スタイリスト青木貴子さんによる、素敵な人に一歩近づく生き方指南。こんな時代だからこそ、前を向いて歩いていくためのヒントをお届けします。
ここ最近の日常生活で起こった様々な変化の大きな要因といえばコロナの流行、戦争、じわじわ進みつつある円安。たくさんの要因が積み重なり、色々な価値が大きく変わる「時代の転換期」に私たちはいまいるのではないかと思います。
これまで有ると思っていたのもが無くなったり、いいと思っていたのもがよくないものになったり。物の価値って些細なことにでも影響を受けて日々変わります。その変化の勢いが最近徐々に加速しているように感じます。
でもどんなに何かが変わっても「価値が下がらないもの」は存在します。価値が下がらないって、強みです、素晴らしいことですよね。つまり「価値あるもの」を持っていたり、知っていたりすることは生きていく上で大きな財産になりそうです。価値が下がらないもの、さてそれって一体どんなものなんでしょうか。
丁寧に守り続けられているもの
先日神社の行事に参列をして来ました。ずっとずっと古くから伝承されてきた伝統的な神事、荘厳な空間に身を置きながら祭司の一挙一動を目の当たりにしている時「丁寧に続けられている決まり事」は、きちんと伝承されている限りその価値が決して変わることはないんだなと、ふと思いました。「止むことなく丁寧」を続けることの大変さは推して知るべし、毎日続けるのは並大抵のことではありません。有る事が難しいから有難い、尊い事だと言えます。だから丁寧に続けられているものは、良い価値が変わらない。
神社の話の後にいきなり世俗的レベルの例えでナンですが(笑)、ハイエンドブランドの名品と言われ続けているアイテムも「丁寧に品質を守る」ことによって価値を維持し続けています。もし仮に名前だけでクオリティが伴わなくなったら、その価値は一気に下がってしまうでしょう。どんなに評判のいいレストランだって味が落ちたら閑古鳥が泣くように、その辺りはみんなシビアです。
変わらぬ高価値と「丁寧に続けること」の間には相関関係が見つけられます。
代わりのきかないもの
いま、リアルなミーティングとオンラインミーティングの比率はどのくらいでしょうか? オンラインの方が多いというひとが増えているような気がします。直接会わないで会議に参加するのが当たり前になるなんて、かつては考えられませんでしたよね? でも常識と思っていたことは脆くも変化しました。直接会うことの価値は、少なくとも会議においては激変しました。お買い物もコロナ前よりネットで済ますというひとが随分増えたと聞きます。
同じ「行く」でも、これまでのように自らがわざわざ足を運ぶという価値が変わっていないところもあります。それは「楽しいを体感できるところ」。例えば音楽ライブやスポーツ観戦、テニスやサーフィンなどのスポーツやお稽古事など、自らの体験が伴う事象。心から楽しいと思えること、心地よいと感じるもの、そんなポジティブな感情を抱かせてくれる場所は代わりがききません。「代わりがきかない」も価値が下がらないものの要素のひとつだと言えます。
価値の変化を見極める、その眼を持つことが大切
最初にチラリと書いた円安について。残念ながらいまは円が持ち直す良い材料がないですよね。それこそ日本の価値が問われているってことです。お金の価値はちょっとした事変に影響を受けます。
これからは自ら頑張ってお金を積極的に増やしていかないといけない時代。のほほんとはしていられません。NISAやiDeCoはどうなの? とか、ドル建て貯金をする? などなど、どうすれば自分の資産価値を増やしていけるか。いろいろな基準が変わり続けていく中で、簡単なことではありませんが、総合的に判断できるよう多くの情報を知る=勉強する必要が出て来ました。ただ逆を言えば知識や見極める眼を育てていけば比例してその価値を高めていくことが出来るのだとも言えます。
さて最後に、自分の価値を高めるにはどうしたら良いのかを考えてみたいと思います。
身の回りの価値が下がらないもの、上がるものを探して、その理由をよーく考えてみると自分の価値を高めるヒントも見えてきます。仕事でも趣味でも、自分が大切に思っていることを丁寧に続けていくこと自体に価値があるとわかれば、続けるモチベーションも得られますし、その結果評価されるようになる場面も増えてきます。価値の変化をもたらす要因や原因を見極める眼を持つようになれば、価値を上げることが効果的にできるようになって来ます。すると自信もついて来ます。そしてその得られた自信が魅力やスキルアップにつながれば、おのずと代わりのきかない唯一無二のプライスレスなひととして周りから認知されるようになります。
価値を決めるのも高めるのも、他人ではなく自分なのです。そう考えると全てはやりよう考えようなのね!と、ちょっと楽観的な気持ちにもなれます。激動の世の中、様々な「価値」について考えてみませんか? より良く生きるヒントがきっとそこかしこに隠れています!