湯に社会が目を向けるきっかけ作りを行った。
2021年には東京・東上野にある寿湯の銭湯絵をヤマザキマリさんのイラストでジャック。2022年に初めて関西で開催された「銭湯のススメWEST」は若者を中心に今注目のアーバンスポーツと、日本の古き佳き銭湯文化をマッチングし、ウェルネスなライフスタイルや地域コミュニティの形成など、銭湯ならではの価値をさまざまな世代へ訴求することに成功した。
2019年に「銭湯のススメ。」を実施した当初は都内の銭湯は550店舗だったのが、現在は約460店舗(令和4年現在)にまで減少。後継ぎがいないため潰れてしまう銭湯もたくさんあるという。ビームス ジャパンが企業や地域とタッグを組み、新たなニーズを取り込むような銭湯文化の発信から目が離せない。
BEAMS JAPANが誇るニッポンの銘品
童心×BEAMS JAPAN/別注ぬいぐるみ
東京・台東区のぬいぐるみメーカー、童心(ドウシン)との別注ぬいぐるみ。日本製のぬいぐるみは海外生産への移行や職人・後継者不足などで廃業に追い込まれている現状。素材から縫製、仕上げにいたるまですべて日本国内の熟練職人の手によって作られたフカフカの感触が魅力。
月兎印×BEAMS JAPAN/別注琺瑯スリムポット
日本で琺瑯の文化を広めた月兎印(ツキウサギジルシ)の琺瑯スリムポット。昔ながらの製法で熟練職人の手作業によって作られた、底に向かうにつれ広がるシルエット、流れるように伸びる細い注ぎ口が、コーヒーをドリップするのに最適。橙色は代々栄えるという縁起の良さも。
現在進行中の注目プロジェクト
おせちジャパン
家族や地域の繋がりを育む日本独自の食文化、おせち。食べる縁起物と題して、BEAMSと石井食品で日本をまるごと堪能できるおせちを制作。祝い肴といわれるおせちの伝統的な黒豆や田作りはもちろん、料理や付属品にも「縁起」の意味が込められた仕掛けが。
小津安二郎監督
映画『東京物語』を筆頭に、日本人の心を独自の作風のなかに捉え続けた世界に誇る日本の映画監督・小津安二郎。生誕120年を記念し、〈松竹株式会社〉と〈BEAMS JAPAN〉のコラボレーションアイテムを発売。代表的な映画のシーンをアーティストの長場雄が描き下ろした。
BEAMS JAPAN(ビームス ジャパン)
セレクトショップとして歩みを進めてきたビームスが日本の技術や伝統が光るプロダクトを集積し、その価値に光を当て国内外に発信する。
https://www.beams.co.jp/beams_japan/