ポジティブなメッセージやリアルな姿を発信し続ける與真司郎さん。だからこそいま、與さんから紡がれる言葉が聞きたい!――そんな想いで、リアルなお悩みを聞いてもらいました。後半では、ついに本格再始動したアーティスト活動のあれこれを少しだけ先出しで教えてもらいました。
與真司郎に聞きたい!お悩み相談スタート

30歳です。社会に出て8年ほど経ちますが、何をやりたいのか迷子です。どうしたら自分の進むべき道や夢が見つかりますか?
ちょうど悩む時期ですよね。どちらかというと僕は夢を常に持っているタイプだけど、過去には「どうしよう」と思うときもありました。そういうときは、まずひとり旅に出ること。いつもの環境から少し離れてみると、考え方が変わるし新しいものが見つかる気がします。僕の場合は26歳のときにLAに移住したり、35歳のときにノマド生活に変えたり。でも、ただ旅をしたり住む場所を変えるだけじゃダメなんです。待ってるだけじゃ何も変わらないから、人と出会う努力をするなど何か行動しないと。
とはいえ、今の環境を手放すというリスクがあるのもわかる。でも、失うものがないと得るものもないなとすごく感じるんです。僕はAAAの活動が波に乗っているときに、自分自身と向き合いたくてLAに住む決断をしたし、ゲイであることをカミングアウトもした。カミングアウトすることでいろんなことを失ったけれど、得るものもすごくあったんですよね。だから、すべてを得ることはできないんだと思う。だけど自分を変えることで、それまで以上の幸せを得られると僕の経験上から感じています。
来年30歳を迎えます。20代のうちにやっておいたほうがいいことを教えてください。
20代は体力も活力もあるから、自分のことを知っていくことが大切だと思います。自分の好きなもの嫌いなもの、やりたいことや苦手なこと。そういういろんなものを見つけていくのが20代! 僕は、20代のうちにそれをやっておいてよかったなと思っているんです。30代に入ってくると、20代に比べたら、体力もやる気も下降気味になってくるから、20代のうちにいろんな人と出会って、いろんなことを学んで、経験するってことがすごく重要だと思います。

言いたいことが言えず我慢してしまうタイプです。どうすればこんな性格を変えられますか。
それはきっと自信がなくて自己肯定感が低いからだと思うんです。正直、僕は小さい頃から「嫌なことは嫌」って言えるタイプだったから、アメリカが心地良かったんだけど。特に日本って特殊で、周りに合わせることが良しとされるカルチャーじゃないですか。もちろん日本人のいいところでもあるんだけれど、自分を責めてしまう人も多いと思うんですよね。自己肯定感をあげるためには、やっぱり“経験する”こと。いろんなことを経験すると、勝手に自信がついてきて自分らしく生きられるようになる。そうすると周りの意見が気にならなくなります。
さっき「僕は言いたいことは言える」って言ったけれど、自己肯定感が低いときもあって。褒められても「どうせ自分なんか…」って思っていたし、アンチコメントばかりに目を向けてしまっていたときがあったんです。でも急にマインドセットを変えることはできない。自己啓発本を一冊読んだからといってコロンと変わらないから、焦らずにゆっくりと経験値を積み上げていきましょう。
人の前でプレゼンするときや初対面の人と話すときにあがってしまって、いつもの自分でいられません。與さんは緊張することはありますか。また、そのときの打開策を教えてください。
僕も緊張しますよ。ライヴの前は緊張するしテレビ番組の収録なんか大変! 緊張しすぎて歌詞が飛んで歌えなくなったこともあるんですよ。でも、やるしかないじゃないですか。打開策は、自信を持てるように何度も練習したりイメージすること。でもね、失敗してもいいんですよ。みんな失敗するんだから。プレッシャーを感じすぎずに自分らしくチャレンジしてください。

今お付き合いしている人のことは好きなんですが、ときめかなくなってしまいました。「本当にこの人でいいのか」と思ったら未来が見えないのですが、付き合い続けていいのでしょうか。
うわ〜、僕だったら一回ちゃんと話し合う。正直な気持ちを伝えてみて、もしかしたら相手も同じことを考えているかもしれないし、もしかしたら話し合いがきっかけで良い方向に変わるかもしれない。恋愛においてパーフェクトな人っていないと思うんですよ。だから受け入れることも必要。許せるか許せないかが重要だから、改めて話し合う時間を設けたほうがいいと思います。ちなみに僕も最初はときめきたいタイプ! でも、そのときめきが何年も何十年もって本当に稀じゃない? 一緒にいる時間が増えてくると、ときめきは安心感や信頼感に変わってくる。ときめきだけが恋愛じゃないとも思うんですよ!
好きな人を作る気力がありません。ひとりは気楽でいいのですが、周囲は結婚や出産などライフステージが変わってきて、なんとなく焦りを感じています。この気持ちはどう解消すればいいでしょうか?
この時代、ひとりでも幸せな人はたくさんいるし、逆に結婚して不幸せな人もいますよね。だから結婚して子供を産んでっていうのだけが正解じゃないと思うから、焦るのがいちばん良くないと思います。でも、恋人が欲しいとかいつか結婚したいと思うんだったら、アクションを起こさないと! 映画やドラマみたいなロマンティックな出会いはそうそうないんだから。ハンカチ落として「あ!」とか、飛行機の隣の席の人と…とか夢見すぎ(笑)! 積極的に出会いに行くとかマッチングアプリをやってみるとか、ストレートの方は出会いがいっぱいあるじゃないですか。失敗を怖がらずに人と関わってください!

新曲、アルバム、ライヴツアー…大型プロジェクト始動!
読者のお悩みをあたたかさとひとさじのユーモアで包んでくれた與さん。そんなあたたかさはアーティスト活動の再始動にも反映されている。9月17日にリリースするニューシングル「262」は、與さんが実践してきたメンタルヘルスマネジメント術“262の法則” をコンセプトに掲げた一曲に。
「“262の法則”は、自分と価値感が合う人が2割、どっちでもない人が6割、自分とまったく感覚が合わない人が2割いる、という法則のこと。それまでは、みんなに好かれること、嫌われないように生きていくことに必死だったんですが、この考え方を得てからすごく楽になったんです。合わない人がいてもOK、悪口を言われたりバックラッシュを受けても、自分と合わないだけなんだと思うと、より応援してくれる2割の人に向けて言葉を届けていこうと思えるんですよね。今回の新曲はそんな想いを込めて、イケイケなビートと強めの歌詞にのせて作りました。僕、絶対“奴”とか言わないんですが(笑)、與真司郎の新しいところを出せればいいなと思いました」
そして、インディペンデントアーティストとしては初めてとなるフルアルバムのリリースも発表。いまだベールに包まれている楽曲について、フリーダムに制作できたと笑顔を見せる。
「僕の人生や伝えたいことを曲にするのは今回のアルバムが初めてなんです。これまでは本当の気持ちは隠していたし、どこか演じていた部分もあったから。今回のアルバムは、今まで以上に1曲1曲大切に作り上げたので、リリースまで2年半くらいかかりました。作詞作曲からアウトプットまで、全部携わっているから毎日が勉強の日々。カミングアウト後も僕のことを応援してくれている方に伝えたいことを綴っているので、届けられるのが本当にうれしいんですよ」
リアルな與真司郎を落とし込んだアルバムを引っ提げて、2026年春にはライヴツアーも。フルライヴはなんと、5年ぶりになるそう。
「今回は自分らしく、いい意味で肩の力を抜いてできると思います。歌うこともダンスをすることも昔より好きだし、自信を持ってできると思うから、のびのびと表現している與真司郎を見てほしいし、みんなとハッピーな空間を作っていくことが楽しみで仕方ありません!」
【9月17日リリース!】ニューシングル「262」

與真司郎(あたえしんじろう)
1988年11月26日生まれ。京都府出身。14歳でエイベックスに入り、2005年9月14日にAAA(トリプル・エー)のメンバーとしてシングル「BLOOD on FIRE」でデビュー。2016年6月には初のソロ作品をリリース。2021年3月からアパレルのみならず、雑貨、アクセサリー等、自身のライフスタイルを広く表現していくブランド「446 - DOUBLE FOUR SIX - 」(ダブルフォーシックス)の立ち上げを発表し、ブランドプロデューサーとしても活躍。
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